安倍首相が自衛隊の駆け付け警護、戦争参加強行のためにインチキ答弁!「南スーダンは戦闘状態でなく衝突」

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 しかも、安倍首相は、事実として武器等を使用した殺傷行為が行われていることは認めておきながら、“戦闘ではなく衝突”と言い換える。言葉遊びだ。いわば「刃物を持って押し入って身ぐるみを剥がしたけれども『強盗』じゃない」などと言っているのと同じ。むちゃくちゃにもほどがある。

 では、なぜ日本政府は頑なに「戦闘」だと認めたがらないのか。それはやはり、南スーダンを「駆けつけ警護」の先例とするために他ならない。「駆けつけ警護」とは、自衛隊が現地の武装勢力などから直接攻撃を受けなくとも、国連やNGO関係者が襲撃された際に現場に駆けつけて救助するというもので、武器使用が認められる。自衛隊ではすでに「駆けつけ警護」の訓練が開始され、先月の日米防衛相会談でも稲田朋美防衛相が米側にそのことを報告していたように、安倍政権はいま新安保関連法の“実績作り”に躍起になっている。

 ところが、前述したように治安が悪化している南スーダンでは、「駆けつけ警護」の舞台となる自衛隊のPKO参加自体が疑問視されている。たとえば、PKO協力法にある「参加5原則」では、紛争当事者間の停戦合意の成立が条件のひとつとなっているが、ジュバの大規模戦闘などを見ても明らかなように、政府軍と反政府軍の停戦合意は事実上崩壊しているからだ。

 しかし、これまで日本政府は、この「停戦合意」は“南スーダンがスーダンから独立した際の合意である”という屁理屈を用いて、無理やり南スーダンPKO参加を正当化してきた。つまり、日本政府の建前としては、南スーダンは現状「停戦中」であり、そこで「戦闘行為」は行われていないと主張するのだ。

 逆に、政府軍と反政府軍の間の“内戦”を「戦闘」と認めてしまうと、世論はPKO参加に否定的に傾き、よしんば参加を断行しても「駆けつけ警護」の条件である「戦闘行為が行われることがないと認められること」に疑念を持たれることは必至。ゆえに、安倍政権は「戦闘」を「衝突」と言い換えることで、世論の反発を抑えようとしているのだろう。まるで、「戦争」を「事変」と言い換えて批判を回避しようとした戦中を彷彿させるではないか。

 しかし、繰り返すが、南スーダンでは相次ぐ戦闘によって民間人も犠牲になっており、今年7月には中国のPKO部隊が攻撃を受け、隊員2人が死亡したと当局が発表。このままでは自衛隊からも被害者がでることは火を見るより明らかだ。また、稲田防衛相は「治安は落ち着いている」と嘯くが、ロイター通信によれば今月8日にも、市民を乗せたトラックが反政府側とみられる武装グループに襲われ、21人が殺害されている。

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