自衛隊員への遺書強制だけではない! 安保法制にあわせ自衛隊が“戦死”前提の調査実施

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 日本は過去の戦争においても、徴兵や激戦区に送る兵士をその属性などで選別してきた。時期によって異なるが、明治時代には長男や戸主、開拓地の住民、身長、医学生、官吏などが免役、猶予の対象となった。第二次大戦の学徒動員にしても、主に文科系の学生が動員され、理系の学生は兵器開発などに必要とされ、適用されなかった。

 つまり、これと同じように、今度は親や兄弟までの詳細な調査をすることで、自衛官たちが海外派兵に適しているかどうかを選別しようとしているらしいのだ。しかも、政府見解と同様、何の説明もしないまま真実を隠して──。

 同書では他にも、自衛隊内で日米vs.中国戦争の可能性が具体的に話題に上っている事実など、安保法制をめぐる現場の混乱と不安が複数紹介されている。

 しかし、それは当然だろう。先日、本サイトでも自衛隊元統合幕僚長の齋藤隆が「安保法制を通すなら戦死議論をすべき」と主張していることを報じたが、この“戦死”こそ安保法制の“本質”なのだ。

 この現実から目を背けたままで安保法制論議などあり得ない。ぜひ、本書を読んで、“戦死”問題を改めて“自分ごと”として考えてもらいたい。
(伊勢崎馨)

最終更新:2015.07.11 03:04

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新・自衛隊論 (講談社現代新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

自衛隊員への遺書強制だけではない! 安保法制にあわせ自衛隊が“戦死”前提の調査実施のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。編集部自衛隊の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