衆院選特別企画

総選挙・自民党の極右候補者リスト「ウヨミシュラン」発表! 日本を戦前に引き戻そうとしているのはこいつらだ!

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自由民主党2017年衆院選特設サイトより


 リテラが国政選挙の投開票前にお届けしている極右候補者リスト「ウヨミシュラン」。今回の衆院選でも、日本を戦争に引きずり込む民主主義の敵をあぶり出してやろうと、候補者の過去の言動をチェックし始めたのだが、これがまあ、「自民、維新、希望は全員じゃないか」と思うくらい“極右”だらけ。

 憲法改悪で戦争扇動を目論み、過去の戦争犯罪を否定するのは当たり前。報道の自由を否定する者、女性蔑視や外国人差別を扇動する者、国民の生存権を国のために命を捧げる者、愛国教育推進者、そして朝鮮人虐殺につながるようなヘイトクライムを扇動する者……。

 そこで、今回は、壊滅状態の維新、希望は無視して、自民党にしぼって、とりわけトンデモない極右議員を30人ピックアップすることにした。思想の危険性、影響度、ヘイト度、キャリアなどを総合的に加味して、本家のミシュラン同様、☆3段階で評価してみた。

 総選挙後には改憲論議が始まるのは確実と思われるが、まだストップをかけるチャンスは残されている。日本をグロテスクな「戦前」に引き戻さないためにも、ぜひ、参考にしていただきたい。

……………………………………

●北海道6区:今津寛 ☆

 7期前職のベテラン政治家だが、その主張は自衛隊を軍隊化する憲法9条改正論、永住外国人の地方参政権付与反対、夫婦別姓反対などなど、極右オヤジそのもの。現役首相の靖国参拝を求める自民党「平和を願い真の国益を考え靖国参拝を支持する若手国会議員の会」会長も務めた。しかし、なかでも一際トンデモなのが、2015年、成人年齢の引き下げを議論する党の特命委員会での「高校生がセーラー服を着て産婦人科に入り、子供をおろすことができるというのは世間だれもが認めないだろう」との発言。高校生の望まぬ妊娠に対し、人工中絶を否定したことだ。自民党と立憲民主党候補による一騎打ちの選挙区だけに注目したい。


●宮城6区:小野寺五典 ☆☆

 防衛大臣の小野寺氏。前任(厳密には前の前)の稲田朋美氏があまりにアレすぎて霞んでいるが、この人も強烈なタカ派であることを忘れてはならない。実際、8月10日の閉会中審査では、北朝鮮がグアムに向かってミサイルを発射した場合に「米側の抑止力・打撃力が欠如することは、日本の存立の危機に当たる可能性がないとも言えない」として集団的自衛権を行使できると答弁。3月には党検討チーム座長として「敵基地攻撃能力」保有を検討すべきとの提言を提出している。北朝鮮を挑発するような言動を繰り返す防衛相こそ、日本を戦争という「国難」に導くのではないか。

●茨城5区:石川昭政 ☆

 2012年衆院選にて初当選した安倍チルドレン。國學院大出身で神主の資格を持ち、神社本庁の政治部隊・神道政治連盟の支援を受ける。全国的にはまだ無名だが、その思想は典型的な“安倍チル極右”。ブログでは〈近隣諸国条項による自虐史観で書かれた教科書検定、学習指導要領、教科書採択について見直しを図ります〉〈日本人で良かったと誇りに思える教科書内容に改善して参ります〉など宣言し、稲田防衛相(当時)の靖国参拝も絶賛。もちろん例の“言論弾圧会議”こと「文化芸術懇談会」のメンバー。あの田母神俊雄サンと嬉々として対談したこともある。今後に要注目ということでピックアップしてみた。


