芸術支援を不要と攻撃する百田尚樹と対照的! 女優・橋本愛が「私は映画に命を助けてもらった」「文化・芸術は最後の砦」

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ドイツのモニカ・グリュッタース文化相とも共通する橋本愛の深い言葉

 文化・芸術は、医療にも救うことのできなかった人をときに救うことがある。その切実な思いから、橋本は映画の作り手の一人として、観客とミニシアターを守りたいと訴える。

「私たちは作り手として、そこに訪れてきた人たちを、全力で守らなければいけないと思っています。
いま、私のような人が行き場を失っているのではないかと思うと、いても立ってもいられません。ミニシアターがなくなるということは、人の尊い命がなくなるということに等しいと思っています。そしてそれが、この世界の死を意味するということも。」

 そして最後、観客含めミニシアターに関わるすべての人に向け、こう呼びかけた。

「絶対に生きて、生きて、生きて、生きて、また、ミニシアターで会いましょう。」

 いかがだろうか。橋本の言葉からは、文化・芸術が社会のなかではたす役割に対する認識、作り手として自らが映画というカルチャーを担う一人であるという責任感、受け手や裏方含め映画というカルチャー・コミュニティすべてに対する愛情がひしひしと伝わってくる。

 そして、「ミニシアターがなくなることは人の命がなくなることに等しく、世界の死を意味する」という言葉。これは、ミニシアターや映画だけではなく、音楽や小説、マンガにも置き換えられる。橋本は「死んだ心を生き返らせることができる」「全てに光を見出せなかった人の最後の砦」が芸術や文化であることを、自身の体験と実感をもって訴えたのである。

 ドイツでは、アーティストやクリエイター、カルチャーに関わる中小企業、フリーランスに対して500億ユーロという世界でも随一の大規模支援を打ち出した際、モニカ・グリュッタース文化相が「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。とくに今は」と発言。世界から賞賛を集めた。今回の橋本の言葉はまさにそれに通じるものといえるだろう。

 しかし、日本ではいまも、文化事業への補償は「不要不急」として放置され、支援を求める声にも下劣な攻撃の言葉が浴びせられているのが現実だ。そして、百田のような〈作家みたいな職業は生きるか死ぬかの時代には必要ない〉という浅薄な言葉が平気で流通している。

 若き人気女優の文化・芸術への深い理解に根ざしたこの言葉がひとりでもおおくの国民に届き、この貧しい状況を変える一歩になることを願ってやまない。

最終更新:2020.05.16 01:49

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