安倍首相が「桜を見る会」問題でありえない言い訳! 地元後援会の大量招待を「長年の慣行」、前夜祭もすべて「ホテルが」

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自民党HPより


「桜を見る会」問題について、昨晩、官邸で記者団の前で約20分間、主張を展開した安倍首相。国民が抱いている疑念について説明したいと言うのなら、国会での集中審議に応じるか、あるいは幅広い記者を集めて正式な記者会見を開くべきだが、ぶら下がり取材で済まそうとは、あまりに無責任な態度だ。しかも、わずか10分前に連絡してきて不意打ちで会見を開くという小狡さで、国民をバカにしているとしか言いようがない。

 だが最大の問題は、その中身だ。そこで繰り広げられた安倍首相の主張は、すべて「俺は悪くない」と言っているにすぎない、ひどいシロモノだった。

 たとえば、「桜を見る会」に自身の後援会関係者を大量に招待し、安倍事務所が観光ツアーにして招いていたことについて、安倍首相はこう話した。

「あの、参加者のあり方については、すでに国会で答弁をさせていただいておりますし、また、先般、官房長官がですね、お答えをさせていただいているところでございますが、内閣府・内閣官房でとりまとめをおこなっているということであります。で、その際にですね、その際に、与党や、あるいは内閣官房では、総理・私、そして官房長官、官房副長官からの推薦をですね、長年の慣行で受けていた、ということでございまして、ま、そのなかで、私の事務所も対応していた、ということであります」

 国会で追及を受けたときには「私は招待者のとりまとめ等には関与していない」と豪語していたのに、そんなことなどなかったかのように、しれっと「総理枠」「与党枠」があったことを認める……。しかも、虚偽の答弁をしたというのに、そのことについて一言も反省も謝罪もなく「長年の慣行だった」で終わり。ようするに「俺だけじゃない、民主党政権もやっていたことだ」とほのめかしたのだろうが、安倍首相がやってきたことは「長年の慣行」とはレベルが違う。

参加人数を大幅に増やし、今年は約1万8200人、来年度の要求予算も3倍以上、そして何より安倍首相が数百人規模とみられる地元の後援会関係者を招待して私物化していたのだ。

 その上、招待範囲を広げるために安倍政権が“工作”していた疑惑まで浮上した。今年の「桜を見る会」の資料である「開催要領」の「招待範囲」では「その他各界の代表者等」となっているところが、民主党政権下で1回だけおこなわれた鳩山由紀夫首相時代の「桜を見る会」ではこの「等」の文字が入っていなかったことが判明している。安倍政権で招待範囲逸脱のアリバイづくりがおこなわれた可能性が高いのだ。

 なのに、その後も安倍首相は会見で「長年の慣行」というワードを連発。記者から「多くの人を招待していたという報道もあるが、そういった部分も含めて問題があったので見直すということでいいか」と質問を受けたときの答えも、このとおりだ。

「今回ですね、長年の慣行ではありますが、いま申し上げましたように、与党、あるいはそれぞれがですね、推薦する、内閣官房においては総理、副総理、官房長官、副長官がですね、推薦をする、まあ、これは長年の慣行でおこなわれてきたところでありますが、基準が曖昧ではないか、プロセスが不透明ではないかというご指摘がありました。長年の慣行とはいえですね、また、私自身におきましても、年数を経るごとにだんだん人数が多くなってきたということもありですね、そのことは反省しなければならないと、こう思っています」

後援会関係者を「市井のがんばっている方々」、前夜祭の5000円を「ホテルが設定」

「長年の慣行」を何度も繰り返して、ようやく「反省」……。しかし、とても反省しているようには思えない。というのも、自分の地元支持者を大量に招いていたというのに、こんな言い訳をはじめたからだ。

「そういう(叙勲を受けた人)方々だけではなくて、市井の方々もですね、なるべく多く来られる、なかなか私自身、そう接触する機会がありませんから、そういう意味においても、いままでおそらく推薦をですね、与党にも出していたんだろう、こういうふうに思います。そういう市井の方々のなかにもですね、それぞれ地域でがんばっておられる方々たくさんいますから。じゃあどういうふうに選ぶんだってなかなか難しいところがあると思います。そういうなかでいままでこういう方法がとられてきたんだろうと、こう思いますね」

 大量に招待した安倍首相の後援会関係者を「市井のがんばっている方々」って──。こんなことを言い出したら、安倍首相の地元の支持者や自民党議員の後援会関係者以外にも「がんばってる市井のみなさん」はいくらでもいる。なぜ安倍首相の地元の支持者や自民党議員の後援会関係者の「がんばってる市井のみなさん」だけが招待されるのか。

 しかし、もっとひどかったのは、公選法・政治資金規正法違反疑惑が持ち上がっている「桜を見る会」前日夜におこなわれていた「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に絡んだ安倍首相の主張だ。

 安倍首相は「さまざまな報道がございましたので、事務所からですね、詳細について、きょう報告を受けました」と前置きし、こう述べた。

「夕食会(前夜祭)の価格設定が安すぎるのではないかという指摘がございます。ま、そういう報道もありますが、参加者1人5000円という会費については、まさに、大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格であるとの報告を受けております」

