産経ソウル支局長無罪、「表現の自由」は日本より韓国の方がマシだった! 日本は権力批判を有罪にして封じ込め

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 当時、私は「噂の真相」(2004年休刊)という雑誌の編集デスクをつとめていた。この「噂の真相」という月刊誌はタブーに踏み込むことを編集方針としており、大物政治家、警察、財務省、宗教、同和利権、大物作家、大手芸能プロダクションなど、マスコミがふれることのできない不正やスキャンダルを次々と記事にしていた。

 中でも徹底的に追及していたのが、日本唯一の公訴機関である検察庁だった。検察をめぐっては今でこそ、調書改ざん事件や国策捜査問題で、批判報道も珍しくなくなったが、今から20年以上前には「国策捜査」という言葉すらなく、検察を批判するメディアは皆無。そんな中にあって「噂の真相」は唯一、検察の捜査手法の問題点、政治家との癒着、検察幹部が企業から接待漬けにされている事実などを次々暴き続けていたのだ。

 その姿勢は政治家や大企業の摘発を担当し「日本最強の捜査機関」といわれていた東京地検特捜部に対しても同様で、「特捜のエース」とマスコミからヒーロー扱いされていた宗像紀夫が特捜部長に就任すると、その宗像部長と福島交通の小針暦二会長との関係や捜査情報漏洩疑惑などを連続追及した。

 すると、1994年、宗像部長率いる東京地検特捜部が突如、「噂の真相」への捜査を開始したのである。「噂の真相」は当時、作家と評論家、2名から名誉毀損で刑事告訴されていた。名誉毀損は通常、民事裁判で争われるものだが、刑事告訴も可能で、批判記事やゴシップを書かれた政治家や芸能人が週刊誌などを刑事で告訴することもある。だが、刑法の名誉毀損は戦前に定められた条項で「言論・報道の自由」を侵害するおそれがあるため、検察は告訴を受けても起訴まではしない、それが慣例だった。

 しかも、「噂の真相」の記事はうわさ話を書き立てただけの今回の産経のコラムとは違って、作家の元秘書や評論家のスタッフなど内部の人間による告発をもとに精緻な取材をしており、どう考えても刑事上の名誉毀損が成立するようなものではなかった。

 ところが、検察はこの事件でそれまでの慣例をくつがえし、「噂の真相」を本格捜査。1995年6月、編集長の岡留安則と記事を執筆した私を名誉棄損容疑で起訴したのである。東京地検特捜部が商業メディアを起訴するのははじめてのこと。これだけでも異例だが、宗像特捜部長は捜査着手前、記事の事実関係すらまったく調べていない前年の8月の段階で、親しい司法担当記者に「『噂の真相』をやる」と宣言していた。「噂の真相」に対する捜査・起訴は明らかに、検察組織と自分のスキャンダルを書いたことへの報復、狙い撃ちだった。

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