海外メディアが一斉に「アベノミクスは失敗に終わった」…一方、安倍首相はデータをねじまげ「景気回復」の嘘を

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
abe_01_160118.jpg
海外からも失敗の声多数(自民党民主党ホームページより)


「息を吐くようにウソをつく」安倍晋三首相だが、経済政策についてもウソばかりだ。たとえば、東京新聞2016年1月14日付朝刊「首相、国会でも『地方にアベノミクス』強調でも実情は…高知ルポ」では、次のような安倍首相のウソを暴いている。

「安倍晋三首相は最近、政権の経済政策アベノミクスが地方に波及しつつある根拠として、高知県の有効求人倍率が初めて一倍を超えたことを繰り返し取り上げている」「首相は十一月に都内で開いた自民党立党六十年記念式典で『高知県は初めて有効求人倍率が一倍に到達した。おめでとうございます。県庁で祝杯を挙げたそうだ』と紹介した」「地方の有効求人倍率の上昇について『働いている人の絶対数が増えた結果だ』と述べ、自身の経済政策アベノミクスが景気回復に結びついていると強調」(同記事より)している。

 たしかに、「高知県の求人倍率は昨年九月、一九六三年の統計開始以来初めて、仕事を探す人と仕事の件数が同じ一・〇〇倍に達した。最新の十一月は一・〇五倍だった」(同記事より)。

 有効求人倍率は、求人数(分子)を求職者数(分母)で割ったもので、公共職業安定所に申し込まれている求職者数に対する求人数の割合が分かるのだが、安倍首相が言うように、アベノミクスが地方に波及しつつあるのであれば、企業からの求人数(分子)が増えて、有効求人倍率が上昇していることになる。

 ところが、実際に東京新聞の記者が高知で現地取材をしてみると、「高齢者福祉や建設関係を中心に求人が増えると同時に、職を求める人が減っている」実態が明らかになったのだ。

「昨年十一月の求職者数は一万三千二百八十六人で、二〇〇六年度の一カ月間の平均一万八千三百七十五人から約三割減った。高知労働局の原幸司地方労働市場情報官は『求職者は前年同月比で三十三カ月連続の減少。年度ごとに如実に減っている』と説明する」(同記事より)

 つまり、高知県の有効求人倍率の上昇の主な理由は、「条件のいい仕事のある大都市圏への若者の流出」という、求職者数(分母)の減少だったのだ。

 さらに「高知県では一四年まで十四年連続で県外への転出が転入を上回る。県内の仕事は非正規の割合が高く、正社員のみの求人倍率は昨年十一月で〇・五六倍。全国で沖縄県に次いで低い」(同記事より)と深刻な経済状況が明らかになったのだ。

 安倍首相といえば、1月8日の衆議院予算委員会で賃金に関する答弁のなかで例として発言した「私と妻。妻は働いていなかったけれども、『景気がそろそろ本格的に良くなってきたからそろそろ働こうかしら』と思ったら、我が家の収入は妻が25万円で私が50万円で75万円に増えるわけでございます」、いわゆる「パートで月25万円」発言が新年早々、インターネットで炎上したが、「景気がそろそろ本格的に良くなって来た」とウソをつきまくっている。

 日本のマスコミでは「アベノミクスで景気が良くなってきた」という安倍首相のウソがいまだに通用しているが、海外メディアでは、完全に「アベノミクスは失敗した」という認識が一般的だ。

 たとえば、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「アベノミクス、今こそ再考の時」と題した社説を掲げ、「アベノミクスの『3本の矢』は、財政出動と金融緩和で始まった。その結果、日本の公的債務残高は年末までに対国内総生産(GDP)比250%に達する勢いだ。日銀は年間約80兆円規模の国債購入を実施しており、これは米連邦準備制度理事会(FRB)以上に急進的な量的緩和だ。それでも、銀行各行は融資を増やしておらず、デフレは続いている」「日本経済の停滞に終止符を打つという首相の公約は達成できておらず、今こそ抜本的に再考しなければならない」と勧告している(11月17日付)。

 また、国際ニュース通信社ロイターはデンマークの投資銀行でデリバティブ取引の世界的大手・サクソバンクのCIO(最高運用責任者)にして主任エコノミストであるスティーン・ヤコブセンのインタビューを配信したが、「アベノミクスは失敗に終わったと思う。新・第3の矢は、もはや矢ではない。構造改革はどこへ行ったのか」「日本にはモーニング・コールが必要だ。長い眠りから呼び覚まされなければならない」などと断言している(11月18日付)。

