安倍首相が「徴用工でなく労働者」と言い換えを命じても強制労働の歴史は消せない! 麻生家の炭鉱は「朝鮮人地獄」と…

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麻生財務相の一族経営の炭鉱で行われていた朝鮮人徴用工虐待

 ところが、新聞やテレビ、週刊誌などの大手メディアは、こうした政権による見え見えのプロパガンダに対して、批判はおろか追及する素振りすらみせない。繰り返すが、安倍政権の“代弁者”のように韓国政府や韓国司法を攻撃し、ネット右翼を煽り、元徴用工を貶めるような報道を続けている有様である。

 それどころか、マスコミはもっと重要なことすらネグっている。それは、当時、連行された徴用工たちが、どのような目に遭わされたのかという歴史的な事実だ。

 前述したように、朝鮮人たちのほとんどは、石炭鉱業や軍需関連工場に送られ、財閥系の炭鉱を中心に、暴力による強制労働や過酷な環境での生活を余儀なくされた。ここでは、当事者の証言からいくつかの例を具体的に紹介しよう。

 たとえば、福岡県の麻生鉱業だ。現在の麻生太郎財務相兼副総理の出身でも知られる麻生家は、もともと炭鉱で巨大な財を築き上げた。厚生省の集計によれば、1939〜45年にかけて麻生鉱業へは少なくとも1万623人が連行された。麻生系の炭鉱では「朝鮮人地獄」と呼ばれるような光景が広がっていたという。

 複数の元朝鮮人徴用工の証言によれば、麻生系の赤坂炭鉱では、朝鮮人寮の周囲は針金のついた板壁で囲まれており、監視所と番人に見張られて外部との面会もできなかった。労務事務所には留置所のような監獄部屋があったという。坑道内は暑く、臭気がこもった。日中戦争が始まると扱いは酷くなり、休みも認めず、逃亡したりサボったりした坑夫は木刀やベルトなどで殴打されるなど、暴力的な強制労働が行われたという。

「官斡旋」の時代には、このような証言もある。隔離された朝鮮人寮で朝の5時に起こされると、広場で点呼を受け、君が代などの斉唱が行われた。6時に入坑し、夜の9時までの15時間労働だった。「これから敵のトーチカを攻撃する。突撃進め!」と坑口に追い立てられた。労務係は見せしめに死ぬほど叩き、給与は強制的に貯金され、故郷への送金は最初の200円が送られただけだった。労務係に糾すと、逆に木刀で叩かれた。

 事故や激務による重症も、本人の不注意とされたり、もみ消しが行われたという。朝鮮人への傷害致死事件も起きた。赤坂炭鉱での複数証言によれば、1944年秋、第二直轄寮の労務が飲酒の上で朝鮮人を虐待して、事故死に見せかけるために線路上に放置した。その遺体を発見した朝鮮人たちは激怒し暴動を起こした。朝鮮人の数名が逮捕、強制送還された一方、労務への刑事罰はなかったとされる。逆に、抗議した朝鮮人のリーダーが検挙され、憲兵隊が監視するようにすらなったという。

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