ノーベル平和賞受賞でも日本マスコミは無視…性暴力救済に取り組むムクウェゲ医師が語っていた日本の慰安婦問題

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ノーベル平和賞公式サイトより

 今年のノーベル平和賞は、性暴力被害者の治療・救済に取り組んできたコンゴ民主共和国の医師、デニ・ムクウェゲ氏と、イスラム国(IS)から受けた性暴力を証言してきたイラク・クルド民族少数派のヤジディー教徒のナディア・ムラド氏の受賞が発表された。

 授賞理由について、ノルウェー・ノーベル賞委員会のベリト・レイス=アンデルセン委員長は「戦争や武力紛争の武器としての性暴力」の撲滅に両氏が貢献したことを挙げ、「戦時下の性暴力を白日の下にさらし、犯罪者への責任追及を可能にした」と語った(毎日新聞、6日朝刊)。また、アンデルセン委員長は「MeTooと戦争犯罪(との闘い)は異なるが、共通点もある。それは虐待の実態と女性の苦しみに目を向け、性被害が恥だという概念から女性を解放し、声を上げることの重要性だ」と言い、〈性暴力根絶に向け、さまざまな立場の者が連帯して取り組む必要性を訴えた〉という(時事通信、6日)。

 かたや日本では、先日発表された内閣改造で、財務省セクハラ問題をめぐり「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中にご意見ある」と被害者女性を陰謀論で攻撃するなど女性蔑視発言を連発した麻生太郎を副総理と財務相に続投させた上、このセクハラ問題に「#MeToo」のプラカードを持って抗議した女性議員たちのことを〈少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々〉と誹謗した自民党・長尾敬衆院議員を内閣府政務官に抜擢したばかり。杉田水脈衆院議員も“セクハラと騒ぐのは魔女狩り”“「#MeToo」運動はもう辞めよう”などと主張していた。

 女性に対する性暴力に対して世界から声があがり、問題と向き合おうという潮流が生まれる一方、むしろ貶める言動をする為政者が盛り立てられるという、この国の現実──。だが、今回のノーベル平和賞は、もうひとつ重要な問題を日本に突きつけている。

 というのも、ノーベル平和賞を授賞したデニ・ムクウェゲ医師は、旧日本軍の「従軍慰安婦」問題を、「戦時下の性暴力」として言及してきたからだ。

 たとえば、2016年に韓国の「ソウル平和賞」を受賞した際のスピーチやメディア取材において、ムクウェゲ医師は「慰安婦」問題について、このように言明した。

「(日本政府は)被害者の要求を受け入れ、許しを求めなければならない」
「(慰安婦は)想像もできない苦痛や暴力にさらされた」
「韓国で正義の回復を求め続けている女性らの力に励まされる」
(共同通信、2016年10月6日付)

 また、同年にムクウェゲ医師が来日した際には、「女たちの戦争と平和資料館」(wam)を訪問。wamのブログによると、ムクウェゲ医師は日本で最初の訪問地として同所を訪れ、日本の「慰安婦」問題の責任を追及するためにおこなわれた民衆裁判「女性国際戦犯法廷」のダイジェスト版を視聴。「兵士たちは私の身体になんでもやりたいことをした」という被害者女性の証言を聞いたムクウェゲ医師は、「コンゴでも、その言葉を被害者から何度も聞いた」と言い、“強かんは戦闘資金がかからず、敵に多大な恐怖を与えられるため、戦争の手段として使われている、それをやめさせるには、加害者が誰であるかをはっきりさせ、国家の責任を問うことが重要だ”と指摘し、さらに、「またすぐに来るかもしれない。私たちは共通項がたくさんある」と述べたという。

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