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立川志らくが前夜祭問題でまた「与野党どっちもどっち」 一方、高田延彦は「長引かせているのは誰か」と安倍政権を一刀両断!
安倍政権を一刀両断した高田延彦(『高田横粂の世相談義』より)
国会での安倍首相の答弁がゲスを極めつづけている。4日の衆院予算委員会では、「桜を見る会 前夜祭」について「久兵衛の寿司」問題を持ち出して「真っ赤な嘘をついた!」と話をすり替えて大ギレしたかと思えば、質疑中に秘書官とヒソヒソ話をはじめたことをたしなめられると「あなたに誠実に答弁をしようとしているのに、人間としてどうなのか」「これは権力の行使に近い」と声を荒げ、「買収(行為)だ」と追及を受けると、野党議員に「だったらもっと証拠をあげろ」と要求したのだ。
「証拠をあげろ」って、それはお前が明細書を出せばいいだけの話だろとしか言いようがないのだが、昨日5日の衆院予算委員会でも、安倍首相はこんなことを言い出した。
「延々とこういうやりとりを、大切な予算委員会でやらなければいけないというのは、大変恐縮でございます。重大な問題があるにもかかわらずですね」
明細書も出さず、「ホテルとの契約の主体は個々の参加者」などという常識外れの主張をするから追及をせざるを得ない状況になっているというのに、疑惑の張本人が被害者ヅラをして、「野党は重大な問題そっちのけで『桜』ばっかり」と印象づけたのだ。
一体これのどこが「丁寧な説明」なのかと言いたくなるが、しかし、問題はメディアの取り上げ方だ。総理大臣が自分の疑惑をめぐって野党議員を「嘘つき!」と面罵するという醜態を繰り広げたというのに、この話題を取り上げた5日放送の『ひるおび!』(TBS)では、立川志らくがまたしても“どっちもどっち論”を振りかざしたのだ。
「どっちもどっちのような気がしますけどもねえ。もっとうまいやり方が野党のもあると思うんだけれども。あまり感情的にならずに、多くの人は与党のほうはかなり苦しい状況に追い込まれていることはもうわかっているんで。あんまり感情的にならないほうがいいと思いますね」
志らくがこう述べると、司会の恵俊彰も「もはや何を追及しているのか見えなくなってきている」とコメント。再び口を開いた志らくは「どうでもよくなってきちゃうんですよ、なんかこうやってると」と語ったのだ。
安倍首相による「ホテルとの契約の主体は参加者個人」というバカげた主張は掘り下げずに、「何を追及しているのか見えない」「どうでもよくなる」と野党の追及の仕方を問題視する──。さらに、八代英輝弁護士は「この新聞の見出しを見て、今年の新聞の見出しなのか去年の新聞の見出しなのか正直言ってわからないんですけども」とコメント。ようするに、安倍首相と同じで「まだ『桜』をやっている」と呆れてみせたのだ。
言っておくが、『ひるおび!』の過去の放送では「桜を見る会」や「前夜祭」の問題を取り上げた際、これらが公選法や政治資金規正法違反にあたる可能性が指摘されていた。つまり、総理大臣の違法性が疑われる問題だと認識しながら、「野党もどっちもどっち」「まだ『桜』やってるのかよ」などという空気を広めようとしているのである。あまりに無責任だろう。
だが、こうした「どっちもどっち」「まだ『桜』やってる」という批判を、一刀両断した人物がいた。元格闘家でタレントの高田延彦だ。
高田延彦は世耕弘成らの「桜をやってる場合じゃない」論にも「真摯に答えれば1日で終わる」
高田は、元衆院議員の横粂勝仁弁護士とともに『高田横粂の世相談義』というネット番組を持っており、3日にライブ配信された第15回目の番組(YouTubeの公式チャンネルで現在も視聴可能)で、こう切り出した。
「きょうの新聞で気になることがあったんだけど、(ニューストピックのフリップを指し)このなかのなかにはないんだけね、『桜を見る会』。これ、土曜日の朝日新聞にね、ちょっと不思議な記事が載っていたんで」
その記事とは、2月1日朝日新聞朝刊に掲載された「「桜」夕食会、首相が新説 収支不記載巡り「ホテルと契約、参加者が」」という記事。前述したように、安倍首相が「ホテルとの契約の主体は参加者」と言い出した1月31日の国会答弁を取り上げた記事だ。高田はこの記事を取り上げ、「桜を見る会」の問題を含めて「一個一個潰していかないとダメですよね」と言い、こう語り出した。
