「新潮45」でLGBT攻撃して痴漢を擁護した小川榮太郎と、安倍首相の一体化した濃密すぎる関係

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小川榮太郎は『NEWS23』岸井成格攻撃を煽動、降板に追い込んだことも

 しかし、当時の安倍は第一次政権の投げ出しで下野のきっかけをつくり、評判は地に堕ちていた。ルポルタージュを書いてくれる高名なノンフィクション作家などいるはずもない。そこで白羽の矢が立ったのがまったく無名の小川氏だった。そうして、小川氏が三宅氏の指導を受けながら書き上げたのが、例の『約束の日』だったというわけだ。

 そして前述の通り、『約束の日』は2012年の自民党総裁選の直前、安倍応援団の一員である見城徹社長率いる幻冬舎から出版され、無名の書き手によるものとしては異例のベストセラーを記録するのだが、その背景にもやはり安倍陣営の仕掛けがあった。というのも、安倍氏の資金管理団体である「晋和会」が同書を総額700万円分以上も大量購入していたのだ。当時、一部の書店では売り切れになるなどし、そのことが全国的なPRにつながった。

 つまり、小川氏は安倍晋三を首相にするための運動のなかでデビューし、さらに安倍側に書籍を買ってもらったという、あまりにもズブズブな「文芸評論家」なのだ。

 こうして右派論壇に躍り出た小川氏は、その後も「WiLL」(ワック)などの極右雑誌で執筆活動を続けて安倍関連本を出版していくのだが、そのなかで2015年、小川氏が事務局長として組織したのが「放送法遵守を求める視聴者の会」なる団体だった。

 「視聴者の会」は、表向きはテレビ報道をチェックするという名目の民間団体だが、その主たるメンバーは日本会議の関連人物や安倍首相を応援している極右文化人ばかり。実際、安倍政権の政策を批判した番組やキャスターをあげつらって、全国紙一面広告を打つなどのバッシングを展開し、当時『NEWS23』(TBS)で安保法制を舌鋒鋭く批判していた岸井成格氏(故人)の番組アンカー降板のきっかけをつくるなど、安倍首相にとっての“成果”をあげた。

 ちなみに、昨年、加計学園問題で安倍政権が窮地に立たされたときも、同会は全国紙に一面意見広告を出稿。加戸守行・前愛媛県知事や原英史・国家戦略特区ワーキンググループ委員など、安倍首相を擁護する与党側参考人の発言をもっと取り上げろとクレームをつけていた。

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