本日発表! 芥川賞の大本命はやはり又吉直樹『火花』だった! あの選考委員がイチ押しで…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
1507160800top.jpg
又吉直樹『火花』(文藝春秋)

 又吉直樹、芥川賞なるか──。今晩、第153回芥川賞・直木賞が発表されるが、世間の注目はもちろん、又吉直樹の『火花』(文藝春秋)が受賞するか否かに集まっている。

 しかし、いつもであれば選考会前に下馬評が流れてくるものなのだが、今回はなぜかそれもない。どうやら又吉のこともあり、選考委員もかなりナーバスになっているようだ。

 だが、又吉は有力候補者であるどころか、“大本命”といってもいい。
 
 そもそも、これまでも数多あったお笑い芸人が執筆した小説と又吉の『火花』が大きく違うのは、本作が文芸誌に掲載された純文学作品だったことだ。そのため今回芸人として初めて芥川賞にノミネートされたわけだが、3月に即単行本も発売されたことから単行本化作品が対象となる直木賞にノミネートの可能性もささやかれていた。芥川賞も直木賞もどちらも狙える状況を、『火花』の版元であり両賞の勧進元でもある文藝春秋はつくっておいたのだ。

 だが、文藝春秋社内では『火花』を「エンタテインメントではなく純文学」とし、早い段階から芥川賞シフトを敷いてきた。実際、“お笑い芸人による純文学”というキャッチーさはニュース性も抜群で、文藝春秋は自社の「週刊文春」で『火花』を特集。文芸評論家・市川真人氏の「『芸人さんの余技』ではなく、“一人の新人作家の作品”と評価すべき」というコメントを掲載するなど、しっかり外堀を埋めてきた。ちなみに、又吉が芥川賞にノミネートされたことが発表されたのは6月19日。又吉が敬愛する太宰治の桜桃忌だ。たんなる偶然なのか、それとも文藝春秋が狙ったのか……。

 しかも、又吉がこれまでのタレント作家と一線を画しているのは、筆力の高さがタレント水準ではないことに加え、すでに又吉が文壇にかなり食い込んでいる、という点だ。

 たとえば、又吉はブレイク前から、芥川賞作家の中村文則や長嶋有、直木賞作家の西加奈子らと交友してきたことは有名。とくに西は作家の友人が多く、又吉は西の紹介を通じて多くの作家たちと親交を深めている。また、若手作家だけではなく、文壇の大御所も又吉を評価。そのひとりが、芥川賞の選考委員を長らく務めていた古井由吉だ。又吉は以前より古井のファンであることを公言しており、文芸誌で対談したり、古井が主催する朗読会に足を運んだり、自分のラジオ番組に古井をゲストとして呼んだりと距離を縮めてきた。古井も「会ったらバカに話がよく通じる人」と、すっかりご機嫌。もちろん、又吉は文壇バーデビューもすでに果たしている。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

火花

  • amazonの詳細ページへ
  • 楽天ブックスの詳細ページへ
  • セブンネットショッピングの詳細ページへ

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

本日発表! 芥川賞の大本命はやはり又吉直樹『火花』だった! あの選考委員がイチ押しで…のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。文壇文学田岡 尼の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 大阪・松井市長が高市早苗と同じく公文書否定でカジノ用地鑑定談合ゴマカシ
2 葵つかさが「松潤とは終わった」と
3 放送法解釈変更は氷山の一角!安倍官邸は同時期、あの手この手で言論弾圧
4 高市推薦、自民党ヒトラー本が怖すぎ
5 高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も
6 三浦瑠麗問題に「週刊文春」「週刊新潮」は完全沈黙する理由!
7 吉村洋文知事が医療崩壊、自衛隊派遣の責任問われまたゴマカシ詐術
8 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
9 自民党がネトサポに他党叩きを指南
10 安倍政権の「放送法解釈変更」内部文書のリアルすぎる中身!
11 安倍が選挙妨害に関与の決定的証拠
12 吉本芸人「ほんこん」のサムすぎるネトウヨぶり!
13 タッキー引退の裏にジャニーVSジュリーの派閥抗争
14 家系図アピールの岸信千世だけじゃない 安倍元の後継は“極右”
15 『クロ現』降板の国谷裕子が圧力を語る
16 岸田には安倍が乗り移っている! 政策だけでなく答弁も
17 『報ステ』ディレクターの自殺と原発
18 乃木坂46橋本奈々未が背負った貧困
19 竹田恒泰『中学歴史 検定不合格教科書』は間違いと妄想だらけ
20 「カジノ用地疑惑」追及が松井市長から恫喝・嫌がらせ受けるも新事実を敢然と報道
1高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も
2大阪・松井市長が高市早苗と同じく公文書否定でカジノ用地鑑定談合ゴマカシ

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