同性パートナー差別の自民・竹下亘と大違い! 美智子皇后はオランド前仏大統領の事実婚パートナーに神対応

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
takeshita_171124_top.jpg
竹下亘公式ホームページより


 またも自民党から問題発言が飛び出した。昨日、自民党の竹下亘総務会長が、天皇・皇后が開催する宮中晩餐会について、岐阜市内で開かれた党支部のパーティーで、こんな話をしたのだという。

 まず、竹下総務会長は、2013年フランスのオランド前大統領が国賓として来日したとき、オランドが事実婚のパートナーを伴ったことを挙げ、こう述べた。

「奥さんではないパートナーだという女性が天皇、皇后両陛下と並んで座るわけだから、どう対応しようかと宮内庁は悩んだ」

 よく知られているように、フランスにおいて事実婚は法律婚と同等の権利が保障されるPACSという制度があり、多くのカップルがこの制度を選んでいる。そうした事情を無視して「奥さんではない」と切り捨てるとは一体どういうことかと思うが、竹下総務会長は「問題はここから」とし、このようにつづけたという。

「(国賓の)パートナーが同性だった場合、私は(出席に)反対だ。日本国の伝統には合わないと思う」

 つまり竹下総務会長は、国賓の要人が、自身の国の法律に則って同性婚したパートナーのことを、「日本国の伝統」に反するから宮中晩餐会への出席を拒否すべきだ、と述べたのである。

 じつは、こうした「拒否案件」はすでに起こっている。2015年6月にA・カーステン・ダムスゴー駐日デンマーク大使が離任の挨拶のために宮中を訪問した際、同性婚相手のパートナーを外務省が配偶者として認めなかったため、パートナーを同伴して宮中で離任挨拶が叶わなかったというのだ(「サンデー毎日」2015年7月12日号/毎日新聞出版)。宮内庁関係者は「外国で正式な婚姻関係にあるのであれば、同伴を認めてもいいのではないか」という議論があったことを明かしており、外務省の判断であった可能性が高いと見られる。

 竹下総務会長は「日本国の伝統」などともち出すが、差別的な伝統よりも普遍的価値である人権を尊重するのが民主主義国家としては当たり前の話。だいたい、これは相手国で法的に認められている関係を認めないという、外交的にも大問題の対応だ。

 実際、今年5月、ルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相は同性婚のパートナーであるゴーティエ・デストネ氏を伴ってNATO首脳会議に出席し、デストネ氏はメラニア夫人ら各国ファーストレディたちとともに行事に参加している。また今年3月には、伝統的には同性愛に厳しかったカトリック教会のローマ法王フランシスコも2人をカトリックの総本山バチカンに招待している。

オランド前仏大統領の事実婚パートナーが感激した、美智子皇后の神対応

 しかも日本政府は、事実婚のパートナーに難色を示したり、同性婚のパートナーは認めない一方で、一夫多妻制の国の要人が第二夫人を伴った際は配偶者として認めて行事や式典に同行しているという(前出「サンデー毎日」)。外務省は、一夫多妻は「日本国の伝統」だとでも言うのだろうか。ならば、同性愛も法律婚外の恋人関係も、日本では古くから歴史を彩ってきた「伝統」と言うべきだろう。

 そもそも、宮中晩餐会の主催者たる当の天皇・皇后は、このような差別的な対応を是としているとは到底思えない。

 というのも、竹下総務会長が問題視したオランド前大統領の事実婚パートナーだったヴァレリー・トリルベレール氏は、いかに美智子皇后が宮中晩餐会において偏見もなく接してくれたかを、自著のなかで明らかにしているからだ。

 新潮社「フォーサイト」に掲載された西川恵・毎日新聞客員編集委員の記事によると、トリルベレール氏は2014年にオランドとの破局について綴った『Merci pour ce moment』(いまの時に有り難う)を発表。この本でトリルベレール氏は、事実婚でファーストレディとなったことや仕事を辞めなかったことなどで偏見の目で見られつづけた苦悩を明かすなかで、〈最も思い出に残る国賓訪問〉として、2013年の日本における宮中晩餐会を挙げているという。

 そこで振り返られているのは、美智子皇后の対応だ。

「天皇、皇后両陛下主催の晩さん会は、いまでも忘れがたい、魂を奪われるような最高の記憶として残っている。北フランス出身の貧しい私のような小娘が、皇后から『ミチコと呼んでください。私もファーストネームで呼ばせていただいていいですか』と言われようとは。私は『皇后さまとお呼びするしか失礼でできません』と言いました。皇后さまは私の立場を理解してくださいました」

 竹下総務会長の話から想像するに、トリルベレール氏の宮中晩餐会出席を周囲が快く思っておらず、扱いをめぐって揉めていたことは、美智子皇后にも伝わっていたことだろう。しかし、美智子皇后はそうした事情で分け隔てることなく、親しみを込めて接した──。すばらしい外交と言わざるを得ないだろう。

 しかも、トリルベレール氏はこうも記しているという。

「別れ際、皇后はカメラの放列の中を優しく抱擁してくださいました。(皇后の体に触れないという)プロトコールを守らなかったため、私は批判を浴びるものと覚悟した。しかしこの時はなかった」

「日本の伝統」を騙り差別を肯定するために、天皇・皇后を政治利用する安倍政権

 この対応は、とりわけ美智子皇后がトリルベレール氏に歓迎の意を伝えるものだったのではないか。そのことがカメラ越しからも伝わったからこそ、トリルベレール氏はフランスで批判に晒されることもなかったのだろう。

 むしろ、こうした美智子皇后の対応を苦々しく捉えたのが、日本の政府なのではないか。実際、要人のパートナーが「魂を奪われるような最高の記憶」と呼ぶ思い出をつくり、フランスとの友好を深めたというのに、いまだに竹下総務会長はこのときのことをもち出して、同性婚パートナーの出席は反対などと言い出しているのだから。

