週刊誌・実話誌に関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ
東国原英夫が“ハニートラップ”よばわりの文春記者に「胸がはだけてた」と…週刊誌の女性記者たちが「侮辱だ」と怒りの声
文春に紙面で逆襲されたが…(東京コラボ『東国原流人生相談 あなたの悩みをどげんかせんといかん』より)
“ハニートラップ評論家”東国原英夫が、調子に乗ってまた「週刊文春」(文藝春秋)にかみついた。
「前々回に出た番組で文春の記者自らがハニートラップを仕掛けてきたと言いました。それで、その後に、僕の携帯にその記者から、もしかしたら、あなたが番組でおっしゃったのは私のことですかって来たんです」
昨日、放送された『バイキング』(フジテレビ系)でこう切り出した東国原。どうやら、ハニートラップよばわりした相手の「週刊文春」の女性記者から直接、抗議と取材を受けたらしい。それがよほど腹に据えかねたようで、東国原は「説明責任がある」と大見得をきって、同番組で10分ほど延々と「週刊文春」への反論を述べたのだった。
しかし結論からいうと、その中身は悪あがき、嘘の上塗りとしかいいようのないものだった。
まずコトの経緯を簡単に振り返ろう。東国原がハニートラップについて語り始めたのは、宮崎謙介元衆議院議員の不倫問題がきっかけだった。2月5日放送の『バイキング』に出演した彼は、「宮崎元議員はハニートラップにかけられたのではないか」という話題が上がると、かつての自身の体験を振り返りながら、「文春は自社の女性記者がハニートラップを仕掛けてくる」と体験談を語ったのである。
だが、先日、リテラでもお伝えしたようにこれは真っ赤な嘘だった。彼が文春からハニートラップを仕掛けられたと指摘したのは、おそらく12年9月20日号掲載の「東国原は知事時代県職員含む20人以上と肉体関係に!」という記事だと思われる。タイトルからもわかるように、宮崎県知事在任中から東国原がいかに女癖が悪いかを指摘した記事だったが、その中に、文春女性記者のナンパ体験談が掲載されていたのだ。
「『君たち何してるの? 今から飲みに行く? どこ行くの?』と誘われました。慌てて周りにいた秘書みたいな人たちが『車に乗って下さい』と促したけど、東国原さんはぜんぜん言うこと聞かず、胸の開いた服を着ていた巨乳の友達の胸元を見るや『よよっ』と言っていました。そのまま胸をじっと見つめてから、嬉しそうに『にゃあーにゃあー』って、その胸に向かって猫の鳴き真似をしたんです」
東国原は明らかにこのときの文春記者が「ハニートラップ」を仕掛けてきたと言っているのだが(実際、これ以外に文春の女性記者が関与した東国原の記事は存在しない)、しかし、これ、ハニートラップでもなんでもなかった。女性記者はプライベートで友人と飲もうとタクシーで目黒区のバーに向かい、バーの向かいでタクシーから降りたところ、偶然、東国原に遭遇。「あ、東国原さんだ」と友人と話していると、東国原が近づいてきたのである。しかも、東国原がセクハラナンパしてきたのは、文春の記者でなく、友人の女性だった。
また、このセクハラナンパは裁判所にも事実認定されていた。東国原は文春の記事を「事実無根」と名誉毀損で東京地裁に民事提訴。知事時代の女性関係の記述などは事実として認められず、東国原が勝訴するのだが、この文春記者へのナンパの記述については、法廷でその女性記者が詳細なやりとりを証言。裁判所から「記事の真実性」が認められたのである。
「おそらく東国原さんはこのときの女性記者の証言と判決に相当、頭にきていたんでしょうね。ずっと根に持っていて、宮崎議員の不倫問題が起きた機会に蒸し返したんじゃないでしょうか」(週刊誌記者)
しかし、こんな根拠のない話をテレビでされて、コワモテ文春が黙っているはずもない。さっそく、放送の翌週、2月25日号で「東国原英夫ハニートラップ発言に本誌女性記者が大反論」という記事を掲載。当日のナンパの経緯を詳細に説明した後、この女性記者が東国原氏に抗議をかねた直撃取材した際のこんなやりとりを公開した。
〈──「文春の記者は自らハニートラップを仕掛けてくる」とはどういうことか?
「そういうことですよ」
──いったいなんのお話をされているんですか?
