貧困バッシングの落語家・桂春蝶はネトウヨタレントとして売出し中! 韓国叩き、左翼叩きで第2のケント狙い?

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落語家の下積み時代と、国の政策による貧困の拡大を混同するトンチンカン

 しかも、「貧困」は、たんにヒューマニズムの問題ではない。春蝶の大好きな「自己責任論」をふりかざして格差を助長し、貧困を放置する新自由主義政策は、景気回復やデフレ脱却を阻む最大の要因になっているのだ。

 真面目に働いていても、病気でもすればあっという間に貧困に陥ってしまう、相当な貯金がなければ、老後、まともな生活ができない。日本がセーフティネットの機能しないこうした社会になってしまったことによって、国民は将来不安をおぼえ、お金を稼いでもすぐに貯金に回してしまうようになった。だから、金融緩和や公共事業をいくらやっても、消費は一向に活発にならず、そのため景気も回復しない。

 経済成長に「富の再配分」が必要なことは、ノーベル賞を受賞したクルーグマンやスティグリッツといった経済学の権威も明言しているし、安倍政権ですらそれを認め、アベノミクスを軌道修正せざるをえなくなっているのだ。

 にもかかわらず、いまどき貧困層を“もっと我慢しろ、政府のせいにするな、どこが貧困か!”と血祭りにあげ、説教して悦に入っているのだから、その無知無教養ぶりには呆れるしかない。

 しかも、春蝶はTwitterでこの発言を批判されても撤回することなく、同じ日に〈分かりにくい内容だった〉と言い訳。いま現在貧困に苦しんでいる人々を尻目に、〈言いたかったのは、人は生まれながらに苦悩を抱えていて、だからこそ生きられるこの世界は奇跡の連続で、感謝して歩むべきだという福音だった〉などという意味不明なポエムでごまかそうとしている。

 いやはや、何が「福音」なのかまったく理解できないが、春蝶は翌21日にもこうツイートして批判をかわそうとした。

〈僕は20歳から10年間、家賃2万円台のアパートで住んだ。それでも金がなくて、家賃を滞納したりした。当時は仕事が本当になかったから。
ほとんど毎日がチキンラーメンかコーンフレークやった。
それでも生きれた。
芸人風情でも何とかやっていける日本は素晴らしい。
これ以上この国に何を望みますか?〉

 いったいこの男は何を言っているのだろう。そもそも春蝶は「芸人風情でも何とかやっていける日本は素晴らしい」などと言っているが、それは国の制度じゃなくて、お前が落語家をやっていて師匠や先輩やタニマチに小遣いをもらえたからだろう。そして、芸人として売れることを目指していたから「10年間、家賃2万円台のアパート、毎日がチキンラーメンかコーンフレーク」の生活に耐えられただけじゃないか。

 いま問題なのは、普通に真面目に働いている人が、売れない落語家に近いような生活をせざるをえなくなっている、病気や高齢になればそれ以下の生活になってしまっていることなのだ。「これ以上この国に何を望みますか」って、普通に暮らしている人が「売れない、仕事のない若手落語家」以上の生活保障を求めるのは当たり前じゃないか。

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