大坂なおみの母親が日本で受けた結婚めぐる人種差別…NYタイムズが特集で「純血性にこだわる社会」と指摘

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
大坂なおみの母親が日本で受けた結婚めぐる人種差別…NYタイムズが特集で「純血性にこだわる社会」と指摘の画像1
大坂なおみ選手を特集したニューヨークタイムズ(電子版8月23日付より)

 大坂なおみフィーバーが止まらない。全米オープン優勝に続き、現在日本で開催中の東レ・パンパシフィックオープンでも快進撃を続けている。

 本サイトでは、先日、大坂選手の偉業や美点を“日本の心”“日本人ならではの謙虚さ”などと無理やり日本に結びつける報道や論評に疑問を呈した。というのも、大坂選手に対しては、ついこの間まで、ネットで「日本選手っぽくない」「この人を日本選手と呼ぶことに違和感がある」という差別的な攻撃がやたら見られた。ところが大坂選手が全米オープンを制し世界的評価を集めたとたんに、今度は一斉に例の“日本スゴイ”に大坂選手の存在を利用しはじめたのだ。ヘイト常習の政治家のなかには、「特例で二重国籍を与えるべき」などと言い出す輩も出てくる始末だ。これこそが、醜悪な差別意識の裏返しだろう。

 実は、米紙ニューヨークタイムズが、全米オープン優勝前の8月23日、大坂なおみの特集記事のなかで、こうした日本社会の抱える差別性に対して鋭く切り込んでいる。

 記事では、大坂なおみ選手の母・環さんのあるツイートを紹介している。環さんが、今年の6月中旬、幼い頃のなおみ姉妹や、若かりし日の母環さん・父レオナルドさんや幼いなおみ姉妹の写真のコラージュを投稿。ファミリーの懐かしい思い出の1ページと見えるそれらの写真、しかしそこに環さんが添えた言葉は奇妙なものだったという。

〈was ‘disgrace’ to the family, had been in the desert&jungles for decades, I’m still surviving.〉

(家族の「恥」だった、何十年ものあいだ砂漠とジャングルの中にいた、私は今もまだ生きている)

 本サイトでは環さんのツイッターアカウントを確認できなかったが、ニューヨークタイムズの記事によれば、環さんのそのツイートには「#HappyLovingDay」というハッシュタグが添えられていたという。そのツイートが投稿された6月12日は、アメリカでは「Loving Day」と呼ばれる日。1967年のこの日、異人種間の結婚を禁止する法律がアメリカ全土で完全に廃止された。もちろん、この法律は環さんが生まれるより前に廃止されており、また日本生まれである環さんに、直接の影響があったわけではない。それでも、環さんはこの「Loving Day」に連帯の心を寄せた。ニューヨークタイムズはその背景として、環さん自身の体験をひもといている。

 記事によれば、大坂選手の父・レオナルドさんと、母・環さんが出会ったのは1990年ごろ。レオナルドさんはハイチ生まれでニューヨークからやって来た大学生だった。

 2人はデートを重ねるようになるが、数年間にわたり環さんの両親に交際のことは秘密だった。しかし、環さんが20代前半となりお見合いの話がもちあがったことをきっかけに、はじめてその関係を打ち明けることになる。相手は外国人で、黒人だった。父親は激怒し、環さんは両親と疎遠になる。

 その後、夫婦は大阪に移り住み、1997年に大坂なおみ選手が生まれる。そして、大坂なおみ選手が3歳のときアメリカに移住し、現在までアメリカを拠点に生活し続けている。そうした事情から、大坂なおみ選手が母方の祖父母にはじめて会ったのは彼女が11歳前後になってからだったという。

 本稿は大坂選手の祖父個人を糾弾しようというものではない。現在以上に外国人が少なかったという時代状況や、保守的な地方都市の名士(根室漁業組合長)という環境もあっただろう。

 また、祖父がかつての差別的な感情を乗り越えていることは、最近のコメントなどからもはっきりうががえる。たとえば、全米オープン優勝後に取材を受けた際も、「日本国籍を選んで欲しいか」という質問に「孫には孫の人生がある」と答え、国籍選択を強制するような発言は一切しなかった。

 それに何よりこれは、単に一個人・一家族の問題ではなく、日本社会全体の問題だろう。大坂家が数年後にアメリカに移住したことを考えると、大阪での生活にも苦労があったであろうことは想像に難くない。

 ニューヨークタイムズ記事も同様で、日本について「徳川幕府による鎖国政策から長い時間をかけて醸成されてきた閉鎖性」「純血性にこだわる社会」と指摘している。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

大坂なおみの母親が日本で受けた結婚めぐる人種差別…NYタイムズが特集で「純血性にこだわる社会」と指摘のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。テニスニューヨークタイムズ大坂なおみ編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
2 「あおり運転」警察の過剰捜査とワイドショーの異常報道
3 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
4 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
5 オリラジ中田がリベラル論客に! YouTubeで安倍政権の改憲を批判
6 葵つかさが「松潤とは終わった」と
7 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
8 ウーマン村本がよしもと社長からの圧力を激白!
9 日韓対立で『ワシントンポスト』が日本の歴史修正主義が原因と指摘!
10 田崎とケントに自民党からカネが!
11 秋篠宮家の料理番がブラック告発
12 自衛隊スパイ事件、官邸が解禁の理由
13 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
14 パワハラ禁止の法整備が不十分な日本で労働者をどう守るか?
15 青山繁晴が前川氏に論破されてボロボロ
16 安倍政権が天皇代替わりにかこつけ佐川元国税庁長官を恩赦に
17 N国・立花孝志のマツコ攻撃は言論弾圧!メディアは放置するな
18 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
19 久米宏が電通タブーに踏み込む激烈な五輪批判
20 報道特集が中曽根の慰安所作りを報道
1安倍首相と省庁幹部の面談記録が一切作成されなくなった!
2くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
3金融庁報告書で厚労省年金局課長の驚愕無責任発言
4産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
5安倍首相が「老後2000万円」追及に逆ギレ!
6菅官房長官が望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活
7金融庁「年金下がるから資産運用」報告書で麻生太郎が開き直り!
8F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
9金融庁炎上の裏で安倍政権が「年金」の“不都合な事実”を隠蔽!
10防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
11長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
12講談社「ViVi」の自民党広告は公選法違反か!
13映画『主戦場』上映中止要求の右派論客に監督が徹底反論!
14渡辺謙が語った『ゴジラ』出演と震災、原発、戦争
15マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
16田崎史郎「65歳から年金もらってます」
17川崎殺傷事件「不良品」発言こそ松本人志の本質だ!
18 香港市民はデモの力示したが、日本は…
19松本人志が「不良品」発言問題で謝罪も説明もなし!
20農水元次官子ども殺害正当化は、橋下徹、竹田恒泰、坂上忍も

カテゴリ別ランキング


人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