SEALDs解散! 奥田愛基インタビュー「来るべきときに『まだ弾は残ってるがよ』って言えるように」

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■「やっぱりダメだったじゃないか」で終わらせないために

「安倍政権NO」だけではダメっていう話にもつながるんですが、いまやっと、生活イシューにボールが回ってきた。安保法制が終わったあと、「保育園落ちた日本死ね」というブログがあれだけ盛り上がって、国会前で「保育園落ちたの私だ」とスタンディングする人たちが出てきたり、奨学金の問題も各党やたら言いはじめたり……。もちろん、自民党だって抱き合わせで同じような話をしてくると思うんですけど、アベノミクスを掲げているかぎりはできないことがたくさんある。「いま、生活のためにこんな政治をやってほしい」ということを語りたい──そういう空気に、今後はしていかなきゃいけないんじゃないかと思うんです。
 憲法学者の樋口陽一先生は、専門家たちの選択が人びとの運命を左右するような可能性があるときに「それは危ない道だよ」と言うことが専門家の義務だと語っていました。その上で専門家同士が厳しく向き合うだけでなく、「市民知」とも向き合わなきゃいけない、と言っています。素人の、日々の生活のなかで気がついたこと。「最近、野菜高いな」とか、「いやいや、そうは言っても八百屋は値段をあげないと潰れちゃうよ」とか。それが「市民知」。その「市民知」って、「生活、全然豊かになってないんですけど」って声をあげていくことでもあるのだと思う。
 いまの社会保障の仕組みは、所得が低いほど負担が重くて、払えば払うほど貧困になっていくっていう逆進性の高さが指摘されていますよね。5人に1人と言われる、子どもの貧困が問題になっていますが、OECD(経済開発協力機構)の調査でも日本は公的な教育への対GDP支出は最低ランクで、でも、国は予算がないと言いながら、官民合わせて5年で30兆円の資金をリニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などに投じると言っています。
 しかも、リニアが完成したとき、人口がどれだけ減ってるかとか、考えているようにも思えない。
 こういう状況なのだから、そんなふうに使われるお金をもうちょっと生活に使ってくれと「市民知」の感覚で言うことは、大事だと思う。「ふつうに考えておかしくない?」と言うことに、もっと自信もっていいはずで。そこからはじまっていいと思うんです。いわゆるカッコ書きの「政治」からこぼれ落ちてしまっている、政治の問題をもっと指摘するべきだと思います。たとえば、都知事選では主要候補者3人が保育園の視察に行ったり、解決策について検討していましたけれど、これはやっぱり保育園問題を訴え続けた人々がいたからですよね。それはまだ一歩だけど、ちゃんと双方向のコミュニケーションがとれるあり方を探っていく……。

──SEALDsがデモでコールしてきた、「言うこと聞かせる番だ、俺たちが」ですね。

 政治家と有権者って、いまは一方通行のコミュニケーションしかないじゃないですか。市民から政党や政治家に対する批判か、政党や政治家から、市民への上から目線の先導か。その双方向性型の政治のコミュニケーションのあり方を考えていかなきゃいけないのかなと思います。
 最近のいい流れだなと思うのは、これまで選挙は結果でしか見られてこなかったけれど、選挙の過程にかかわろうという人が増えているということ。候補者の選び方や候補者が出す政策に目が向きはじめていることは、いいことだと思う。政治家もやっぱり人間なんで、完璧な人なんていませんけど。もっとこういうふうなことを言ってほしいとか、こういう政策をしてほしいとか、聞こうとする/聞かせようとする人がいて、やっと成り立つものだと思います。
 さらに、もう一歩踏み込んで、「こういうこと言ってほしい」「もっとこうやったらいいのに」と外から思うことがあったら、積極的にアプローチして働きかけていけばいいんです。もちろん、それにはリスクも伴います。何かあると「あんな人、応援してんの?」ってなるし。でも、結果を待って「やっぱりダメだったじゃないか」と言うより、ずっといい。だって選挙は、政治家のためのものじゃなく、自分たちのものなんだし。

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