「いや、それについて具体的な話をする必要も義務もありません。私の認識を漏らしているだけであって」
──あの裁判のことを話した上で(略)ハニートラップかけてくる、と。私のことを指していると聞こえる。
「被害妄想でしょう。名前も出しておりませんし、あなたのね」
──では、文春の別の記者のことをおっしゃっているんですか?
「いや、それは漠然としていますね。それは僕がここで答える必要はない。あなたがもし提訴するんだったらそこで答えますよ」〉
嘘を追及されてタジタジ、逃げの一手という感じだが、昨日の『バイキング』ではそれが一転。やけに強気で、まるで自分が言いがかりをつけられた被害者であるかのように持論をぶちはじめた。
もっとも、その中身はやっぱり詭弁と逃げとごまかしだらけだった。たとえば、東国原はこんな言い訳をする。
「まず、僕は『バイキング』の放送で、相手を特定しておりません。『文春の女性記者』としか言ってないし、何年何月のどの事案かも言ってません。つまり、固定化してないんですよ、特定化しておりません」という。
確かに、先日の『バイキング』では、くだんの記事のことだと特定できるような発言はしていない。だが、東国原は10日放送の『白熱ライブビビット』(TBS系)にて、この記事をめぐる裁判に勝訴したことに触れたうえで「文春の記者、契約記者の女性が本当にハニートラップの当事者として来ますからね!」と語っているのだ。しかも、文春に女性の契約記者は2名しかおらず、どう言い逃れしても、この女性記者を指しているのは明らかなのだ。
東国原は「特定してないから名誉毀損は成立しない」といったようなこともグダグダと解説していたが、これも、ハニートラップでもなんでもなかったものをハニートラップと嘘をついたことをごまかすために、話をすりかえているにすぎない。
さらに、笑ったのは「女性記者の友人の胸をじっと見つめてから、嬉しそうに『にゃあーにゃあー』って、その胸に向かって猫の鳴き真似をした」という証言への反論だ。東国原は『バイキング』でこう語っていた。
「楽しく、ファニーに面白おかしく、『キャー』とか返してたんですよ。『キャー』って来たから、俺も『キャー』って返したんですね。それで、その時僕のなかで猫ひろしの『ニャー』っていうのが自分のなかのマイブームだったんです。当時ね。んで、『ニャーニャーニャー』とか言ってたんですよ」
なぜ2012年に猫ひろしのモノマネ?と突っ込みたくなるが、ようするに、猫の鳴き真似だろうが、猫ひろしだろうが、巨乳に向かって「ニャーニャーニャー」言ってたのは事実だったというわけだ。
あげくは「そのお二人の、なんか胸がはだけてるんですよ、その女性が一方の方が」という発言までしている。
これは「ミニスカートをはいた女性は夜道でレイプされても仕方がない」などと語る極右オヤジとまったく同じ、女性差別丸出しのセリフではないか。まったく、こんな人物がつい数年前まで県知事をつとめ、政界再編のキーマンになろうとしていたのだから、どうしようもない。
もっとも、こんな醜態をさらしても、東国原自身は“ハニートラップ評論家”の肩書きを手放すつもりはないらしい。番組の最後には「週刊文春の女性記者様、もしよろしかったら公開討論しませんか。この番組にお越しください」と宣戦布告するなど、まだまだこの話題を引っ張る気満々の姿勢を見せた。
「東国原さんは最近、政界からも相手にされず、かといって、タレントとしてもパッとしない。そんな中で、久しぶりに“ハニートラップ評論家”として脚光を浴びたわけですからね。とにかくうれしくてしようがないし、しばらくはこれでメシを食おうと思っているんでしょう」(テレビ局関係者)
しかし、週刊誌をなめてはいけない。実は「週刊文春」は相当に怒っているらしく、東国原と『バイキング』を法的手段に訴えることも本気で検討しているとの情報もある。また、東国原の「ハニートラップ発言」については、文春の記者だけでなく、他誌の女性記者たちもこぞって「あの発言は女性に対する侮辱だ」と怒りの声をあげているらしい。
東国原サンも調子に乗ってると、そのうち、週刊誌に決定的なスキャンダルを暴かれ、タレント生命も政界復帰の可能性も一気に失う、なんてことになりかねないのでは……。
(編集部)
最終更新:2016.02.27 09:07
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