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沖縄県民投票を妨害し続けた安倍政権! 沖縄県民にエールのホワイトハウス署名呼びかけ人にも入管で嫌がらせ
大きな話題となったホワイトハウスへの著名運動だが…(The White House 『WE the PEOPLE』より)
明日に迫った、沖縄の辺野古基地建設の賛否を問う24日の県民投票。しかし、そんななかで、またも信じられないような事件が起こった。
ローラやQUEENのブライアン・メイが署名・情報の拡散をおこない大きな話題を集めた、ホワイトハウスに新基地建設工事の一時停止を求める署名運動の発起人である日系4世のロバート・カジワラさんが19日に来日したのだが、その際、到着した関西国際空港で、なんと入国審査で別室に連れていかれ、約110分にもわたって“拘束”されたのだ。
しかも、その間、カジワラさんは入国管理事務所の職員から、こんな尋問を受けたというのだ。
「辺野古へ行くのか」「日本に何をしに来たのか」
カジワラさんは以前から「沖縄の若者の関心が低いと言われており、私も投票前に沖縄入りし、若者らに県民投票参加を働き掛けるつもりだ」と語っており、今回の来日目的は講演会への出席だ。実際、カジワラさんは職員にも「講演会のために来た」と説明したが、対して職員は「講演会で何を話すのか」「デモをするのか」と質問を浴びせたという(沖縄タイムス21日付)。
その後、カジワラさんは知人に連絡し、そこから社民党の照屋寛徳・衆院議員に状況が伝えられ、照屋議員が入国管理局に対してカジワラさんの身元を保証、入国を許可されたというが、カジワラさんはこの入管の対応について〈日本にはこれまで何回も来てるけど、こんなことが起きたのははじめて〉とTwitterで発信。さらに、こう投稿した。
〈日本政府は、私をイベントに遅刻させるために東京への乗り継ぎ便を乗り損ねさせようとしていたと思う。そしておそらく、嫌がらせして私がまた日本に来る気を失せさせようともしていたんじゃないかな〉
入国目的ははっきりしているのに足止めし、その上、入国審査とはまったく関係ないのに「辺野古へ行くのか」「デモをするのか」と尋問した──。まるで辺野古へ行くことやデモをすることが犯罪行為であるかのような物言いだが、当然ながら、辺野古へ行こうがデモに参加しようが、それらは入管が入国を拒む理由にならない。カジワラさんも指摘するように、これは日本政府、安倍政権による嫌がらせ、見せしめであることは明々白々だろう。
しかも、カジワラさんの来日をめぐって起こった騒動は、これだけではない。22日、沖縄の名桜大学で市民らがカジワラさんを招き、学生たちとの交流会を開く予定だったが、名桜大が「大学の教育施設の利用は適切でない」として会場使用を不許可にしたのだ。
ホワイトハウスに県民投票まで新基地建設工事の一時停止を求める請願運動をおこなったカジワラさんの訴えは、現在、21万筆を超える賛同を得ている。カジワラさんは請願運動をはじめた理由について、「米国が民主主義を重視する国だと示してほしいと思った」「昨年9月の沖縄県知事選で移設阻止を公約に掲げた玉城デニー氏が当選したのに、日本政府が移設工事を進めたことにも異議を唱えたかった」と述べているが、こうした主張は当然のもの。そんなカジワラさんとの交流会が、どうして「適切でない」という判断になるのか。
官邸ぐるみで沖縄県民投票を妨害し続けた安倍政権
これは、「平和」「護憲」というメッセージ自体が「政治的」「危険思想」扱いをされる現状とそっくりだ。現に、そうしたなかで「憲法9条を守ろう」と集会を開こうとしただけで公共施設が「政治的な主張の集会には会場は貸せない」などと拒否する事例が次々に起こっているが、これと同様に、県民投票の実施を求めたり、新基地建設工事に疑義を呈するという、当然守られるべき市民の意志表示が「危険思想」だと見なされつつあるのだ。
そして、そうした空気を醸成してきたのは、言うまでもなく安倍政権だ。辺野古に新基地をつくっても普天間飛行場は返還されないというのに「普天間の危険性を除去するため」と大嘘をつきつづけ、他方、基地に反対する市民を安倍応援団たちはこぞって「暴徒」扱いしてきた。
その上、公正なプロセスを踏み、民主主義に則って実施される県民投票に対してまでも、安倍自民党は露骨な横やりを入れた。
たとえば、自民党の宮崎政久衆院議員が沖縄の市議会議員らに〈県民投票の不適切さを訴えて、予算案を否決することに全力を尽くすべきである〉などと予算案を否決する呼びかけをおこなっていたことが発覚。一時は宜野湾市、沖縄市、うるま市、石垣市、宮古島市の5市が不参加を表明する事態に陥った。
全県実施を求め元山仁士郎・県民投票の会代表がハンガーストライキしたことなどが実り、結果的に投票の選択肢を「賛成」「反対」の2択ではなく「どちらでもない」をくわえた3択で妥結、全県で実施されることとなったが、そこまで追い込まれることになった一部不参加問題の背景には官邸の暗躍があったとみられている。事実、宮崎議員が県民投票の予算否決の呼びかけに邁進していた最中の昨年12月10日、宮崎議員は松川正則・宜野湾市長と連れ立って首相官邸を訪れ、菅義偉官房長官と面談をおこなっていた(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2019/01/post-4499.html)。
陰に陽に県民を「分断」し、民主主義の原理原則である国民主権さえ否定しようとした安倍政権。しかも、菅官房長官は県民投票を控えた今月14日の定例会見で、「どういう結果でも移設を進めるか」という質問に「基本的にはそういう考えだ」と明言。投票がおこなわれる前から、県民の意志表示は無視する、と宣言したのだ。
こうしたなかで起こったカジワラさんの入管“拘束”問題は、安倍政権の沖縄に対する強権性を象徴する事件と言えるだろう。
その後、辺野古を訪れたカジワラさんは「日米政府は沖縄県民の意思を無視して工事を進めていることが(日本国外で)分かっている。辺野古の問題は国際問題。ウチナーンチュの人権を守るため、国連へ働き掛けていきたい」と語るなど、沖縄県民にエールを送った(琉球新報22日付)。
県民無視の強権的な政府の姿勢に、24日の県民投票でははっきりと民意を叩きつけてほしいと願わずにはいられない。
(編集部)
最終更新:2019.02.23 09:15
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