●栃木3区:簗和生 ☆

 この人も典型的な“安倍チル”で文化芸術懇談会の一員である。実際、HPを見れば逆説的に安倍自民党の戦前回帰的価値観がまるわかり。〈家庭における子育てやしつけに対する責任感の醸成に取組みます〉〈行き過ぎた個人主義を改める〉等々。あげく2012年にBLOGOSに寄稿したのがコレ。〈(日本は)連綿と続く世界最古の一系の君主を戴き、道徳と規範意識に優れ、和を重んじ共同を大切にし、穏やかで平安な生活を営みながらも、一旦危機が生じれば勇を持って立ち向かう、世界に比類無き卓然たる国柄を有しています〉。そのまんま教育勅語。やっぱり国民を戦地に送り込みたいらしい。


●埼玉2区:新藤義孝 ☆☆

 安倍首相の“極右の盟友”のひとりで、第二次安倍内閣で総務大臣や国家戦略特区担当大臣を歴任。靖国神社を毎年参拝し、ライフワークは竹島や尖閣諸島への視察などの領土問題。政治家としての悲願は改憲と「国防軍」創設だ。だが、そんな新藤氏が“ネトサポ”こと「自民党ネットサポーターズクラブ」(J-NSC)の初代代表であることはあまり知られていない。新藤氏は第4回J-NSC総会にて、参加したネトサポに「こないだの選挙、お世話になりました!」「総務大臣を拝命しておりますのも、みなさんのおかげです」と述べ拍手を浴びている。栗林忠道大将の孫である新藤氏は一昨年の安倍首相の米議会演説に同行し、硫黄島激戦の体験者である元米兵と握手を交わすという「感動シーン」を演出したが、その人がネトウヨにペコペコしている姿は、端的に言って情けない。


●千葉3区:松野博一 ☆☆

 安倍内閣の元文科相。加計学園問題での文書隠蔽や疑惑隠し答弁が記憶に新しいところだが、ウヨミシュランに入れたのは文科大臣としてLGBT差別を推進したから。今年の学習指導要領の改訂にあたっては性的マイノリティについて盛り込むことを求めるパブリックコメントが多数寄せられていた。ところが文科省は却下。松野氏は国会で「LGBTに対する科学的な知見が確立していない」「授業において先生方が合理的な説明の元に進められない問題がある」と答弁し、性的マイノリティに対する差別・偏見を正当化した。一方、教育勅語については「教材として用いることは問題としない」と是認。結局、安倍政権は平等や人権、多様性などの教育を否定し、戦前的価値観を復活したいだけ。そのことを忘れないでほしい。


●神奈川2区:菅義偉 ☆☆☆

 ご存知“安倍政権のゲッベルス”。とりわけ政権に不都合な言論への弾圧行為は苛烈さを極めている。記者からの質問には「指摘は当たらない」「問題はない」「はい次」の“スガ語”で封殺。昨年相次いだニュース番組司会者の降板の影ではすべてこの人の名前が挙がり、加計問題での「怪文書」発言、前川喜平前文科次官への「地位に恋々としがみついた」というデマ攻撃も記憶に新しい。あげく、加計問題を会見で追及した東京新聞・望月衣塑子記者に対しての「ここは質問に答える場所ではない」。言うまでもなく、政治権力によるメディアコントロールと言論弾圧は、ファシズムの危険な兆候。民主主義を終わらせないために、国民は菅氏の鉄の仮面を剥がしにかからねばならない。

●神奈川16区:義家弘介 ☆☆

 文科副大臣にまで成り上がった義家“ヤンキー”センセイ。しかし、そのことによって、頭スカスカの極右っぶりが次々露呈してしまった。副大臣就任時には当時の馳浩文科相(石川1区)とともに、月刊誌で教師時代の「体罰」を自慢していたことが発覚。06年には首相の肝いりの教育再生会議で「体罰の基準見直し」を提言。さらに「諸君!」(文藝春秋/廃刊)07年3月号では“善悪の線引きは国がやるべき”と国家による思想統制の必要性を語り、安保反対デモには「まさに『ヘイトスピーチ』そのもの」(本人FBより)といちゃもん。今年の国会でも、加計問題をめぐる内部証言に対し「国家公務員法違反になる可能性がある」と恫喝した。そもそも、こんな人に教育行政を担わせる政権自体が異常という他ない。


