百田尚樹が「安倍総理が名誉毀損裁判で噂の真相を廃刊に追い込んだ」とデマ…ならば公開しよう、安倍vs噂真裁判の全容

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「噂の真相」との裁判で安倍が見せた圧力と言論弾圧体質

 裁判は、「噂の真相」2003年2月号の記事「対北朝鮮強硬路線で『次期首相』を狙う安倍晋三の危険なルーツと背後関係」に対し、官房副長官だった安倍晋三が「記事で名誉を傷つけられた」として、1000万円の高額損害賠償と謝罪広告の掲載を求め、東京地裁に提訴したものだった。

当該記事の内容を簡単に説明すると、当時、北朝鮮による拉致問題で存在感を強めていた安倍晋三の怪しい人脈や地元・下関での疑惑を「噂の真相」が現地取材や関係者証言、物証をもとに検証したもの。とくに、フォーカスを当てていたのが、山口や福岡などを拠点にパチンコチェーンを展開していたS社との関係だった。

「噂の真相」は安倍の下関の事務所や福岡の事務所がこのS社から貸与されていたこと、さらに、やはり下関にある敷地2000平方メートルに及ぶ自宅豪邸も、同じくS社から貸与されたのち、譲渡されていることをつかんだ。

 しかも、取材してみると、S社は父親・安倍晋太郎の代から「安倍家のスポンサー」として有名な企業で、事務所の賃料が相場より安く、便宜供与にあたる可能性が高いという疑惑も浮上した。

「噂の真相」はこうした疑惑について、安倍事務所に質問状をFAXで送付したが、安倍事務所は期日になっても返事をよこさなかった。そこで、安倍サイドは疑惑について「説明できない」ということだと判断し、記事を出したのである。

 すると、安倍は質問状を完全に無視しておきながら、発売前から子飼いの週刊誌記者を通じてゲラを入手しようと探りを入れ、記事を掲載した号が発売されると、代理人弁護士を通じて2度にわたって抗議の通知書を送りつけてきた。反権力の立ち位置から政治家のスキャンダルを再三にわたって報じてきた「噂の真相」にとって、この種のクレームは珍しくなかったが、安倍側からの通知書は、記事のどこがどう事実に反しているのかも一切明らかにしないまま、「聴取した証言者の数、客観的証拠を明らかにせよ」と要求するなど、まるで犯人捜しを狙ったとしか思えないようなシロモノだった。

 そこで「噂の真相」が、記事のいかなる部分がどう事実に反するのか、一連の疑惑についてどう釈明するのかを文書で質したところ、安倍はやはり返答もなしに、いきなり地裁に提訴してきたのだ。

 ところが、この訴状も唖然とするような乱暴なものだった。具体的にどこの部分がどう事実に反するかを一切指摘しないまま、記事の記述を大量に引用して、これらの記述がすべて「不法行為」にあたると主張しているだけ。しかも、安倍サイドが名誉を毀損したとするその大量の引用にはなぜか、記事の中核であるはずのパチンコ業者からの事務所貸与や自宅譲渡の記述がなく、そのかわりに、安倍がオフレコで新聞記者にしゃべっている内容の紹介や、安倍首相の政治姿勢の論評までが大量に並べられていた。

 たとえば、記事には「安倍の最終目的は(日朝)正常化交渉を阻止して北を暴発させ、それを口実に武力攻撃への道を開くことなんじゃないか」「この国はとてつもなく危険な人物に外交の全権を委ねてしまったということだろう」といった論評が書かれていたが、安倍はこの記述まで「不法行為にあたる」といってきたのだ。

「それまで何度も名誉毀損で訴えられてきたけど、あんな乱暴な訴状は見たことがなかった。記事を政治家が政治姿勢の批判まで名誉毀損だというのは、『表現の自由』や『民主主義』に対する認識が欠如しているとしか思えない。あの体質は昔からだったということです」(川端)

 たしかに、提訴までの経緯や訴状の内容をみていると、疑惑には一切こたえぬまま、「虚報だ」とわめき立て、さらには圧力で口を塞ごうとする安倍首相の現在の政治姿勢そのままといっていいだろう。

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