ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第26号 

2000万円支払い命令を受けたパワハラ上司の恐怖の実態! 執拗ないじめ、パワハラ裁判中にも手紙で人格攻撃

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
2000万円支払い命令を受けたパワハラ上司の恐怖の実態! 執拗ないじめ、パワハラ裁判中にも手紙で人格攻撃の画像1

 Aさんは、デザイナーとして入社した広告制作会社で、2013年3月に新しく上司になったSから、「嘘つき」「卑怯者」「犯罪者」など人格を否定する叱責(パワハラ)を受け続け、精神疾患(適応障害)を発症し、2014年7月に休職。1年後、休職期間満了を理由に解雇された。詳細は、「壮絶なパワハラで心を壊された広告会社社員 「死にたい」と口にした夫に妻は…パワハラ被害者家族の手記」をお読みいただきたい。これはその後日談である。

 壮絶なパワハラを受けた労働者は自殺することも多い。しかしAさんは生き残った。そして弁護士に相談し、裁判で争うこととした。2015年12月10日、Aさんは長崎地裁に提訴。そして3年後の2018年12月7日、土屋毅裁判官は、会社に合計2000万円の支払を命じ、Aさん勝訴の判決を言い渡した。

●判決の支払命令が2000万円となった理由

 マスコミ各社は、この判決を大きく報道した。その要因には、支払命令が「2000万円」と大きかったという点もあるだろう。ここには、次のような様々なお金が含まれている。

① パワハラの慰謝料・弁護士費用:275万円

 判決は、上司Sによる約1年間にわたるパワハラについて、こう総括し、慰謝料を250万円、弁護士費用を25万円とした。

「被告Sは、2013年3月以降、原告の業務負担が従前より増加する中、逆により短時間で結果を出すよう原告にとって困難な目標の達成を求め続けたり、営業部門との板挟みになって対処に窮するような指示をし続け、それらが実現できないと、指示に従わないとして厳しく注意、叱責するということを繰り返し、業務が更に繁忙となった同年7月頃以降は、そのような注意、叱責が頻回にわたるうち叱責中の原告の目つきや態度が気に食わないとして叱責したり、過去に叱責した問題を蒸し返して叱責したり、被告Sが何について叱責したいのか告げないまま叱責し、原告が何について叱責されているのか分からないことを更に叱責したりするといった、内容的にはもはや叱責のための叱責と化し、時間的にも長時間にわたる、業務上の指導を逸脱した執劫ないじめ行為に及ぶようになっていた。」

「被告Sによる不法行為は、遅くとも2013年7月頃から約1年間にわたり続き、そのため、原告は適応障害を発病し、最終的には精神的安定を損ない、希死念慮にかられるまで精神的に追い詰められて就労困難な状態に至ったものであり、それから4年が経過した現在においても職場復帰が可能な程度の寛解に至っていないと認められる。また、被告会社の対応はパワハラによる不法行為の被害者に対する対応として不十分といわざるを得ないことにも鑑みると、休職後の賃金が支払われることで原告の不利益が一定程度回復され得ることなどを考慮しても、原告の精神的苦痛を慰謝するには、250万円が相当であり、また、弁護士費用としては、25万円が相当である。」

 パワハラ裁判での慰謝料は、被害者が自殺したケースでは1000万円を超えるが、最近は被害者が生き残ったケースでも、500万円以上を命じるケースも見られる(東京地裁平成28年12月20日判決、山口地裁周南支部平成30年5月28日判決など)。そのため、本件の慰謝料250万円は、高額の部類には入るが、特段に高額というわけではない。これは、次で述べる「未払給料」の金額が大きいことが影響したと思われる。

② 休職してから現在までの給料:1417万円

 この会社は、Aさんが休職して以降、給料を1円も支払わず、休職から1年後には解雇した。裁判中、会社は解雇がまずいと思ったのか、解雇を撤回してきたが、依然として給料は支払わなかった。

 判決は、「Aさんが休職したのは、会社のパワハラが原因なので、Aさんが休職してから現在までの給料は、全額会社が支払わなければならない」とした。給料が出なくなったのは2014年8月分からで、直近の給料は2018年11月分なので、未払は4年4か月分。Aさんの手取りは月27万2500円なので、判決が支払を命じた給料は、1417万円となった。

③ 残業代・付加金:334万円

 この会社はAさんに全く残業代を支払っておらず、裁判でも、「ボーナスが残業代の代わりだった」などという無茶苦茶な主張をしていた。判決は、会社に対し、残業代236万円、付加金(悪質な不払残業に対する罰金のようなもの)98万円の支払を命じた。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

2000万円支払い命令を受けたパワハラ上司の恐怖の実態! 執拗ないじめ、パワハラ裁判中にも手紙で人格攻撃のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ブラ弁は見た!の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
2 竹田恒泰が父の五輪汚職捜査に「フランスは皇室がないからひがんでる」
3 古市憲寿「平成くん、さようなら」と「終末期医療打ち切れ」論
4 外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正
5 つんく♂が秋元のメンバー差別に
6 JOC竹田会長が女性死なせる交通事故
7 松本人志が指原莉乃に悪質セクハラ差別発言! 
8 日露外相会談の大失態を必死で隠す安倍政権
9 追悼!市原悦子が生前語った安倍政権への怒り、反戦の思い
10 元旦朝生のウーマン村本は間違ってない
11 収賄疑惑の甘利大臣がバンダイとも
12 DA PUMPがEXILEに挑戦状
13 産経と菅官房長官が「辺野古赤土投入問題」追及の望月記者を攻撃
14 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
15 NGT48問題でも秋元康の“無責任”
16 フジ『バイキング』で金美齢が部落差別
17 純烈・友井報道で芸能マスコミジャニーズ御用体質 
18 東京五輪の賄賂疑惑と電通側のキーマン
19 沖縄2紙の記者を警察が拘束する暴挙
20 安倍政権の反韓煽動が酷い!「韓国へ渡航禁止」まで主張
1安倍首相が辺野古の土砂投入で「サンゴを移した」と大嘘
2安室、上田、芸能人よく言った大賞前編
3追悼!市原悦子が生前語った安倍政権への怒り、反戦の思い
4クイーンのB・メイ辺野古署名に『ボヘラプ』鑑賞の安倍首相は…
5元日『相棒』が今年も安倍政権批判!
6ローラ、村本、りゅうちぇる芸能人よく言った大賞後編
7所ジョージが沖縄米軍基地反対ソング! 
8ウーマン村本、ローラ…権力批判芸能人を排除する醜悪メディア
9安倍首相の“サンゴ移植した”嘘を追及しない本土メディア
10早野龍五・被曝論文に重大誤り!お墨付き与えた糸井重里の責任
11産経と菅官房長官が「辺野古赤土投入問題」追及の望月記者を攻撃
12竹田恒泰が父の五輪汚職捜査に「フランスは皇室がないからひがんでる」
13安倍首相の改憲キャンペーンに松本人志、小藪千豊らが協力?
14 仏司法当局が東京五輪誘致汚職で竹田恒和JOC会長の捜査開始!
15日露外相会談の大失態を必死で隠す安倍政権
16 ゴーン前会長出廷で露呈した特捜部の無理スジ国策捜査
17 バカリズム、指原莉乃が外国人労働者問題で差別丸出し
18安倍政権の反韓煽動が酷い!「韓国へ渡航禁止」まで主張
19平沢勝栄だけじゃない自民党の性差別 
20落合陽一は反省表明したが…古市憲寿と落合の無自覚

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