 この発言については昨晩配信した記事でも指摘したが、そんな話があるわけがない。一体、どこのホテルが何も要求しないのにわざわざ最低金額の半分以下に設定してくれるというのか。だいたい本サイトが昨日ニューオータニに問い合わせた際も担当者ははっきりと「最低でも1万1000円」と回答していたし、宿泊などによるサービスもないとも言っていた。また、ニューオータニはNHKの取材に対しても「値切り交渉などには応じられない」と答えているのだ。

 だが、安倍首相はこうも重ねて強調した。

「たとえば毎年使っているとかですね、どれぐらいの規模であるとか、あるいは宿泊をしておられるのか、そういうことを総合的に勘案して値段を決められるといかれるということなんだろうと思います」
「もちろんホテルとしては、ほかのホテルとの競合もありますし、お客さまとの関係もございますから、そこのところはですね、いま私が申し上げたかたちで決めておられると、いうことを私のほうから申し上げますが、まあホテル側はいろんなことを勘案して決められているんだろうなぁと思います」

 ようするに、「ホテルが決めたことだから自分とは関係ない」と責任を押し付けたわけだが、しかし、たとえば一般客には値引きに応じられないと言っているのにホテル側が安倍首相にだけ「宿泊客が大半だから半額以下に」「毎年使ってくれるから」などと大幅な値引きをしていた場合でも問題がある。仮に6000円の差額を850人分も値引きを受けていたならば合計で510万円になるが、政治家が高額の値引きを受けていた場合、それは政治献金にあたる可能性があるからだ。刑事責任に問われなくても、総理大臣という立場によって高額の値引きを受け、それによって有権者を買収していたのだから、道義的責任は免れない。

参加費も「参加者からホテル側への支払いがなされた」とあり得ない主張

 ともかく、この問題は見積書なり請求書なり証拠を出していただかないことにはお話にならないが、安倍首相は「前夜祭」の収支報告がおこなわれていない点、つまり政治資金規正法違反(未記載)疑惑についても、普通では考えられない突飛な言い訳をした。

「夕食会費用については、会場の入り口の受付にて、安倍事務所職員が1人5000円を集金をし、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に、集金したすべての現金をその場でホテル側に渡すというかたちで、参加者からホテル側への支払いがなされたということでございます」

 つまり、安倍首相側は受付係として集金しただけで、精算もせず、その金はそっくりそのままホテルに渡した、というのである。

 だが、こちらもそんなわけがないだろう。いくら前もって参加者を募っていても、これほど大規模なパーティなら、事情があってドタキャンする人は必ず出てくるものだ。その当日キャンセル分の補填は誰がおこなったというのだろうか。あるいは万が一多すぎた場合の余剰分は誰の懐に入るのか。それとも、これもホテル側が「事情を踏まえてくれた」とでも言うのだろうか。

 ようするに、安倍晋三後援会が会費を受け取ってホテル側に支払っていた場合は政治資金収支報告書に記載する義務があるため、関与していないと主張したいのだろうが、あまりにも常識はずれすぎるのである。

その上、「野党から政治資金規正法にかんする指摘があるが、収支報告書の訂正をすることは?」と訊かれると、「いまお話ししたとおりで……最初、聞いておられました?」「つまり、お金の出入りはですね、一切ないわけですから」「(会計は)まったく問題ない」「私、もう出なければなりませんので、同じような質問はちょっと避けていただきたい」とまくし立てたのだった。

 この余裕のない受け答えからも怪しい臭いがプンプンするが、このように、安倍首相の唐突かつ一方的な会見では、何ひとつ納得のゆく説明はおこなわれなかったのだ。

 にもかかわらず、どうやら安倍首相はこれをもって説明責任を果たしたと逃げるつもりらしい。実際、昨日午後に野党の追及チームが安倍事務所に質問状を提出したが、これにどう対応するのかを訊かれた際には、安倍首相は「だいたいいまお答えをしたことが、ほとんどすべてではないのかなと思っております」と断言。さらに、記者から後日に記者会見を開く予定はあるのかと尋ねられると、「あらためて会見するというのであれば、いま質問してください」と畳み掛けたのだ。

 地元支持者を一体何百人招待していたのかも具体的にあきらかにしなかった上、違法疑惑も証拠も出さず一方的に「ホテルが決めたこと」「まったく問題ない」と言い張るだけ。──これで説明は果たしたなんて、ふざけているとしか言いようがない。

 だが、心配なのはメディアの追及姿勢だ。一連の問題は今週になってテレビでも報道されるようになったが、このぶら下がりの一方的な会見をもって終幕とするところも出てくるのではないか。現に、ワイドショーも、今週木曜14時以降の番組からパタリと取り上げられなくなり、森田健作・千葉県知事の政治資金問題や、またぞろ韓国のチョ・グク氏の問題にスポットを当てるようになっていた。

 メディアの追及がなければ、世論を喚起することはない。このふざけた身勝手会見で幕引きを許してはならないのだ。

最終更新:2019.11.16 10:04

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