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拒食症説も出る神田沙也加“激やせ”騒動 背景に母・松田聖子との歪な親子関係?
左・神田沙也加オフィシャルブログより/右・松田聖子オフィシャルサイトより
神田沙也加の激やせが話題になっている。4月6日、沙也加がインスタグラムに自身の近影を投稿したのだが、その姿があまりにもガリガリに痩せていたため、一部の週刊誌やネットで「拒食症なんじゃないか」「摂食障害の可能性もある」と報じられたのだ。
一方、沙也加はこうした噂を懸命に打ち消そうとしているようだ。沙也加のブログといえば、それまでファッションや仕事の内容が主だったのが、激やせ報道以降、内容が一転、健康であることや食事をきちんとしていることをアピール。さらに2月5日に放映された『櫻井有吉アブナイ夜会』(TBS系)で沙也加の1日を密着するという企画があったが、そこで沙也加はとにかく、しょっちゅう何かを食べ、「食いしん坊」アピールを展開した。
しかし、これが逆に疑惑に拍車をかけた。「ダイエットで痩せたなら普通にそういうはず。必死で否定しているのは何か理由があるんじゃ…」「激やせなのに過食って、食べるとすぐ嘔吐する『過食嘔吐』なのでは?」との声まであがりはじめた。
もちろん、これだけで沙也加が摂食障害かどうかを断定することはできないだろう。激やせはたんに、『アナと雪の女王』以降のはじめてのハードスケジュールで疲れが出ただけ、という可能性もある。
ただ、これまでの沙也加の生い立ちを考えると、少し心配になるのも事実だ。というのも、摂食障害は家族、特に母親との関係不全が原因の一つと指摘されているからだ。
実際、芸能人でも、母親との関係から摂食障害におちいったケースは少なくない。女優の遠野なぎこ、フィギアスケートの鈴木明子、アナウンサーの小島慶子も母親との確執やその結果の摂食障害を告白して大きな話題となったし、宮沢りえの激やせ時も、母親との関係が原因で摂食障害ではないかと報じられた。
そして、沙也加もまた、母親の松田聖子とはかなり複雑な関係にある。
聖子は郷ひろみとの破局直後の1985年、神田正輝と結婚。そして翌年に沙也加を出産している。しかし、沙也加の幼少期、国民的アイドルとして君臨していた聖子は、コンサートツアーやアメリカ進出などで多忙を極めた。その間、沙也加は祖母によって育てられたといってもよく、現在でも大のおばあちゃん子だという。
そして、沙也加が11歳だった97年に聖子は神田と離婚。沙也加は母親に育てられることになる。しかし聖子はその翌年には早々に年下の歯科医と“ビビビ再婚”した。さらにこの歯科医とも3年後の2000年に破局してしまうが、その後も母である聖子は何人もの男性と浮き名を流し、暴露本を出版されたりセクハラで訴えられることもあった。
さらに12年に聖子は歯科医と再々婚したがこれが妻子ある男性との略奪婚だった。多くのマスコミがこれを大々的に報じた。しかも聖子には再々婚した夫とは別の男性の影があった。それが元整体師でありマネージャーでもある男性だった。再々婚した聖子だが、しかしマネージャーとの親密ぶりが度々報じられ、その後、沙也加も所属する個人事務所をこのマネージャーとともに飛び出してしまう。
母親の恋愛相手がコロコロ変わり、常に周りから好奇の目で見られてきた過去。聖子の再婚やアメリカ進出などにふり回され、転校を繰り返し、壮絶なイジメに遭ったことや不登校になったことを、沙也加は自著で告白している。しかも、報道によれば、松田聖子は娘に対してかなり支配的な母親だったようだ。仕事にも恋愛にも口出しをしてきたらしい。実際、これまで沙也加がつきあった何人かの男性については、聖子が「あなたにふさわしくない」とその交際に反対し、いずれも破局させている。
また聖子は自身のファンミーティングに沙也加を登場させたり、01年の紅白歌合戦には母娘で「上を向いて歩こう」のデュエットを披露するなど、娘を自分の売り出しに利用していたフシもある。
こうしたことが沙也加の精神状態を不安定にしていた可能性は否めないだろう。
女性の摂食障害と母娘関係に迫ったルポ『「食べない心」と「吐く心」摂食障害から立ち直る女性たち』(小野瀬健人/主婦と生活社)によると、摂食障害は家族関係による「心の傷」から発しているという。
「摂食障害を発症する人は、発症する何年も前から意識的に、特には無意識に親の愛情を疑っています。親の深い愛情を望みながら、同時に親を激しく憎んでいることもあります」
