安倍首相が玉城デニー知事に沖縄無視・辺野古続行をあらためて宣言! 小林節は「県民投票には憲法上の拘束力ある」と指摘

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沖縄県ホームページより


「直接示された民意は何より重く、尊重されなければならない」
「いままさに、日本政府の民主主義が問われている」

 辺野古新基地建設について7割超が「反対」という民意を示した県民投票の結果を通知するため、本日、玉城デニー沖縄県知事が首相官邸で安倍首相と面会し、このように突きつけた。

 しかし、安倍首相の回答は、県民投票をまったく無視した冷酷なものだった。

「結果を真摯に受け止め、基地負担の軽減に全力を尽くしていきたい」
「(普天間飛行場の)危険な状況を置き去りにするわけにはいかない。もはや、先送りできない」

 玉城知事は安倍首相との面会のあと、外国人特派員協会でおこなわれた会見において、「安倍総理からポジティブな意見はなかった」と語った。

 辺野古埋め立ての賛否を問うシングルイシューの県民投票によって明確に示された民意を「真摯」に受け止めるのであれば、辺野古での工事をまずは即刻中断、断念し、その上で普天間の県外・国外移設など別の案を政府として検討、沖縄県に提案するのが筋であり、それではじめて「真摯」と言える。

 それがどうだ。結局、安倍首相は県民投票前から言いつづけている「普天間の危険除去」を理由にして、工事続行を正当化するだけ。だが、辺野古に新基地ができてもそれだけでは普天間は返還されない上、水深90メートルにも達する軟弱地盤に約7万7000本もの杭を打つという、世界的にも例がないとされる途方もない地盤改良工事について、その工期も工費もあきらかにされてはない。

 にもかかわらず、政府は県民投票の翌日も辺野古の海に土砂を投入し、軟弱地盤がある大浦湾側でも護岸工事をおこない、さらに警察は抗議する市民たちを強制排除するという暴挙に出た。これこそが、沖縄県民の民意に対する、安倍首相の答えなのだ。

 しかも、耳を疑ったのは、岩屋毅防衛相の発言だ。2月26日におこなわれた閣議後会見で、岩屋防衛相は安倍首相と同じ主張を繰り返した上、こう言い放ったのである。

「沖縄には沖縄の民主主義があり、国には国の民主主義がある」

 民主主義に則って実施された県民投票によって沖縄が示した結果に対し、「国の民主主義は違う」と切り捨てる──。この発言は「沖縄」と「本土」の分断をはかるだけでなく、この「国」の民主主義というのは主権者たる国民の声を政府は無視して勝手にできる、と言っているようなものではないか。

 それだけではない。安倍首相は「真摯に受け止める」と言って憚らないが、安倍首相の意向に沿った報道に終始する政権に近いメディアは、見事に県民投票の結果を矮小化。NHKは“「反対」は全有権者の約37%しかない”と印象操作するような付ける報道をおこない、読売新聞は「投票率52% 広がり欠く」「『反対』最多 影響は限定的」と見出しを立てた。

 もっと露骨だったのは、フジテレビ解説委員・平井文夫氏の主張だ。平井解説委員は「FNNプライムオンライン」において〈(「反対」票を投じたのは)全有権者の中の割合を見ると38%、4割弱に過ぎない〉〈投票に行かなかった54万人を巧妙に無視している〉などと主張。「投票結果報道はフェイクニュース」「トリックに騙されるな」と無茶苦茶な論理を展開したのだ。

 こうした意見はネット上でもネトウヨが振りかざしているものだが、その論でいえば、安倍政権こそ“トリックを利用したフェイク政権”ということになるではないか。実際、憲法学者の小林節・慶應義塾大学名誉教授はこう反論している。

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