●東京4区:平将明 ☆☆

 自由民主党ネットメディア局長。ネット右翼を多数擁すJ-NSCのトップである。本サイトでも報じたとおり、10月6日の夜、自民党本部で行われたJ-NSC総会では、ネトサポからの具体的な他党のネガキャンに平氏がアドバイス。「希望NO党」「立件(一見)民主党」とのツイートは誹謗中傷か?との問いに「パロディだからOK」。さらに、“従軍慰安婦像の辻元清美”や“手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫”なる画像投稿についても「個人のご判断」と笑いながら容認した。周知の通り、SNS上ではJ-NSC会員を自称するアカウントが、野党のネガキャンだけでなく日々ヘイトスピーチを垂れ流している。こんな政治を許していいわけがない。


●東京9区:菅原一秀 ☆☆

 悪質ヘイトの常習犯。昨年6月には当時民進党代表選出馬が取りざたされていた蓮舫氏について、「自分が日本人に帰化したことが悔しくて悲しくて三日三晩泣いた、と自らブログに書いている」と発言。もちろん蓮舫氏のブログにそんな記述はなく、元ネタはネトウヨがばらまいたデマだった。単なるネットリテラシーの欠如ではない。実際、同年3月の「週刊文春」(文藝春秋)によれば、菅原氏は当時27歳だった元愛人に「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子供を産んだら女じゃない」と言い放ったという。出自や女性に対する差別をむき出しにする様はネトウヨそのもの。しかも菅原氏は前ネットメディア局長。救いようがない。


●東京11区:下村博文 ☆☆☆

 安倍首相の盟友の元文科相。歴史修正主義・極右教育推進の言動を繰り返すことで知られる。もともと大学業界や塾業界との癒着が指摘されており、最近も「週刊文春」に「加計学園から闇献金200万円」疑惑を報じられた。そのトンデモぶりの最たるは「親学」への思い入れ。親学とは「児童の2次障害は幼児期の愛着の形成に起因する」というトンデモ疑似科学で「障害者への差別思想」として批判を受けているのだが、下村氏はこの親学に傾倒し、親学推進議員連盟まで立ち上げた政治家。また、これまで統一教会などカルト宗教との関連も週刊誌などで囁かれ続けてきた。トンデモ閣僚を多く送り出した安倍政権だが、とくに下村氏を筆頭に文科大臣はヤバいのしかいない。


●東京16区:大西英男 ☆☆

 「文化芸術懇談会」での“言論弾圧3本の矢”の一人。「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番」「経団連に働きかけてほしい」のトンデモ発言で知られる大西氏。とにかく“暴言王”の名がふさわしく、14年の国会では上西小百合議員の質問中に「まず自分が子どもを産まないとダメだぞ」とヤジ。完全にセクハラかつ女性蔑視だが反省はなかったようで、昨年の派閥(=安倍首相の出身派閥である清和会)の会合では「『巫女さんのくせになんだ』と思った」「ひとつ口説いてやろうと思った」「巫女さんを誘って夜、説得しようと思った」なる職業蔑視、女性蔑視発言を繰り返した。また今年も受動喫煙対策に関する党の部会において、がん患者についての文脈で「働かなければいいんだよ」と発言。見ての通り、差別意識の塊のトンデモ政治家だ。恥を知れと言いたい。


●東京18区:土屋正忠 ☆☆

 元武蔵野市長の前職。安倍政権では総務副大臣などを歴任。憲法観や歴史認識などでタカ派右翼として知られるが、とくに今年の共謀罪国会審議中には、“ポンコツ大臣”こと当時の金田勝年法相(比例東北)が答弁を逃げ、議場が紛糾するなか、民進党議員が対応を相談しているのを指して「いまのはテロ、テロ準備行為じゃないか」なる暴言ヤジを飛ばした。これぞ「政府に反対したらテロリスト」なる狂気の考え方の象徴であって、共謀罪の本質を表している。そもそもボスの安倍首相自身が加計問題報道をFacebookで「言論テロ」などと批判した漫画家の投稿に「いいね!」と同意。摘発を煽って言論を封じる、まさに安倍政権が目指すのが恐怖政治であることの証左だ。

