上戸彩『昼顔』より過激!「妻も夫も公認で不倫」を実験してみた結果…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 たとえば、職場の同僚と一杯ひっかけて帰宅すると、家で待っていた相手が“なんとなく”むくれているというのは、夫婦なら夫でも妻でもよくあること。そういうとき、食事を終えて少し仕事がしたくても口に出せず、“なんとなく”ふたりでテレビでも観たほうがよさそうな雰囲気だなあ……と判断することも、既婚者には日常のなかで多いのではないだろうか。こうした“なんとなく”の正体もまた、閉鎖型結婚特有の「心理的契約という全く風変わりなおきて」だという。それは、「「いつも一緒」というのは結婚で最も重要なこと」であり、「自分の個人的欲求をいつでも喜んで犠牲に供せねばならない」からだ。

 夫婦を束縛する、結婚の「目に見えない契約」。──最初は愛情で克服できると思っていても、次第にフラストレーションは溜まるもの。これは『昼顔』でもさんざん描かれていることだ。子どももいないのに妻である上戸をママと呼ぶ夫にはいびつな所有欲が見え隠れするし、吉瀬が演じる妻はそれこそ閉鎖型結婚のストレスが爆発して、出会い系を通した節操のない不倫に走っていたともいえる。

 そうした不幸な結婚を否定し、オニール夫妻は「開放型結婚」、すなわちオープン・マリッジを推奨するのだが、そこには前述した“浮気の公認”も含まれる。というのも、束縛し合う排他的な閉鎖型結婚では依存と不安が生まれ、嫉妬や疑惑をもたらしてしまう。それでは主体的で開放的な夫婦関係は築けないからだ。夫婦で関係性を閉じず、「互いに配偶者には見出せないものをもっている興味ある人びと」と関わることで、「二人は互いに相手の中にいつでも新鮮なものを発見することができるだろう」という。そして、オニール夫妻はこのように高らかに宣言したのだ。

「配偶者以外の異性に関心をもつたびに疑われるような、狭い意味で貞操というものを解釈すべきではない。開放型の結婚では、配偶者のほかに別の異性とだって愛情を分かち合い、楽しむことができる。そのような関係が逆に夫婦関係を豊かなものにするのである」(同書より)

 これはいわば、「きょうはマリコさんという人とセックスしたら、これがじつに興味深かったんだよ」「そういえば、わたしもこのあいだシュン君という男の子と出会って、とても勉強になったわ」という会話が夫婦間で日常的に繰り広げられる……ということだ。いま、「そんなの上手くいくわけないじゃないか」とツッコミを入れた人は数多いと思うが、なんとこれを40年前に多くの人びとが実践したのである。

 で、気になるのはその結果である。もちろん、オープン・マリッジがアメリカで市民権を得ることがなかったから日本に根付くこともなく、いまも昼顔妻のようなものが話題になっているわけだが、失敗の要因は意外なものだった。オープン・マリッジがうまくいかなかったのは、夫婦で“浮気数の競争”になったからなのだ。

 社会学者ランドル・コリンズの『脱常識の社会学』(岩波現代文庫)によると、一般的とされる夫婦の場合、その収入差が関係に力を及ぼすように、オープン・マリッジを行った夫婦の場合は「他に何人の性的パートナーをもっているか」に依存するという。すなわち、「どちらが性的により好ましいかという競争」になってしまうのだ。こうした競争になったとき、いまも昔も社会では女のほうが勝つ。結果、男性は「分が悪く」なり、相手のほうが「得をしている」と思うようになる。「最初にオープン・マリッジをいいだすのはどちからといえば男性であるのに、それを終わらせたいと思うのも男性の方なのである」というから、皮肉な話である。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

脱常識の社会学 社会の読み方入門

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

上戸彩『昼顔』より過激!「妻も夫も公認で不倫」を実験してみた結果…のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。上戸彩不倫田岡 尼の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

1 高市早苗が「戦争をしたがっている」ことを証明するトンデモ発言集!
2 ヴェネツィア映画祭で反響 元米兵・ネルソンさんが語った戦争
3 自民党から出馬予定の森下千里が早くもネトウヨ化!トランプ擁護も
4 百田尚樹が「基地反対派が女児を暴行」のデマ復活
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 田崎史郎が『モーニングショー』から消えた! 原因は玉川徹?
7 『報ステ』ディレクターの自殺と原発
8 吉高由里子が元カレに言った一言
9 ユースケ・サンタマリアが語るうつ体験
10 古代史研究者が「神武天皇から続く伝統」に抗議声明 読売テレビも
11 維新・馬場代表の「福祉法人乗っ取り疑惑」報道で維新幹部が弱腰に!
12 『シン・ゴジラ』の3・11暗喩に園子温が
13 RADWIMPS野田洋次郎の優生思想丸出し差別発言の背景にあるもの
14 日本政府に特定秘密保護の資格はない
15 信者商法に批判 キンコン西野の映画『プペル』を安倍昭恵が絶賛! 
16 小泉防衛相ら靖国参拝 靖国のグロテスクな戦争礼賛の本質
17 市川沙耶と熱愛・野島アナに二股の過去
18 長谷川三千子と竹内久美子のセクハラ擁護がヤバイ
19 TBS宇垣アナが夫婦別姓反対派を一蹴
20 維新は「パソナ丸投げ」病! 時短協力金業務でデタラメ発覚も新しい仕事

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