吉村知事の大阪府は「時短協力金」支給も大幅遅れでダントツ最下位! 原因は民間業者への丸投げ、維新の民営化が府民の生命奪う

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大阪は協力金支給業務を民間に丸投げ、対応する府職員は2、3人、その結果が…

 しかも、問題なのは、大阪の大幅な支給遅れの原因だ。前述の朝日の記事も指摘していたが、大阪がこんな状態になったのは、大阪がこの協力金の支給作業を民間企業に一括委託していたことが大きい。

 もちろん、他府県も支給の事務手続きなどを民間業者に委託している。しかし、その委託は部分的なもので、たとえば、東京都の場合は、協力金の事務作業に民間委託業者が300人動員されているが、都職員も同じ300人を動員している。

 ところが、大阪の場合はほとんど丸投げ。朝日記事による、対応する府職員は「3月末まで2、3人」にすぎなかった。そして、「判断に迷う事案が多く発生した」ものの、判断できる府職員がほとんどいないため、支給がどんどん滞っていったのだという。

 そういう意味では、この大阪府民を追い詰める協力金の支給遅れは、橋下徹時代から吉村体制に至る維新政治の行政合理化・民営化路線がもたらしたものといっていいだろう。

 いや、民営化が大阪府民にもたらした災禍は協力金や給付金の支給遅れだけではない。大阪がコロナで全国最多の死者を出しているのも、その大元には、橋下時代からの民営化路線がある。

 維新政治が公的な医療を削りに削った結果、コロナ対応に投入できる医師や看護師の数が減り、入院すべき人も入院できなくなるという医療崩壊に陥り、助かる命も助からなくなっているのだ。

 最近、橋下氏が府知事時代、公立病院の医師、看護師を半減させたことを批判したツイートに対して、投稿者の一般人を晒すかたちで〈公立病院だけでなく大阪全体の医療を見て下さい。人員総数は増えています。公立病院の独立行政法人化を勉強して下さい。公務員の身分がはずれるだけで人数自体が減るわけではありません。〉などと反論していたが、こんなものは何の反論にもなっていない。

 公立病院の医師・看護師が半分になった背景には、たしかに橋下氏が推し進めた独立行政法人化があるが、それこそが問題なのだ。

 公立病院が独立行政法人なってしまうと、独自に採算を確保しなければいけなくなるため、人員や設備を削減し、医療体制はどんどん脆弱化する。しかも、橋下氏や吉村知事は年々運営負担金を減らして、その脆弱化に拍車をかけてきた。実際、2017年には独立行政法人府立病院機構の大阪母子医療センターが新生児を搬送する専用の保育器の購入資金をクラウドファンディングで募らざるをえなくなるという事態も起きた。

 しかも、橋下氏や維新がやった医療切り捨ては公立病院の独立行政法人化だけではない。2018年4月には、関西最大の看護専門学校で、公立病院や公的病院に多くの人材を輩出してきた「大阪府医師会看護専門学校」が、〈大阪府・大阪市の財政再建を名目に、一方的に補助金が打ち切られ〉(「府医ニュース」2018年4月4日)、2019年度募集をもって閉校に追い込まれた。

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