年末特別企画 リテラの2017年振り返り

きりたんぽ騒動から須藤凜々花「結婚宣言」まで…秋元康のやらかし&無責任対応の1年を総まくり

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AKB、HKT、乃木坂、欅坂などの各ホームページでも「プロデューサー」として大きく紹介されている秋元康氏。トップとしての責任は?(AKB48公式ホームページより)


 本日、17時30分より『第59回 輝く!日本レコード大賞』(TBS)が放送される。

 今年の優秀作品賞は、AKB48「願いごとの持ち腐れ」、乃木坂46「インフルエンサー」、欅坂46「風に吹かれても」と、秋元康氏プロデュースグループが3つも選ばれている。下馬評では、大賞は乃木坂46「インフルエンサー」になるのではないかとも言われており、アイドルブームのバブルが弾けたいまとなっては完全に秋元康ひとり勝ちの状況だ。
 そんな秋元氏だが、彼の作詞やプロデュースには多くの批判の声が寄せられてきた。たとえば、昨年2016年は、HKT48「アインシュタインよりディアナアグロン」の歌詞が女性蔑視的であるとして炎上した騒動や、欅坂46のステージ衣装がナチスの制服にそっくりであるとしてサイモン・ウィーゼンタール・センターから謝罪要求が来るなどの問題を起こしている。
 しかし、こういった世間からの声を秋元氏が真摯に聞き入れることはなかった。批判に対して知らん顔をしたり、ときには、あろうことか現場スタッフになすりつけたりといった行動を繰り返してきた。
 そして、今年、2017年は例年以上に、秋元氏をめぐる問題が立て続けに発生した。そこで、この1年に起こった秋元氏関連の炎上騒動をまとめ、そのたびに氏がどんな対応をとってきたか検証してみたいと思う。
 日本のエンタテインメント業界の中心に座っている人物の本質がきっとわかるはずだ。

【事件1】きりたんぽを男性器に見立てた『サヨナラ、きりたんぽ』というドラマタイトルに秋田県が激怒

 秋田名物きりたんぽ。これを男性器に見立てるという、あまりにも下世話な「“ギョーカイ”のオッサン」的発想が大炎上を引き起こした。
 事態が起きたのは3月のこと。翌月から放送される予定となっていた渡辺麻友主演の連続ドラマ『サヨナラ、きりたんぽ』(テレビ朝日)の番組タイトルに関して秋田県から抗議があり、放送を前にして改題することになったのだ。
 内容は1話完結形式で、自分に言い寄ってくるダメな男(妻帯者だったり、酒乱だったり、DVの気があったりと、その“ダメ”のバリエーションは回ごとに変わる)に、渡辺演じる主人公が復讐していくというもの。
 このドラマの主人公は、交際していた男性を殺害したうえ男性器を切り取って逃走した「阿部定事件」をモチーフにしたキャラクターであり、「王道アイドルのまゆゆが阿部定を演じる!?」といった惹句でアピールされていた。
 つまり、タイトルにある「きりたんぽ」とは男性器の隠喩だったのである。
 これを知った秋田県側は激怒。タイトルの変更と、きりたんぽを男性器に見立てるかたちで劇中に入れないよう申し入れ、テレビ朝日側はそれを受け入れた。すぐさまタイトルの変更が決定され、謝罪のコメントも出されることになる。
 この『サヨナラ、きりたんぽ』の企画と原作は秋元康氏である。「きりたんぽ」を男性器に見立てることも、阿部定をモチーフにすることも彼のアイデアであるはず。そうである以上、テレビ朝日とはまた別に秋元氏からもなんらかのコメントがあってしかるべきだと思うが、秋元氏が公にコメントを出すことはなかった。
 ちなみに、『サヨナラ、きりたんぽ』は『サヨナラ、えなりくん』に改題して予定通り4月30日深夜から放送された。「まゆゆがダメ男を成敗する」というコンセプト自体は変わらなかったが、阿部定のモチーフは完全に消滅。
 放送されたドラマでは、「お前…、さては、えなりだな!?」という決め台詞が主人公の口から放たれると、そのダメ男がえなりかずきに変身。そのえなりくんが懲らしめられるというストーリーとなった。なぜそこでえなりかずきが出てくるのかという基本的な部分がよくわからないうえ、シナリオの根幹である「阿部定」が急きょ使用不可能になったため突貫工事で脚本をリライトしたのだろうということが視聴者にも伝わってくる内容となっていた。