 実際に数字に見ても、「アベノミクスは失敗した」ことは明らかだ。

 内閣府が昨年11月16日発表した6~9月期GDP速報値では年率換算0.7%のマイナスで、4~6月期の同0.7%マイナスに続いて2四半期連続のマイナスに陥ったことが明らかになったのだ。2四半期連続のマイナスは欧州など海外では「景気後退期」とみなされる。さきほど紹介した海外メディアの「アベノミクスは失敗した」報道は、これを受けて行われたものだ。しかし、日本は景気循環について内閣府が認定するために、「景気の足踏みが長引いている」(日本経済新聞11月16日夕刊1面)などという官製報道がまかりとおっている。

 今年に入って、東京株式市場では日経平均株価が連日のように下落し、株価下落の要因として、海外投資家が日本株を売る動きを強めたことがあげられているが、海外投資家は「アベノミクスは失敗した」と受け止めているのだから当然のことだ。それだけでも日本株を売る動きにつながるが、さらに、首相をはじめ政府と日本のマスコミは「景気がそろそろ本格的に良くなってきた」などとウソをつきまくっているのだから、政府への不信が加速し、全面的な売りにつながっているのだ。

 次の10−12月期(1次速報)の公表は2月15日だが、中国経済大減速もあって、マイナスが続くとの見方が一般的だ。どこまで安倍首相は「景気がそろそろ本格的に良くなってきた」などとウソをつきまくることができるだろうか。
(小石川シンイチ)

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

海外メディアが一斉に「アベノミクスは失敗に終わった」…一方、安倍首相はデータをねじまげ「景気回復」の嘘をのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍晋三小石川シンイチの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 自民党大物職員の改憲PRソングが酷い
2 百田尚樹『日本国紀』に“Yahoo!知恵袋コピペ疑惑”
3 直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質
4 高須・橋下・ネトウヨのハンスト叩きを元山氏・村本が論破
5 三浦大知が歌う歌は天皇皇后の沖縄への想い
6 櫻井よしこは嘘つきだ!小林節が告発
7 ゆずの愛国心煽動ソングはここが悪質!
8 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
9 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(後編)
10 和田政宗も絶賛「HINOMARU」とW杯
11 “バンクシー”のネズミはOKで安倍首相の顔写真にヒゲはNG?
12 稀勢の里「ナショナリズムのアイコン」の相撲人生
13 DA PUMPがEXILEに挑戦状
14 元旦朝生のウーマン村本は間違ってない
15 沖縄県民投票“不参加”指南の背後に安倍官邸の存在か!
16 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
17 百田尚樹の「改憲PR映画」がトンデモ!
18 つんく♂が秋元のメンバー差別に
19 柳瀬秘書官、安倍、加計が一緒にゴルフ
20 国連も「組み体操」の危険性を指摘!
1 追悼!市原悦子が生前語った安倍政権への怒り、反戦の思い
2 所ジョージが沖縄米軍基地反対ソング! 
3 竹田恒泰が父の五輪汚職捜査に「フランスは皇室がないからひがんでる」
4 ウーマン村本、ローラ…権力批判芸能人を排除する醜悪メディア
5 安倍首相の“サンゴ移植した”嘘を追及しない本土メディア
6 早野龍五・被曝論文に重大誤り!お墨付き与えた糸井重里の責任
7 産経と菅官房長官が「辺野古赤土投入問題」追及の望月記者を攻撃
8 仏司法当局が東京五輪誘致汚職で竹田恒和JOC会長の捜査開始!
9 日露外相会談の大失態を必死で隠す安倍政権
10 沖縄県民投票“不参加”指南の背後に安倍官邸の存在か!
11 ゴーン前会長出廷で露呈した特捜部の無理スジ国策捜査
12 外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正
13 安倍政権の反韓煽動が酷い!「韓国へ渡航禁止」まで主張
14 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
15 三浦大知が歌う歌は天皇皇后の沖縄への想い
16 直木賞受賞『宝島』が突きつけた「沖縄問題」の本質
17 “バンクシー”のネズミはOKで安倍首相の顔写真にヒゲはNG?
18 松本人志が指原莉乃に悪質セクハラ差別発言! 
19 自民党大物職員の改憲PRソングが酷い
20 百田尚樹『日本国紀』に“Yahoo!知恵袋コピペ疑惑”

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