川上マネが告白! ももクロの歴史は“むちゃぶり”の歴史

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『ももクロ流 5人へ伝えたこと 5人から教わったこと』(日経BP社)

 今年3月に女性グループ単独として初の国立競技場公演を成功させた、ももいろクローバーZ。2008年の結成当時(ももいろクローバー名義)には、メンバーたちがビラを配って集客を図りながら路上パフォーマンスを繰り返していた彼女たち。この奇跡的な飛躍を支えているのは、メンバー選出のころから携わっているチーフマネージャーの川上アキラ氏だ。

 彼女たちが所属しているのは、北川景子、岡田将生ら第一線で活躍する俳優・女優を多く擁する芸能プロダクション「スターダストプロモーション」。とはいえ、アイドルグループを育成したのは、ももクロが初。それにもかかわらず、どうしてアイドル戦国時代とも言われる今、ももクロは成功したのか。そこには、川上氏の「哲学」が大きく影響しているようだ。氏の著作『ももクロ流 5人へ伝えたこと 5人から教わったこと』(日経BP社)を読むと、ももクロの転換期と氏の哲学が大きな化学反応を起こし、グループを前進させていたことがうかがえる。

 例えば、09年に全国のヤマダ電機の店舗を回った全国ツアー。マネージャー自らハンドルを握り、ワゴン車で回ったこのツアーはファンの間でも伝説とされるものだが、よくよく考えると、小売店舗でパフォーマンスしたこと自体が常識外れだといえよう。特にアイドルグループの場合、フォーメーションや振り付けを考えると、スペースに余裕のあるステージが求められる。しかし、ももクロの場合は「左右に約3mずつの幅があれば5人は踊れる」という振り付けになっているそうだ。それは、「対応力の高いタレントになってほしい」という川上氏の考えが反映されたもの。「『できないことはない』というのを体に覚えさせたかった」「何か言われて『それはできない』というより、さらっとやって見せたほうがかっこいいじゃないですか」と語る川上氏だが、ももクロはメジャーデビューを果たすまではイベントも事務所スタッフがアイデアを出し合い、手作りで行っていた。裏方スタッフの努力や対応力の高さが、自然にメンバーに伝播していったのかもしれない。

 11年から始まった、『ももいろクローバーZ 試練の七番勝負』も川上氏の哲学が織り込まれているイベント。各界のエキスパートをゲストに迎え、7日間にわたってメンバーとトークバトルを繰り広げるこのイベントの狙いは、各エキスパートと対峙することによって、自分たちに何が欠けているかをメンバー自身が考えるという、川上氏の理想とする「自分で考えるアイドル」へのステップでもあったという。それ自体をイベントにするという発想もすごいが、実はイベントの元ネタはプロレス。「期待されている若手レスラーがタイプの違う先輩に挑んでいく」ことで、「見世物」としての目線と「教育」「育成」の目線が入り、最上のエンターテイメントになり得るという。ももクロの人気が右肩上がりだった当時だからこそ、このイベントのおもしろみをファンと共有できたのだろう。

 また、同じく11年からはファンを性別で分けた「男祭り」「女祭り」、12年からは小学生の子どもとその同伴者しか入場できない「子供祭り」を仕掛けているが、ここにも川上氏のとある狙いが隠れている。それは、「ファンに『不公平を楽しんでほしい』」という思い。自分が入れないイベントほど、その場を想像する。その想像こそが楽しいはず、というのが川上氏の狙いだ。もちろん、他のイベントでは老若男女すべての人が楽しめるようにプランニングしているという。この絶妙なバランス感覚こそ、ファンを飽きさせないポイントだろう。

 これらのほかにも、ファンが増え始めた09年には、握手会の時間を短縮するために、ファンを巻き込んでタイムを争う「高速ハイタッチ大会」を企画するなど、ファンもメンバーも楽しみながら興行できるような「発想の転換」を自らに課してきた川上氏。7月には、『ももクロ夏のバカ騒ぎ2014 日産スタジアム大会〜桃神祭〜』が行われる。はたしてここではどのような仕掛けでファンを楽しませてくれるのだろうか。
(江崎理生)

最終更新:2014.07.01 08:03

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