安倍首相が「官房機密費あるから、いくらでも出す」…馳浩の五輪招致買収工作発言で改めて注目される「官房機密費」の不正な使われ方

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政治の私物化を極めた安倍首相 官房機密費をめぐっても疑惑の数々…選挙対策、メディア工作

 ここで忘れてはならないのは、官房機密費の使途を命じるのは安倍首相だった、という点だ。三木武夫内閣で官房副長官経験があり、1989年に総理となった海部俊樹・元首相は、官房機密費について、こんな証言をおこなっている。

「何に使うかは、総理大臣の自由ですから、官房長官や官房副長官を使いにして各所へ配ったり、あるいは党から『資金が底をついた』と言って取りにくることもありました。そんなときは、『帰りに官房長官のとこへ寄って出してもらっていけ』と伝えるわけです」(「文藝春秋」2011年3月号)

 国民の税金が原資となっている公金なのに、「官房長官のとこへ寄って出してもらっていけ」という軽さで支出されているという事実。これは、馳知事が語った安倍首相の「カネはいくらでも出す。官房機密費もあるから」という台詞と相通じるものだ。森友・加計や「桜を見る会」問題など「政治の私物化」を極めた安倍首相の言動を考えれば、官房機密費を自身の権力維持のため、私物のように湯水のごとく使ったであろうことは想像に難くない。

 公正であるべき選挙やジャーナリズムといった民主主義の根幹を切り崩してきた「権力の裏金」である官房機密費。この金が、安倍首相にとって政権浮揚の道具だった東京五輪招致にも流れたのか。馳知事の「発言撤回」で、この問題を終わらせるわけにはいかないだろう。

最終更新:2023.11.19 11:20

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