勤労統計データ不正で揺れるなか、厚労省元事務次官の村木厚子氏がNHKで「何かの圧力がかかった」と発言

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『あさイチ』でデータ不正について語った村木氏(番組HPより)


 厚生労働省による「毎月勤労統計」の“データ不正”に対する国民の怒りが広がっている。朝日新聞の世論調査では、この不正を「大きな問題」と捉える国民は82%にものぼった。

 当然だろう。厚労省では昨年、「裁量労働制」をめぐってもデータ隠しやデータ捏造が発覚、大きな批判を浴びながら頬被りしたばかりだが、今回は、嘘のデータを公表したというだけではない。2004年から全数調査が必要な従業員500人以上の東京都の調査対象事業所の3分の1しか調べていなかったことが判明。実際よりも統計結果の賃金が低くなり、算定される雇用保険や労災保険、育児休業給付などの対象者、2000万人以上が過少給付されていたことが判明してしまったのだ。さらに、補正給付に必要な2004年から2011年分の基礎資料が紛失、廃棄されていたことも判明。こうした事態を受け、政府は2019年度予算案の閣議決定をやり直すという異例の対応をとらざるをえなくなった。

 そんななか、元厚生労働省の幹部が気になる発言をした。20日放送の『あさイチ』(NHK)プレミアムトークに、元厚生労働省事務次官の村木厚子氏が出演。視聴者からこの「毎月勤労統計」の不正はじめ役所のデータ改ざんや隠蔽、不祥事についてのメール質問に対し、こんなことを語ったのだ。

「悪いことをしたいって思ってやっている公務員って、私は少ないんじゃないかと思っているんですね。何かの圧力がかかったり、あるいは何かの歪みがおきていて、そういうことをやっている」

 村木氏といえば厚労省課長時代の2009年、実態のない障害者団体「凛の会」に対し郵便料金を安くするための証明書を不正に発行したとして虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で逮捕されるも、のちに冤罪が証明されたことで大きな注目を浴びた元官僚だ。また事件をめぐっては大阪地検特捜部が証拠改竄をおこなっていたことも発覚、主任検事ら3人が逮捕されるという異例な不祥事まで起こっている。

 そんな村木氏が、毎月勤労統計の不正を含む役所のデータ改ざんや隠蔽について、役人の問題だけでなく、“何らかの圧力”“歪み”があった可能性を示唆したのだ。

 実際、毎月勤労統計をめぐる不正はたんにミスを長年、隠蔽してきたという話ではなく、明らかに組織的で意図的な隠蔽があったとしか思えないものだ。不正な抽出調査は小泉政権時代の2004年から始まったが、その前年に厚労省では、不正抽出調査を容認するマニュアルが作成されていた。

 また、安倍政権時代の2015年に入ると、総務省の点検前に、厚労省はそのマニュアルの不正抽出容認の記述をこっそり削除し、2016年には、全数調査を継続するという嘘の申請を総務省に提出した。そして、2018年にはデータ補正を開始しながら公表しなかったばかりか、不正調査を東京以外に拡大しようとしていた形跡さえある。神奈川、大阪、愛知についても、抽出調査に切り替えるとの通知を、政策統括参事官名で送付していたのである。

 村木氏は、2013年から2015年まで厚労省トップの事務次官を務めていた。そういう意味では自身にも責任があり、コメントは自らの責任逃れともとれるが、一方で、ここまで言うのは、なんらかの裏を知っている可能性もあるのではないか。

 データ不正調査が始まった小泉政権下、そして、その隠蔽と拡大が図られた安倍政権下で、厚労省の役人にとっても本意ではない何らかの意思が働いた、そう言いったかったのではないだろうか。

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