セクハラやじよりひどい! 週刊誌が塩村議員を”セカンドレイプ”

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 それだけではない。同誌では女性精神科医を登場させ「(塩村議員は)自己顕示欲が強く、誇張された感情表現や演技性があり、典型的な演技性人格障害ではないかと思います」と診断させている。もちろんこの精神科医は塩村議員を診察したこともないし、面識もない。これは明らかに人格攻撃だろう。

 一方、「週刊文春」は自動車雑誌のライターをしていた塩村議員が、男性スタッフから「チヤホヤされていた」こと、ビートたけしの番組においてビキニ姿で熱湯風呂に入ったことなどを“暴露”し、先輩議員との不倫疑惑を報じている。
 
 さらに「FLASH」に至っては、98年に「ミスヤングマガジン」に選ばれた際の水着写真をデカデカと掲載。ご丁寧にも「女性差別に憤る現在の姿と、“オンナ”を売りにした過去の姿とのギャップが批判を受けているのだ」とまったく見当違いな批判まで掲載しているのだ。

 男性週刊誌だけでなく女性週刊誌もまた、塩村議員の責任を示唆する。「女性セブン」(7月10日号)では「塩村都議激白120分!「実は私も軽率な女です」」というタイトルのインタビュー記事を掲載したのだが、文中にはこんな記述が登場する。

「塩村氏側にも騒動を招く要因はあった」(本文)
「彼女のことを“アイドル議員“と認識している人が多くいることも事実です。今回の野次も、塩村議員が相手だったから、より厳しいものになったとも考えられます」(政治評論家・板垣英憲)

 まるでグラビアアイドルの過去があったり、バラエティで男性観についてサービス発言をした女性は、女性差別やセクハラを受けて当然という論理だ。言っておくが今回の「結婚したほうがいい」「子供を産めない」野次は、“すべての”女性に対する差別発言なのだ。グラビアアイドルだろうが、風俗嬢だろうが、パート従業員だろうが、どんな女性に対してもこうした女性差別が許されるはずがない。そもそも、こうした週刊誌の論調を見ていると、被害者の過去や経歴をあげつらい、男のセクハラやじを正当化しようとしているようにしか見えないものだ。

 実際、週刊誌業界は(女性週刊誌も含めて)世間一般よりもはるかに男社会である。権限の強い社員編集者は7割以上が男性だ。編集長どころか、女性デスクさえ数少ない。

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