元日ドラマ『相棒』が今年も安倍政権批判! オトモダチ企業優遇、官僚支配の本質にも踏み込む快作

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テレビ朝日『相棒 season17』番組サイトより


 元日に放送された『相棒』(テレビ朝日)がまたしてもやってくれた。

 昨年の元日スペシャルには、“官邸のアイヒマン”こと北村滋内閣情報調査官がモデルと思しき人物が登場。政府要人を情報で恐喝し、従わせるという安倍政権の官僚支配を彷彿とさせるストーリーを展開して話題になったが、今年の『相棒season17 元日スペシャル ディーバ』も、安倍政権の暗部を彷彿とさせるようなシークエンスが随所にちりばめられていたのだ。

 ドラマは大物シャンソン歌手・神崎瞳子(大地真央)がパリから凱旋帰国するシーンから始まる。神崎はパリで30年間活躍する歌手であると同時に、積極的に政治活動に参加、労働デモで市民と一緒に逮捕されたこともある女性だった。

 その神崎が記者から「海外からみた日本」について質問され、こう答える。

「日本のみなさんは政治に興味がないんじゃありませんか。国政を担う方々がとんでもない失言をしても、お友だちに便宜をはかってもたいして問題にならないんですから」

 冒頭からいきなり安倍首相の森友・加計疑惑や麻生太郎財務相らの暴言を想起させるセリフ。しかも、興味深いのはこの後だった。神崎の様子をテレビで観ていた特別捜査官の青木年男(浅利陽介)が、乾いた笑いを浮かべしながら「何か言い方が挑発的だな。好感度低いですよね、これ」と吐き捨てるのだ。

 さらに、青木は神崎の信条が「私は法に従わない。弱い者の嘆きに従う」というものだと知ると、こうつぶやく。

「いいんじゃないですか、勝手に従ってれば」

 これもおそらく、日本の言論状況を表現したものだろう。辺野古新基地反対をめぐる署名を呼びかけたローラのケースをみてもわかるように、タレントや芸能人が少しでも権力批判、とくにいまの政治・政権を批判するような発言をすれば、バカにされ、嘲笑され、御用マスコミや安倍応援団、ネトウヨ、冷笑系などから攻撃される。わざわざ青木のリアクションを入れたのは、そうした同調圧力的な状況を皮肉ったとしか思えない。

 その後も、安倍政権の問題点を描くようなシーンがいくつも登場する。杉下右京(水谷豊)や冠城亘(反町隆史)が今回、直面する事件は、年末の朝、16歳の少女・槙が殴られ、その幼い息子・樹が誘拐されたというもの。だが、誘拐された樹は日本政界の重鎮である衆議院議員・敦盛劉造(西岡德馬)のひ孫で、事件の背景には敦盛と自殺者続出のブラック企業・三雲生命会長との癒着があった。

 三雲生命では、密かに行われていた自己啓発セミナーが原因で複数の自殺者が出ていたのだが、敦盛が官僚を動かして、三雲生命のこの疑惑を隠蔽していた。そのことを追及する右京と敦盛の間で、こんな会話が交わされる。

敦盛「私が財界人や省庁の役人と会食することが何か法に触れたりするものなのですか」
右京「いいえ。ところであなたは党大会でこのような発言をされていますね。社員が組織のために全力を尽くすことで企業の体力が向上し、国際競争力が増す。そのことが国家を繁栄させる。一つの目標のもと、国民が一丸となるのが、この国の伝統」
敦盛「はい、私はそう考えておりますが」
右京「三雲会長もよく似た考えをお持ちのようです。仮にあなたが厚生労働省の幹部に三雲会長を引き合わせて、『三雲生命の急成長は社員の精神教育に基づいて取り組んできた成果であり、今後も期待している』と言えばどうでしょう。あなたの意向を汲んだ幹部の指示で査察を求める三雲生命社員の訴えが握りつぶされる事態があり得るのではないでしょうか」

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