●東京24区:萩生田光一 ☆☆☆

 “報道圧力野郎”のあだ名で知られる安倍首相の右腕。前回衆院選では、TBSがアベノミクスに対して批判的な街頭インタビューを報じたのをみて在京キー各局に恫喝文書を見舞った。加計問題をめぐっては、文科省が公開したメールや添付書類に、萩生田氏が「広域的に」「限り」という事実上の「京都産業大学外し」を内閣府に指示していたことが記されており、NHKがスクープした文部省の内部文書「10/21萩生田副長官ご発言概要」も明らかになった。ところが、こうした“萩生田文書”に言及する田原総一郎氏のインタビューを報じた『グッド!モーニング』(テレビ朝日)に対し、萩生田氏は強く抗議。3日後の放送で訂正謝罪させるなど、完全に屈服させたのだ。有権者は、こんなゴリゴリの言論弾圧を放置していていいのかよく考えるべきだろう。


●新潟3区:斎藤洋明 ☆

 2012年当選組の安倍チルドレン。全国的には無名に近いが、最近、とんでもないヘイト発言を放っている。斎藤氏は10月8日、地元での決起集会の場で北朝鮮問題について語ったのだが、そこでこんなことを言い出した。「日本にはすでにたくさんの北朝鮮のスパイが入り込んでいます。たとえば東京の都心の発電所は、おそらくテロでやられるでしょう。もしかしたら水源地に毒を投げ込むかもしれないので、北朝鮮で何か有事が起こったら、水道を飲まないでください」。これは、10月18日に放送されたネット番組『NO HATE TV』で、ジャーナリストの安田浩一氏が公開した音声の再現だ。つまり、斎藤氏は「北朝鮮のスパイが水源地に毒を投げ込むかもしれない」と、なんの確証もなく言っているのだが、これは関東大震災時に朝鮮人虐殺を引き起こしたデマとまったく同じ構造だ。ヘイトクライムを煽る政治家など論外である。


●福井1区:稲田朋美 ☆☆☆

 ご存知、安倍首相の覚えがめでたい“ネトウヨの姫”。その極右思想や発言の数々についてはいまさら言うまでもなく、今年は「サンデー毎日」(毎日新聞出版)が報じた在特会との蜜月関係を最高裁が認定するなど司法のお墨付きまで獲得。しかし本当に笑えないのが、この海外メディアからも一目を置かれる極右政治家が、あろうことか安倍首相の一存で防衛相になり、自衛隊員を生命の危険にさらす最悪の自体を引き起こしたこと。周知の通り、南スーダンPKO日報問題の背景には、政権による「駆けつけ警護」新任務付与のゴリ推しがあった。そして、流出した自衛隊幹部によるものとみられる手書きメモによれば、稲田氏は日報データの存在の報告を受けながら組織的隠蔽に加担し、虚偽答弁を行なった。メモ流出に関して、一部メディアはこのポンコツ防衛相に対する陸自の“クーデター”とまで表現したが、であればもうシビリアンコントロールは完全に不能状態。これは、勇ましく軍隊の復活を唱える政治家がその軍隊の暴走を抑えられないという、この国の悪夢の結末を示唆しているのだ。


●岐阜5区:古屋圭司 ☆☆

 国家公安委員長などを歴任。安倍首相とは成蹊大学の同窓で、タカ派右翼思想も完全に共鳴する仲だ。その古屋氏の発言でとりあげたいのが沖縄に対する差別意識むき出しのヘイトだ。4月16日、沖縄県うるま市で同日に告示された市長選挙の出陣式に参加し、そのことを自身のFacebookにこう投稿した。〈何でも反対、全く財源の裏付けのない無責任な公約や、空虚なキャッチで市民への詐欺行為にも等しい沖縄特有のいつもの戦術〉。「沖縄特有」などと言って問題を県民性に求めることはあきらかに沖縄ヘイトであり、到底許されるものではないが、逆に言えば、この安倍の盟友のヘイト発言は、沖縄を冷遇して差別し続ける政権の代弁である。


