「県外の活動家だらけ」沖縄基地反対運動へのデマを暴く力作ドキュメンタリーが放送! ヘイトデマ発信源にも直撃

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「反対運動が始まって以来、高江には一度も行ったことがない」
「ネット動画を見ればわかる。現地はその動画で見てますから」

 沖縄に詳しいとテレビで紹介され、「現場を見てください」と呼びかけた本人が、なんのことはない、一度も現地に行かず、ネット動画を眺めていただけだというのである。

 この構図は、今年1月、TOKYO MXの『ニュース女子』が流したフェイク(偽)ニュースとも似通っている。「基地建設反対派に日当が出ている」「取材すると襲撃される」など、基地反対派=暴力集団というイメージを植え付ける“現地レポート”を行った軍事ジャーナリストの井上和彦氏は、高江にも行かず、反対派住民の声も聞いていない。現場から45kmも離れた名護市内のトンネル前で「ここから先は危険」「取材を足止めされた」と笑止千万にも語っていただけである。MBS取材陣は、TOKYO MXに対し「事実と異なるのではないか」とする質問状を送ったが、回答はなかったという。

 さらに、MBS取材陣は「反対派が救急車の進路を妨害し、ついには襲撃して破壊した」というデマについても検証している。これがネット上で大きく拡散されたのを受け、現地の消防署が隊員らに聞き取り調査をしたところ、そんな事例は1件もなかったといい、MBSの取材に対しても「そんな事実は一切ない。(圧力などによって)ウソをついているということもない」と断言している。

 このデマを流したのは医療関係者を名乗る男性。MBSの電話取材に対し、「知人から聞いた話に怒りを覚えた。事実かどうかの確認はしていない。軽率だったと反省している」と答えているが、悪びれる様子はない。誰から聞いたのかという質問にも「それは答えられない」とごまかしている。この男性は投稿を削除したが、いったん拡散したデマは簡単に消えず、今も沖縄ヘイトの材料にされ続けているという。

 今回の番組で明らかになったのは、デマを流す人間たちはいずれも、名前も定かでない怪しげな情報源から「聞いた話」やネット上で見つけた不確かな情報を、現地へ行かず、当事者から話も聞かず、あるいは資料に当たるといった作業もせず、つまり一切裏取りをしないまま、さも事実であるかのように語ったり、書き込んだりしているということだ。

 彼らにとっては何が事実かはどうでもよく、ただ自分たちの不満や感情的な言い分──おそらくそれは「基地に反対する沖縄が気に入らない」「政府や米軍の方針に抗う者が許せない」といったようなことだ──を広め、正当化できればよいのである。まさに「ポスト真実」時代の見本のような愚行である。

 厄介なのは、今回の番組のように丹念な取材によって事実を突きつけ、デマを一つ一つ覆していったとしても、それを流した者も、信じ込んだ者も、簡単に“信念”を曲げることはないだろうということだ。デマの背景に巣食うヘイト感情は、それほど根深く、手強い。

『沖縄 さまよう木霊』のディレクターである斉加尚代氏は番組HPにこんな問いかけをしている。

〈信じる人はいないだろう、そう思う自分がいると同時に、取材を通じ「デマは大げさなほど拡散する」ことを身をもって体験した自分がいます。(略)一体それはなぜなのか…。突き詰めれば、私たちの暮らしそのものにもつながっていて、沖縄だけの問題ではありません〉
(大黒仙介)

最終更新:2017.11.16 11:59

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