愛情と食事は深い関係にあるという。例えば過食は叶えられない愛情を食べることで満たす行為であり、過食嘔吐の女性が母親の前でわざとガツガツ食べて、その愛情を確かめようとすることすらある。
「愛情が欲しい」。摂食障害はその究極の表現だと著者は指摘する。
「親の愛情を望んで、望んで、望みながら待ち続けて、それでもやっぱりもう期待するのは無理のようだとなったとき、あきらめきれないまま心が拗ねてしまう、それが摂食障害だと考えてください。
『私はお母さんが好き、でもお母さんは私を好きじゃないかもしれない。きっとそうだ』」
本書では摂食障害を発症した武田祐子さん(32歳)の例が紹介されている。祐子さんの家庭は、幼児期からサラリーマンの父が深酒を繰り返し、それを母が叱責するなど夫婦喧嘩が絶えない環境だった。学歴や年齢が上だった母が家庭内で主導権を取り、父は嫌なことがあると酒やパチンコに逃げる。そのためさらに母が父を叱りつけるということの繰り返し。幼い祐子さんは家族が破綻するのではないかと不安を募らせ続けたという。そして母は世間体を気にするタイプで、しつけや勉強にも厳しかった。祐子さんは母から見捨てられるのを極端に恐れた。母から嫌われている父のようにはなりたくなかった。
「母に見放されないようにと頑張るうちに、いつの間にか祐子さん自身も成績がトップクラスでなければ自分ではない、と感じるようになった」
何でも母の言うことを聞く“良い子”。難関大学にも合格し就職もしたが、しかしそれでも自分を認めようとしない、褒めてくれない母に対し「愛されていないのではないか」と不安にさいなまれ、拒食症になってしまったのだ。
「拒食症の人の両親は必ずしも夫婦喧嘩をするとは限りませんが、夫婦仲に溝があることが多いようです。それも母親が父親より優位に立っているように向けられます」
もともと家族に備わっているはずの機能が果たされなくなった「機能不全家族」や「母娘関係の歪み」と摂食障害の関係。また摂食障害家族と長年関わってきた医師による『家族への希望と哀しみ 摂食障害とアルコール依存症の経験』(大河原昌夫/思想の科学社)でも家族と摂食障害についてこう記されている。
「家庭内に『そこには触れない』タブーが存在することもある。(略)突然亡くなった祖父の自殺かもしれないし、あの日の母の不倫かも知れない。家族全員が事件の存在を知ってはいるが、誰がどこまで知っているのかはお互いの秘密であり、封印されている」
さらに機能不全の家庭のなかで、子どもは家族の機嫌を伺い、親に気を遣うものだという。
「本人がおばあちゃん子であり、その姑と母の仲が悪ければ、子どもが葛藤を引き起こすのは当然です。たとえ、少しばかり気が合わない母と感じていても、子どもにとって母はひとつの『絶対』であり、祖母の味方をして母の機嫌を損ねるのは恐ろしい。母の機嫌を見ながら自分の行動を決めることを学んでいきます」
こうして見ると、たしかに沙也加、そして聖子の家庭に当てはまることは多い。ただ、沙也加の激やせは精神を病んでいるというより、ある種の親離れの表れだという見方もある。
沙也加の激やせを報じた「女性自身」(光文社)5月5日号では、精神科医の香山リカが沙也加と聖子の関係についてこんな指摘をしている。
「沙也加さんはゴシックロリータ・ファッションを愛好していますが、そういった人には、“成熟を拒否したい”という心理があり、複雑な母娘関係の影響を受けているケースがあります。(略)沙也加さんがダイエットに励んでいるとすれば、“まずは容姿で母を超えたい”という気持ちの表れかもしれません」
沙也加は『アナ雪』での成功、そして共演者である松たか子への傾倒、バンド活動や恋人との同棲、バラエティでの活躍などでようやく母親の呪縛から逃れ、解放されつつあるように見える。
実際、聖子と沙也加は現在、断絶状態とも伝えられる。沙也加が今年1月に出版した自著のなかでも、聖子については一切触れていない。最近でも4月17、18日に行われた聖子のファンミーティングではその内容をSNSで書くことすら禁じたうえ、まるで沙也加の存在をタブー扱いするような空気さえあったという。
こうして見ると今回の“激やせ”は沙也加にとって母親からの呪縛を超える、最後の心の葛藤の表れかもしれない。もちろん親子関係は外からは伺い知れない複雑なものがあるだろう。だがその大きな試練を見事乗り切って、1人のアーティスト“沙也加”としてさらなる活躍を期待したい。
(林グンマ)
最終更新:2015.05.07 11:17
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