●静岡7区:城内実 ☆☆☆

 安倍首相の応援団的立ち位置で、第二次安倍内閣では外務副大臣を務めた城内氏。トンデモ発言を連発することで知られ、たとえば日本会議の機関誌「日本の息吹」では「人権擁護法案通しますか、それとも日本人やめますか」と書いている(08年4月号)。その「日本人」優越主義と人種差別意識はかなり根が深く、控えめに言って異常である。2012年、実質的安倍派である超党派議連・創生「日本」の会合で、城内氏はこう言い放った。「敵は反日日本人であります。“日本人になりすました日本人”と闘っていくことが、我々の使命ではないでしょうか。中国の人が急に話せばわかるようになったり、あるいは日本の技術を盗まなくなったら、それは中国の人ではありません。日本人になってしまいます。ですから、我々の当面の敵は日本にいる反日日本人と闘うことであります!」。もはや言葉もない。


●大阪14区:長尾敬 ☆☆☆

「文化芸術懇談会」での“言論弾圧3本の矢”の一人。「(沖縄メディアは)左翼勢力に乗っ取られている」などと言い放った。その日々の活動はネトウヨそのもの。〈報道しない自由という名の印象操作〉などと何度もツイートしメディアバッシングを扇動。虚偽かつ醜悪なレイシズムに基づいた「泉放送制作デマ」のフェイクニュースを〈拡散!情報戦です!〉と拡散。とくにひどいのが沖縄ヘイト。沖縄の新基地建設に反対する市民活動を〈反社会的行動〉と評し、〈オスプレイ反対運動の背景には、中国共産党が見え隠れします〉〈彼等は仕事として運動をしており、日当・交通費も支給されています〉〈沖縄へ視察に行きますと、こういう裁判で勝ち得た賠償金が、プロ市民の活動資金に流れているという話しを、聞かずに日程を終えることはありません〉と、これまたネトウヨの定番「日当デマ」を流しまくっている。本サイトの過去記事で検証してきたので繰りかえさないが、すべて悪質なデマだ。議員どころか社会人としても完全に失格である。

●兵庫7区:山田賢司 ☆

 2012年当選組の安倍チルドレン。14年8月に行われた自民党のヘイトスピーチ対策等に関する検討PT初会合での「国連に“チンコロ”しているのはどんな団体か。ネットで調べると、ほとんどが朝鮮総連など朝鮮系の団体だ」「右翼車両よりもむしろ左翼のほうがうるさい。取り締まりや、排除をすべきではないか」という妄想ヘイト発言で知っている人もいるだろう。もともと在特会元幹部が関係する講演会に出席するなど問題の人物だが、ほかにも山田氏は「文化芸術懇談会」の一員で、一昨年2月の国会で共産党の志位和夫委員長に対し「さすがテロ政党!」とのヤジを飛ばすなど、もはやネトウヨそのものである。


●奈良2区:高市早苗 ☆☆☆

 総務相を務めた高市氏。「先の戦争は侵略戦争ではなかった」「国会デモを取り締まれ」「福島原発で誰も死んでいない」などのウルトラタカ派発言で知られるが、ネオナチ団体の代表とツーショット写真の発覚や、「説得できない有権者は抹殺するべき」と指南する『ヒトラー選挙戦略』という “発禁本”に推薦文を寄せるなど、その見境のなさは飛び抜けたものがある。そして、あろうことか放送を管轄する総務相の立場で発した「電波停止」発言。この「国の命令で電波を止めることもありうる」というトンデモ発言には、さすがにジャーナリストたちが続々と反論。そのひとり、池上彰は朝日新聞の連載コラムで〈国が放送局に電波停止を命じることができる。まるで中国政府がやるようなことを平然と言ってのける大臣がいる。驚くべきことです。欧米の民主主義国なら、政権がひっくり返ってしまいかねない発言です〉と痛烈批判するほどだった。


