ジャニーズ事務所が姑息なメディア工作! TOKIO山口達也の強制わいせつを1カ月近くも隠蔽し、「キスしただけ」と矮小化

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山口達也の一件で改めて明るみになったジャニーズ事務所の傲慢な対応と、異常なまでのメディアの忖度。

 強制わいせつで書類送検されたTOKIOの山口達也が本日、記者会見をおこなったが、予想通り、事件の核心部分について語られることはなく、一方で、ジャニーズ事務所の姑息な対応が浮き彫りになった。

 まず、会見では、ジャニー喜多川氏による自社タレントへのセクハラをめぐる報道の裁判をはじめ、ジャニーズ事務所の代理人を務めてきたのぞみ総合法律事務所の矢田次男弁護士が冒頭に挨拶。矢田弁護士は「会社が知ったのはつい最近。本来ならもっと早く報告すべきだった」と述べた。

 だが、これがとんだ嘘であることがすぐにバレる。というのも、被害届が出されたことを警察からの連絡で山口が知ったのは3月末のことで、山口がこのことをジャニーズ事務所に報告したのは「4月あたま」と説明したのだ。つまり、ジャニーズ事務所は山口の事件を20日あまりも隠していたことになる。「知ったのはつい最近」とはとても言えないだろう。

 実際、山口が書類送検されたという一報はNHKが流したが、これもNHKはジャニーズ事務所と相談の上、発表時期を決定していたはずだ。そもそも、山口と被害者の女子高生はNHK・Eテレの番組『Rの法則』で共演して知り合っていることから、NHKは事前に山口の事件を把握していたことは確実。そして、報道が昨日になったのは、ゴールデンウィーク前で軒並み週刊誌が合併号となっており、すぐに後追いできないタイミングを見計らったのは明らかだ。つまり、ジャニーズ事務所は社会的・道義的責任よりも、自社のダメージを最小限に抑えることを優先させ、公表時期をコントロールしてきたのである。

 しかもこの間、山口が出演する番組は通常通り放送され、昨日も山口は報道も扱う『ZIP!』に普段通りに生出演していた。ようするに、完全にジャニーズ事務所はテレビ局を舐めきった対応をおこなっていたということになる。もし、これが弱小の芸能事務所であれば、テレビ局は激怒して出入禁止や他の所属タレントの出演見合わせなどの処置をとってもおかしくない。

 にもかかわらず、ジャニーズ事務所の顔色を伺うワイドショーはいずれも弱腰な姿勢を露呈。どの番組も山口の事件を大きく報じ、被害者が女子高生だということもあって山口を批判はしたが、酒の問題をもち出したり離婚したことで寂しかったのではないかなどと同情的な見方も示し、さらにTOKIOメンバーの国分太一が述べた「連帯責任」という言葉に象徴される“TOKIOの絆”といった話題がクローズアップされる始末。

 なかでも『とくダネ!』(フジテレビ)では、コメンテーターの古市憲寿が「政権にとってはラッキー」などと被害者感情を無視した無神経発言をしたかと思えば、司会の小倉智昭も「強制わいせつで本人が出てきて謝罪をするというのは、本人にとって過酷なこと」「会見でもしも記者に質問の時間が与えられたら吊し上げをくう。そこまで彼を晒してしまうというのは……」「彼にも人権はある」などと言い出したのだ。

 セクハラ問題における麻生太郎財務相の「福田の人権はなしってわけですか」という発言が思い出されるが、小倉もまた、性暴力を受けた被害者よりも加害者である山口への配慮を口にしたのである。これは事件の重大さをまったく理解していない証拠だ。もちろん加害者の人権も守られるべきなのは当然だが、普段のワイドショーは人権への配慮などまったくなく、事件の加害者のプライバシーや真偽不明の悪評を平気で垂れ流したり、弱小事務所の犯罪でもない不倫などを叩きまくっているではないか。ようするに、ジャニーズ事務所という大手事務所の所属タレントに対する忖度を、「人権」にすり替えているだけだ。

 こんな卑劣な事件が起きてもジャニーズ事務所への忖度を優先させるなど、いったいどういう神経をしているのか。

 事件をなんとか矮小化しようとする。これはジャニーズ事務所の対応によく表れている。昨日、NHKの報道を受けてジャニーズ事務所がマスコミに出したコメントFAXは、こういうものだった。

〈お酒を飲んで、被害者の方のお気持ちを考えずにキスをしてしまいましたことを本当に申し訳なく思っております。被害者の方には誠心誠意謝罪し、和解させていただきました〉

 一部引用したのではなく、これが全文なのである。46歳にもなった立派な大人が、しかも未成年の女子高生だと知りながら家に呼び出したことの問題には言及せず、〈お酒を飲んで〉〈キスをしてしまいました〉とあっさり書いて謝罪しただけ。企業対応を叩かれることは絶対にないとわかっているがゆえの、ジャニーズ事務所のマスコミに対する傲岸不遜な態度が透けて見えるようだ。

 だいたい、山口は被害者とその友人の女子高生2人に対し、部屋に入るやいなや卑猥な言葉を投げかけ、2人はその場で驚いて立ちすくんでしまったといい、無理矢理キスされた際も被害者はトイレに逃げ込み、そこで母親に電話をして助けを求めたというほどだから、その恐怖はいかばかりのものだったか、想像に難くない。

 しかも、山口は「何もしないなら帰れ」とまで言い放ったとされる。つまり女子高生が逃げたからキスにとどまっただけで、場合によってはキスだけにとどまらなかった可能性もあるのだ。番組司会者で、しかもジャニーズという大手事務所に所属する芸能界の先輩という立場を悪用したパワーハラスメントも指摘されているが、女子高生を性的対象とする倫理的な問題、さらなる性暴力に晒される危険があった事件だということは強調しておかなくてはならない。

 いや、そもそもジャニーズ事務所は、今回被害を受けた女子高生などの10代の女子たちによって支えられてきた企業であり、今回の事件に対する道義的責任は極めて重い。だが、きょうの会見でも、被害者のプライバシーには及ばない事件当日についての踏み込んだ質問が出ると、すかさず矢田弁護士が割って入り、「捜査中」であることを理由にコメントを拒否。「会社が知ったのはつい最近」という嘘や、前述したFAXからも顕著なように、事件に真摯に対応しようという姿勢はまったく見られない。

 今後、山口は被害届が取り下げられていることもあり起訴猶予処分となって刑事処罰を免れる可能性が高いが、じつは山口をめぐっては今回の件にかぎらない問題が浮上している。この件については追ってお伝えしたいが、ともかく、ジャニーズ事務所やそれに忖度するマスコミの姿勢には、厳しい目を向けていかなくてはならないだろう。

最終更新:2018.04.27 02:21

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