【事件2】『ワンダーウーマン』日本版イメージソングの歌詞が女性蔑視的で炎上

 海外では興行的にも批評的にも非常に良い成績をおさめ、今年8月に鳴り物入りで日本公開されたアメコミヒーロー映画『ワンダーウーマン』。しかし、日本国内では期待されていたほどの成功を得ることはできなかった。
 その原因のひとつと目されているのが、日本版イメージソングの存在である。
 映画ではガル・ガドットが演じたワンダーウーマンはアメリカでは女性解放運動のアイコンとして半世紀以上の長きに渡り親しまれてきたキャラクターである。しかし、そんな『ワンダーウーマン』の日本版イメージソングとなった乃木坂46「女は一人じゃ眠れない」は、映画が伝えようとするメッセージとは真逆を行くものだった。
〈女は/いつだって/一人じゃ眠れない(恋が邪魔をしているよ)どうする?/感情が動いて眠れない(胸のどこかが叫んでる)寂しくなんか/ないないない/誰かといたい〉という女性蔑視的な歌詞には『ワンダーウーマン』を愛する映画ファンやアメコミファンから怒りの声が多く寄せられた。
 その筆頭が、映画評論家の町山智浩氏。彼はツイッターに〈『ワンダーウーマン』のイメージソングとして「強がり言っても女はしょせん男がいなきゃダメなのよ」という歌を男が作り、女に歌わせる悪夢〉と投稿。怒りを滲ませていた。
 結果的に『ワンダーウーマン』は、「大コケ」とまではいかないものの、海外ほどの成功をおさめることはできなかった。その失敗の一翼にはこの日本版イメージソングの存在が間違いなく関係しているだろう。


【事件3】欅坂46「月曜日の朝、スカートを切られた」に痴漢被害者から抗議

 女性蔑視的な歌詞が炎上したのは『ワンダーウーマン』イメージソングだけではない。
 7月にリリースされた欅坂46のアルバム『真っ白なものは汚したくなる』に収録されている楽曲「月曜日の朝、スカートを切られた」も批判を浴び炎上した。
「月曜日の朝、スカートを切られた」は、〈どうして学校へ行かなきゃいけないんだ/真実を教えないならネットで知るからいい〉と、社会の仕組みや大人に対して反発や疑問をもっている少女が、タイトル通り月曜日の朝の通学電車でスカートを切られ、さらなる絶望の淵に立たされるというストーリー。この作品で最大の問題は、痴漢被害を受けた主人公が〈私は悲鳴なんか上げない〉と歌っており、性被害を受けた被害者が抑圧を強いられる状況を肯定するような内容になっているということだ。
 これに対し、実際に満員電車でスカートを切られた被害の経験のある女性がネット署名サイト「change.org」に〈この曲をテレビで紹介しているときに嫌な思い出が蘇り電車に乗るのがまた怖くなりました。(中略)たくさん傷ついている人がいる中でこんな曲を出すのは不謹慎だと思います〉との文章を投稿。賛同者も多く集まり、問題を指摘する声がネット上に溢れた。

【事件4】傷害未遂事件が起きても握手会を止めない非情な欅坂運営

 6月、欅坂46の握手会中にファンの男から発煙筒を投げつけられた事件が発生したときの秋元氏の態度も不誠実極まりないものだった。
 逮捕された犯人の男はナイフを所持していたうえ、明確な殺意も供述しており、警備スタッフのとっさの判断がなければ傷害や殺人事件にも発展しかねなかった大事件である。
 握手会の会場では金属探知機を用いた荷物検査を行い凶器となり得るものを持ち込むことができないような態勢を敷いているが、犯人の手口はその検査の抜け穴を突いたもので、これにより安全管理における重大な欠陥が明らかになった。
 であれば、いったん握手会イベントの開催は保留し、再度安全管理について精査すべき状況であり、常識的な判断であればそのようにするだろう。しかし、恐ろしいことに運営は翌日も握手会を強行。犯人に狙われた平手友梨奈を含めた数名のメンバーの欠席を認めたものの握手会自体は中止しなかった。人命すらおびやかされかねない重大な事件だったのに、この対応はあまりにもひどすぎるだろう。
 当然、握手会強行には批判が殺到。しかし、この対応は現在まで続いている。そして、この事件について秋元氏はいっさいコメントを出していない。
 

【事件5】AKB総選挙イベントに3000万円以上の血税が投入されていた!