●和歌山3区:二階俊博 ☆☆

 コワモテ幹事長。6月29日の都議選応援演説で北朝鮮を「きちがいみたいな国」と言って物議を醸したのは記憶に新しい。中国との太いパイプを持つため、ネトウヨからはかなり嫌われているが、同月30日の演説では「マスコミの人たちが選挙を左右すると思ったら大間違いだ。マスコミが偉いと言ったって限度がある」と露骨な圧力をしかけた。しかも領袖を務める志帥会は清和会に負けず劣らず問題議員を次々に送り込んだ。東日本大震災での「自主避難者」への支援打ち切りについて「自己責任」「裁判でも何でもやればいい」と被災地差別発言を繰り出し、追及したジャーナリストを「出て行きなさい!」と恫喝して更迭された今村雅弘前復興相(比例九州)もそうだ。野放しにしてよい政治家ではない。


●岡山5区:加藤勝信 ☆

 安倍内閣で一億総活躍相と厚労相を歴任した加藤氏。加藤氏の閣僚起用は、もともと安倍首相の“お友だち人事”といわれてきたが、加計問題でも加藤氏の後援会の幹事にあの加計孝太郎理事長が名前を連ねていたことが判明するなど懇ろな様子。そんな加藤氏は例の「文化芸術懇話会」を発足させた張本人であるが、一方で持ち前の悪知恵を働かし、日本を少しずつ安倍首相の思う方向へ近づけようと策略を練っている。たとえば04年、憲法改正の自民党PT会合で加藤氏は「家族・コミュニティに奉仕をする延長線上のなかに国に対する奉仕も位置づけたほうがなじみやすい」と提言。つまり“国民を国家に奉仕させるために、まず「家族」を使ってごまかせ”と言っているのだ。国民はむき出しの極右だけでなく、こうした隠れ極右の存在にも注意せねばなるまい。


●山口4区:安倍晋三

 もはやいちいちディテールを語る気さえ失せた。この国にいま起きている戦前回帰、弱者差別、反民主主義の動きをつくりだした元凶。最大の国難とはまさにこの男のことである。


●香川1区:平井卓也 ☆

 元電通社員という経歴を生かし、世耕弘成経産相とともに自民党のネット戦略を牽引。J-NSCの元親玉で、2013年に行われたニコニコ生放送の党首討論会では福島瑞穂氏の発言中に「黙れ、ばばあ!」と書き込んだことが発覚したこともある。人としてNGだ。近年のネトウヨと自民党のべったりぶりを考えると、これだけでウヨミシュラン入りするにふさわしいが、今年は国会でも前川前次官に対し「文書を流出させたのは前川さんか?」「自分ではないと答えられないのか」などと責め立てるなど、公益通報者の保護の意味をまったく理解していないネトウヨ脳を見せつけた。今後もその動向に注視する必要がある。


●福岡1区:井上貴博 ☆☆

「文化芸術懇談会」での“言論弾圧3本の矢”の一人。「スポンサーにならないということが一番(マスコミは)こたえる」という発言には唖然とさせられる。しかも他の2名(大西氏と長尾氏)が濃すぎて忘れられがちだが、井上氏も元愛人へのDVが発覚。「週刊新潮」(新潮社)での元愛人による告発によれば、愛人関係が妻にバレた井上氏は、元愛人を平手で殴ったのだという。しかも2人はその後も別れず密かに不倫関係を続けたが、暴力はエスカレート。元愛人は「あるときなんかは、殴られたあと顔を踏みつけられもしました」と証言している。言論弾圧の卑劣さのみならず、女性をモノとしか見ていない最低の男である。

