野坂昭如が死の4ヵ月前に綴った、安保法制と戦争への危機感「安倍政権は戦前にそっくり」「国民よ、騙されるな」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
nosaka_151210_top.jpg
野坂昭如『東京十二契』(文藝春秋)

 12月9日、作家の野坂昭如が心不全のため都内病院で亡くなった。85歳だった。

 野坂昭如といえば、大島渚・小山明子夫妻の結婚30周年を祝うパーティーで大島渚と大乱闘を繰り広げたり、ブルーフィルム製作を営む青年たちを主人公にした小説『エロ事師たち』(新潮社)を出版したり、編集長を務めていた月刊誌「面白半分」(株式会社面白半分)に永井荷風『四畳半襖の下張』を全文掲載してわいせつ文書販売の罪で起訴されたりと、マルチな分野で才能を発揮しながら、つねに冗談とも本気ともつかぬ、軽妙かつ過激な言動で世間をアジテートしてきた。

 そんな野坂が人生を懸けて表現し続けてきたものがある、それは「平和」への願いだ。

 自身が体験した悲惨な戦争体験から、戦争の恐ろしさ・平和の大切さを発信し続ける姿勢は、最晩年になっても変わることはなかった。本稿では、そんな野坂昭如が最期に残した言葉を紹介したいと思う。

 野坂昭如、最期の平和へのメッセージ。それは、「サンデー毎日」(毎日新聞出版)2015年8月23日号に寄稿された文章「二度と戦争をしないことが死者への礼儀だ」であった。

 野坂昭如の代表作といえば、1967年に発表され直木賞を受賞し、88年に高畑勲によってアニメ映画化された『火垂るの墓』があげられる。この物語が彼の実体験をベースに書かれていることはよく知られている話だが、まず彼は『火垂るの墓』についてこのように綴っている。

〈ぼくは焼け野原の上をさまよった。地獄を見た。空襲ですべて失い、幼い妹を連れ逃げた先が福井、戦後すぐから福井で妹が亡くなるまでの明け暮れについてを、「火垂るの墓」という30枚ほどの小説にした。空襲で家を焼かれ一家離散、生きのびた妹は、やがてぼくの腕の中で死んだ。小説はぼくの体験を下敷きにしてはいるが、自己弁護が強く、うしろめたさが残る。自分では読み返すことが出来ない。それでも戦争の悲惨さを少しでも伝えられればと思い、ぼくは書き続けてきた。文字なり喋ることだけで、何かを伝えるのは難しい。それでもやっぱりぼくは今も戦争にこだわっている〉

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

野坂昭如が死の4ヵ月前に綴った、安保法制と戦争への危機感「安倍政権は戦前にそっくり」「国民よ、騙されるな」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍内閣安倍晋三新田 樹の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル!
2 「カジノ用地疑惑」追及が松井市長から恫喝・嫌がらせ受けるも新事実を敢然と報道
3 葵つかさが「松潤とは終わった」と
4 細田衆院議長が安倍元首相に全責任なすりつける醜い弁明もマスコミは
5 維新も統一教会とズブズブ!松井、馬場、音喜多、足立
6 三浦瑠麗が戦前賛美、その御用学者体質
7 統一教会とズブズブ萩生田「政調会長」に批判殺到!一方、テレビは…
8 たけしと瀬古が「玉川徹待望論」もテレ朝は玉川を政治にさわらせない方針
9 夫の会社が家宅捜索で三浦瑠麗に説明責任「太陽光発電」を後押しする発言
10 林真理子が寝屋川事件被害者の親を批判
11 五輪3兆円超え戦犯・森喜朗の重大疑惑
12 乃木坂46橋本奈々未が背負った貧困
13 安倍がFacebookで報ステ党首討論攻撃
14 岸田政権の“防衛増額”に元自衛隊幹部が「砂糖の山にたかるアリ」と批判
15 忘れるな、福島原発事故の主犯は安倍だ
16 「モーニングショー」まで…台湾有事を煽るマスコミの酷さ
17 タッキー引退の裏にジャニーVSジュリーの派閥抗争
18 吉高が“私の裸を見て”と迫った男
19 宮台真司「ネトウヨは感情の劣化」
20 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
1「カジノ用地疑惑」追及が松井市長から恫喝・嫌がらせ受けるも新事実を敢然と報道
2細田衆院議長が安倍元首相に全責任なすりつける醜い弁明もマスコミは
3高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル!
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