 秋元氏といえば、幻冬舎社長の見城徹氏などと共に安倍首相と「内閣ごっこ」写真を撮った「アベ友」として知られているが、今年のAKB選抜総選挙開票イベントには2000万円以上もの助成金が出ていたことが明らかになっている。
 今年の総選挙イベントは、6月に沖縄県の美らSUNビーチで行われる予定だった。梅雨の時期であるだけにイベント開催発表時から当日の天候を危惧する声が多くささやかれていたが、案の定、雷を伴う大雨の予報が出たためイベントは中止。急きょ、代替会場となる豊見城市立中央公民館にて無観客の開票が行われるという前代未聞の総選挙となったのはご存知の通り。
 美らSUNビーチにはすでにライブ用の特設セットが組み立てられていたが、前述したような状況のため、結局それは無用の長物と化した。
 そして、このセットの設営費用1億3010万円のうち2400万円が国費でまかなわれていたという。
 それは河野太郎衆議院議員のブログにより明らかになる。彼は〈今回、閑散期におけるAKB総選挙の沖縄開催が、沖縄観光の発展に資するという名目で、会場設営費等が助成の対象になった。総事業費1億3010万円、うち県交付決定額3000万円、そのうち国費が2400万円〉と記し、単なるゴミにしかならなかったライブ会場のセットに多額の国費が投じられていたことを明かした。
 小中高校や幼稚園、保育所など108施設でエアコン維持費補助が順次打ち切られる予定だと通告された問題をはじめ、安倍政権の沖縄いじめにより、沖縄県民の生活に必要な最低限のお金が削られていく一方、「アベ友」秋元氏の関係するイベントにこれだけ税金が流されていたとは……。
 この件は加計学園や森友学園問題とはちがって、官邸の関与はなかったようだが、そもそもこれだけ大儲けしているAKB運営が助成金を申請して自分たちのプロジェクトに国民や県民の血税を投入させていたこと自体大問題ではないだろうか。

【事件6】須藤凜々花「結婚宣言」事前報告を受けていたのに大炎上で知らんぷり

 今年の総選挙における一番の話題はNMB48の須藤凜々花による「結婚スピーチ」騒動だった。ファンはもちろん、高橋みなみや大島優子などのOGをも巻き込んだ大騒動に発展し、その後しばらくはワイドショーをこの話題が席巻した。
 この騒動に関して本サイトが一番問題だと感じるのは、どう考えてもすさまじいバッシングを受けることがわかりきっている「結婚スピーチ」が行われることを知っていたのにも関わらず、それに対するケアを行わず、また、批判の矢面に立つ須藤を秋元氏がいっさい守らなかったことだ。
 いや、守るどころかむしろ、秋元氏は「結婚スピーチ」について重大な嘘をついてきた。
 地上派のテレビ中継が入っている興業の場で「結婚スピーチ」などということを周囲のスタッフに無断でできるはずがない。秋元氏による決裁は確実に受けているはずで、常識的に考えればそんなことは誰でもわかることなのだが、予想以上の反響が起きたためか、秋元氏は事前の決裁について「知らぬ存ぜぬ」を貫き通そうとした。
 騒動直後の6月25日付読売新聞の連載コラムでは〈僕は彼女とまだ直接、話せていないので詳しくはわからないが、彼女なりの苦渋の選択だったと思う〉と綴り、事前に自分は知らなかったと責任転嫁した。
 しかし半年後、秋元氏の〈まだ直接、話せていない〉という言葉は嘘だったことが判明する。
 12月13日放送『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)にゲスト出演した秋元氏は当時の状況について「前日そういう話がありますっていうのが現場のマネージャーから上がってきたんですよ。それで、『いや、それはもう本人の問題だから、本人と相談して。どっちでもいいよ。本人と決めなさい』って話で投げたんですよ」と証言。当時の「知らぬ存ぜぬ」の態度が自らに火の粉がかかってこないための「逃げ」であることを自らバラしたのだ。
 当人の自己判断に任せたのなら、それは「ケツはもつ」ということを意味するだろう。事前に決裁を仰がれていた以上、それができないのならストップさせるべきで、それが組織の長の役割であるはずだ。
 だが、結果的に秋元氏は予想以上の大炎上となるのを見届けると「詳しくはわからない」と逃げ、半年以上の時が経過したいまになってようやく事前に決裁していたことを明かした。
 この事件は、秋元氏のキャリアを通じての「無責任体質」を象徴していると言えるだろう。

……………………………………………………………………………………

 今年は単純計算で2カ月に1回ペースで炎上騒動を起こしてきた秋元氏。しかし、これらの事例で、秋元氏本人から事情説明や謝罪のコメントが出されたものはひとつもない。
 また、そういった問題で世間から寄せられた声を秋元氏が真摯に受け止めているのかは甚だ疑問だ。今月27日に発売されたばかりのNMB48のシングル「ワロタピーポー」では、〈何かをやれば叩かれる/反論すれば大炎上/揚げ足取られて拡散中/とかくにこの世は住みにくい〉と歌われており、本稿で挙げたような諸問題は〈揚げ足取られて〉の範疇であると、他ならぬ歌詞で表現している。
 この調子では来年もさらに多くの人を傷つけ、炎上騒動を引き起こすこと必至だろう。

最終更新:2017.12.30 03:08

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