「いまね、コロナがたいへんな時期にね、『桜を見る会』(の問題を)やっている場合じゃないでしょって、世耕(弘成・自民党参院幹事長)さんもオンタイムでTwitterか何か打ったみたいだけど、そうじゃないでしょ、と。ね? みなさんが真摯にまっすぐ答えて、反省も合わせて述べてくれれば、これ1日で終わんないですか? 1日で。長引かせているのは誰ですかってことですよ。(中略)絶対に許しちゃいけない問題が山積ですからね」
「一個一個まっすぐに答えればいいんですよ。そうしたらすぐ解決することでしょう?」
世耕氏をはじめ、フィフィなどの安倍応援団やネトウヨは「野党はこんなときに新型コロナウイルス問題に触れない!」と吹き上がっていたが、そうした意見に対し、高田は「真摯に答えれば1日で終わる話」「長引かせているのは誰か」と、ごく真っ当なことを指摘したのだ。
さらに、横粂弁護士が「いま現在、国会が空転している。両方の理論が絡まっているんですよ」「それぞれの理論が噛み合っていない」などと解説をしたのだが、それにも高田は「いま横粂さん言ったけど、『噛み合ってない』んじゃないのよ」と言い、こう続けた。
「噛み合わせようとしているのに、向こう(与党)がズラしてくるのね。だから噛み合わないんですよ。意図的にズラしてくるから。向こうもしっかり噛み合ってきてくれればね、答えも出るし、悪いところは『今回のところは我々の不手際でした、我々のミスでした』『今後気をつけます』という言葉が出れば、そこは一旦おさまるわけですよ。そこをああでもないこうでもないと、言葉悪いけど屁理屈に近いような逃げ口上が多いから、これは長引くんであってね」
高田延彦は辺野古基地問題を取り上げ、日米地位協定の見直しや憲法改正の危険性にも言及!
「屁理屈に近いような逃げ口上が多いから長引く」というのは、まさに高田の言う通りだ。疑惑を晴らすために証拠を出すべきなのは政府と安倍首相なのに、「幅広く募ったが募集ではない」だの「ログを開示すると国家機密漏洩の危険がある」だのと常軌を逸した答弁を次々に繰り出し、そのせいで追及はここまで長引いているのは明白な事実だからだ。
しかも、今回も公文書を白塗りにして改ざんするという重大な問題が引き起こされている。このまま野党が追及をやめれば、行政監視という機能が果たされないことになるのだ。
だからこそ、「出すものは出せ」「隠蔽はやめろ」と追及していかなくてはならないのだが、テレビではそんな声はほとんど聞こえなくなってきた。そして、前述した『ひるおび!』での志らくの「野党もどっちもどっち」、八代弁護士の「去年の新聞の見出しみたい」というコメントが垂れ流されることで「桜を見る会」問題がフェイドアウトしようとしているのである。もちろん、こうした状況にほくそ笑むのは安倍首相だ。
そうしたなかで、高田がしっかりと本質的な問題に言及したことは重要なことだ。高田といえば、安保法制をめぐっても〈この安保法制は憲法違反。まともな論拠がない上に安倍氏、中谷氏、高村氏、若手議員などなど、申してることが横暴でむちゃくちゃだもの〉などと安倍政権を批判するツイートを数々おこない、2016年の参院選時にも改憲を選挙の争点から隠そうとしていることを指摘し続けた。じつはこの『高田横粂の世相談義』という番組でも、昨年、憲法学者の木村草太氏をゲストに招いて沖縄辺野古新基地建設について特集し、高田はそこでも県民投票の結果を無視する政府の対応を批判し日米地位協定の見直しや憲法改正の危険性に言及していた。
そして、今回の高田のコメントも「さすが」と言わざるを得ないが、しかし、惜しむらくは、これがネット番組での発言だということ。「屁理屈に近いような逃げ口上が多いから長引く」という真っ当な話を、地上波の番組がしっかり指摘しない・できないこの体たらくを、放送人は恥ずかしいとは思わないのだろうか。
(編集部)
最終更新:2020.02.06 08:09
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