●福岡5区:原田義昭 ☆

 原田氏といえば、一昨年、「南京大虐殺」に関する資料のユネスコ世界記憶遺産登録をめぐり、自民党「国際情報検討委員会」委員長としてこう発言。「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている時にもかかわらず、(中国が)申請しようとするのは承服できない」。南京事件は第一次安倍政権での日中共同研究でも事実と認められたものであるにもかかわらず、それを180度翻して「存在自体を否定」と言うところがまさに安倍政権の歴史修正主義を象徴している。そして今年、アメリカはユネスコを脱退して孤立化を深め、日本政府も分担金支払いを保留。安倍外交がいかに国益を損なうか、有権者はよく考えなくてはいけない。


●福岡8区 麻生太郎 ☆☆☆

 極右思想もさることながら、“暴言のデパート”と呼ぶべきだろう。1983年には「女性に参政権を与えたのは失敗だった」。2007年には国内外の米価を比較して「アルツハイマーの人でもわかる」。2013年には「憲法はある日気づいたらワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」。2014年には社会保障費の増加について「子どもを産まないのが問題だ」。そして今年8月には「結果が大事なんですよ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくてもダメなんですよ、それじゃあ」。さらに9月には「武装難民かもしれない。警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか」。そして、昨日20日も「日本海側にいったらもっと真剣だ。それは難民が流れ着くかもしれないから。武装している難民かもしれない。そのなかに武器を持っているテロリストがいるかもしれない。パリを見ろと。みんな難民から入ってきてテロになった。パリであった銃殺・殺人事件はまさにそういった形と同じだ。それが朝鮮半島から流れ着いてくる(かもしれない)、日本海側に」……。


●熊本1区:木原稔 ☆☆

 例の「文化芸術懇談会」代表の木原氏は、やはり言論弾圧の危険な臭いをプンプンさせている。たとえば昨年7月、自民党が“「子供たちを戦場に送るな」と主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾し、HPにそのような学校や教員の情報を投稿できる“密告フォーム”を設置していたことが判明。これを実施し、Twitter上で宣伝していたのが自民党文部科学部会長の木原氏だ。さらにその後、木原氏は“密告フォーム”に寄せられた情報は「公選法違反は警察が扱う問題」であるなどとして、一部を警察当局に提供する考えまで示した。自民党はいま、「子どもを戦場に送るな」という当たり前の言葉さえ取り締まろうとしている。お父さん、お母さんたちには、あらためてこうした政治家・政党に票を入れるべきなのか考えてほしい。


●比例中国:杉田水脈 ☆☆☆

 まさかこの人を自民が擁立するとは……。9条改憲、愛国教育推進、歴史修正主義、男尊女卑、ヘイト肯定というバリバリの極右レイシストの杉田氏。14年の国会での「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」との暴言はあまりにも有名。他にも待機児童問題を“コミンテルン陰謀論”にすり替えるなどウルトラCも得意。在特会関連団体とも昵懇の関係だが、前回衆院選時の街頭演説では「私はヘイトスピーチは日本には存在しないと思っています」「だからヘイトスピーチの法案については特に必要ない」などとがなりたてた。さらにはある対談で、慰安婦問題を象徴する少女像について「アメリカもそうですが、慰安婦像を何個建ててもそこが爆破されるとなったら、もうそれ以上、建てようとは思わない。建つたびに、一つひとつ爆破すればいい」などと爆破テロまで扇動。クラクラしてくるが、しかも安倍首相が「杉田さんは素晴らしい!」と言って熱心に自民党に誘ったというのだから、本当に世も末である。

……………………………………
 以上30人の極右衆院候補を紹介したウヨミシュラン。いかがだったろうか。あまりのグロテスクさに戦慄を覚えた読者も多いのではないか。しかし、もっと恐ろしいのはここにあげた候補者の多くが国会議員になり、この国の政治を動かす権力を握ってしまうという事実だろう。しかし、繰り返すが、その動きを止めるチャンスはまだある。あきらめずに、民主主義を壊す動きに徹底してNOを突きつけていく必要がある。

最終更新:2017.10.22 01:27

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