 だが、このように友好的な平和外交の役目をはたしている美智子皇后でさえ、難色を示したと言われているのが、先のトランプ大統領の来日時の面会だ。

 昨日の記事でも詳しくお伝えしたが(関連記事)、現在発売中の「週刊新潮」(新潮社)は、官邸関係者による「美智子さまは“トランプさんには会いたくない”というようなご懸念を周囲に示されていたと言うのです」という証言を掲載。さらに「何でも美智子さまは“陛下をトランプさんに会わせてもいいものか”と漏らされていた」という永田町関係の話も紹介しているのである。

 トランプの思想と美智子皇后のこれまでの言動を鑑みれば、こうした話が浮上してくるのは至極自然と言うべきだろう。

 事実、美智子皇后は「誕生日文章談話」でICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル平和賞受賞を大きく評価し、〈戦いの連鎖を作る「報復」〉に釘を刺したばかりか、難民支援に強い関心をもち、以前から在日外国人に対するヘイトスピーチの問題に心を痛めていたとされている。これらはトランプ大統領のスタンスとは何もかも相反するものだ。さらに、もしほんとうに皇后が「陛下をトランプさんに会わせてもいいものか」と周囲に漏らしていたとすれば、これは安倍政権が軍事一体化と言えるほど進めている日米関係の強化に、皇室が政治利用されることを憂慮したとしか思えない。

 日米関係強化のためには皇室を積極的に政治利用する一方、周囲が難色を示す事実婚のパートナーを美智子皇后が手厚く歓迎した事実の前でも「日本国の伝統が」とわめき立てる──。結局、竹下総務会長をはじめとする安倍政権は、「伝統」を騙った差別主義の肯定のために天皇・皇后を利用しているだけなのである。そして、実際のところ、こうした対応にもっとも胸を痛めているのは、言うまでもなく天皇・皇后なのではないだろうか。

最終更新:2017.12.22 12:03

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

同性パートナー差別の自民・竹下亘と大違い! 美智子皇后はオランド前仏大統領の事実婚パートナーに神対応のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。LGBT安倍政権皇室竹下亘編集部美智子皇后の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 村上春樹が『猫を棄てる』で歴史修正主義と対決、父親の凄惨な戦中体験を
2 辛坊治郎が新宿区のコロナ見舞金を「ホストが10万円狙いで感染」とデマ
3 安倍政権がまた「災害ないがしろ」!被災地に耐久性不十分の段ボールベッド
4 「医療逼迫していない」は嘘だった!なのにGoToキャンペーン前倒し強行
5 木下優樹菜の「新しい不倫相手」は本当に存在するのか?
6 東京の感染者は7月1日から100人超、発表67人を139人に修正
7 安倍政権の「Go To」批判封じを『ひるおび』八代弁護士がポロリ
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 吉村洋文知事は「武富士」の盗聴犯罪を隠蔽するスラップ訴訟の代理人に
10 東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望も、安倍政権は
11 「東京でコロナ感染224人」は本当に検査を増やしたせいだけなのか
12 森友公文書改ざんで安倍首相を守った太田充主計局長が財務省トップに
13 GoToキャンペーンは、 “影の総理”今井補佐官と菊池桃子の夫が経産省の利権に
14 「桜を見る会」で昭恵夫人、菅官房長官と写真の“大物半グレ”が逮捕
15 ついに村上春樹が原発反対を表明!
16 新しい地図の番組『ななにー』に吉村知事出演でSMAPファンが抗議!
17 産経の総帥が軍の慰安所関与証言
18 あの竹中平蔵が安倍政権のコロナ対応の遅さを国民に責任転嫁
19 「トランプに皮肉」村上春樹の本格的トランプ・安倍批判
20 百田尚樹小説の村上春樹揶揄に新潮社が
1 東京の感染者は7月1日から100人超、発表67人を139人に修正
2 年金積立金が1~3月期で18兆円マイナス! 国民の年金を溶かした安倍政権の責任
3 小池百合子都知事が東京アラート解除のため陽性者数を操作していた疑惑
4 「医療逼迫していない」は嘘だった!なのにGoToキャンペーン前倒し強行
5 安倍政権がまた「災害ないがしろ」!被災地に耐久性不十分の段ボールベッド
6 森友公文書改ざんで安倍首相を守った太田充主計局長が財務省トップに
7 小池百合子が当選後、コロナ対応担う都立病院の合理化計画
8 GoToキャンペーンは、 “影の総理”今井補佐官と菊池桃子の夫が経産省の利権に
9 大谷医師が明かしたネトウヨの電凸攻撃!「反日」と怒鳴り込まれたことも
10 河井克行の買収に安倍事務所が関与の新証言!現金渡した相手を首相秘書が訪問
11 安倍政権がコロナ増税の動き! 新会議に震災で復興税導入を主張した経済学者
12 東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望も、安倍政権は
13 吉村洋文知事がコロナワクチン開発でもペテン手口!
14 東京都の感染者100人超で小池知事、加藤厚労相、安倍首相の仰天言動
15 「桜を見る会」で昭恵夫人、菅官房長官と写真の“大物半グレ”が逮捕
16 「東京でコロナ感染224人」は本当に検査を増やしたせいだけなのか
17 河井事件でバービーが「安倍首相の名前で金を受け取らせたのは圧力」
18 辛坊治郎が新宿区のコロナ見舞金を「ホストが10万円狙いで感染」とデマ
19 小池百合子、小野泰輔の“ヘイト”に津田大介が切り込んだ
20 香港問題で安倍首相と自民党の二枚舌

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