宇多田ヒカル「音楽に責任はありません」にSKY-HIが異論!「この国の問題に目を塞いでいてはいけない」「大人の責務」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
宇多田ヒカル「音楽に責任はありません」にSKY-HIが異論!「この国の問題に目を塞いでいてはいけない」「大人の責務」の画像1
 SKY-HIインタビュー掲載の「ユリイカ」(8月号)

 SKY-HIは鋭いだけじゃなくて、深い。少し前に発売された「ユリイカ」(青土社)2018年8月号のインタビューを読んで、そのことを再認識させられた。

 SKY-HIは人気グループAAAのメンバーでありながら、ラッパーとしても活動。政治や社会問題にコミットした楽曲も次々発表し、コアな音楽ファンからも熱い支持を受けている。象徴的だったのは昨年6月、共謀罪が強行採決されてから一週間後に突如YouTube上にアップされた「キョウボウザイ」だ。

〈木曜日 朝4時(Morning)/国民的行事(国会)/色を変えた常識/説明ならば放棄/何らかの事情に/何らかの理想に/良い悪いの定規/それで作るなんてホント正気?(DAMN.)〉〈燃えた家計簿に(加計)/火消しをするように/木で隠した森(Friend)/丸出しでソーリー/シンゾウには毛が生えて/舌の数は無尽蔵/HP残り36ポイント(支持率)/保護するのは秘密の方で/テロと五輪 歪なコーデ/組み合わせて出来た/それで治安維持しようぜ〉といった強度のある政権批判の歌詞が大きな話題を呼んだ。

 しかもSKY-HIは、勢いやノリだけでこうした楽曲を発表しているわけではなかった。社会が抱える問題点を冷静に見つめ、深い思索の果てに、確信犯として、こうした表現を送り出していた。

 ケンドリック・ラマーを特集した「ユリイカ」で、SKY-HIは、なぜ音楽で社会問題へのコミットが必要なのかを語っているのだが、これが非常に説得力のある内容なのだ。

「アメリカには音楽が社会をリードしているというシチュエーションがずっとありますよね」と語ったあと、SKY-HIは、日本の音楽業界についてこう批判していた。

「日本だとそういうムーブメントは起こらないですよね。あゆ(浜崎あゆみ)が流行ったから、ヒョウ柄のギャルが増える、とか、アーティストの本質にかかわらず、表層的に人々の消費欲求を刺激するに留まるものがほとんど。意識とか、生き方に影響を与えることにまで至らないと思われているし、作る側もそう考えているようなフシも感じて」

 また、SKY−HIはその背景にある、日本社会の問題にまで言及していた。

「それはGHQの陰謀だ!ってのは冗談なんだけど(笑)、日本の戦後教育のやり方を問い直すことにも繋がるような気がして。制服の問題に代表されるように、同じ格好、同じ行動、規律を乱すな、ということを是とするスタンスは、明治初期ならまだしも、現代でいまだにそれをやっているのかと呆れてしまうし……」

「GHQの陰謀」と歴史修正主義者の用語にツッコミつつ、そうした陰謀論に基づいたよくある右派の戦後民主主義批判とは真逆で、むしろ現在もいまだ残る明治軍国主義の名残のほうを批判してみせるというのは、SKY-HIの民主主義に対する強い意識が感じられる。

 さらに、印象的だったのは、宇多田ヒカルのタワーレコードのポスター問題にふれたときのことだ。このポスターには、「今をどのような時代であると思いますか」「時代と関係ないところで生きてきたのでわかりません」「その中で音楽はどのような責任を担っていると思いますか」「音楽に責任はありません」と、音楽に政治性をもちこむことを否定するようにも読める宇多田ヒカルのセリフが掲載されているのだが、その感想を聞かれたSKY-HIはこう語っている。

「『音楽で世界を変える』って言葉の方が、いまは欺瞞として捉えられがちじゃないですか。謙虚とか謙遜もすごく美しいとは思う。でも、「僕にできることなんて歌うことくらいだから」とか、「音楽をやることにしか能がない」とか、そう発言することが美徳とされていたり、逆に社会に対してコンシャスな人を「意識高い系」と冷笑する状況は、決して理想的な状態ではないと思う。日本にはいいところもめっちゃあるから、それは大事にしたいとは思うものの、この国の問題に目を塞いでいてはいけない。とくにいまって、若い子にとってマイナスとなるような問題が多いですよね。どうして日本がこういうことになってしまったのかを考えるのは、ミュージシャンだけではなくすべての大人の責務なんだけど、とりわけ俺たちミュージシャンは若い世代と触れ合う機会が多いから、その責任が重大になってくる。だから、くだらねえ歌を流しているような場合じゃないんですよ」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

宇多田ヒカル「音楽に責任はありません」にSKY-HIが異論!「この国の問題に目を塞いでいてはいけない」「大人の責務」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。AAASKY-HIキョウボウザイユリイカ宇多田ヒカル編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍首相「108兆円経済対策」は詐欺だ! 30万円給付の説明も嘘だらけ
2 安倍首相が「布マスク2枚」につぎ込む予算は報道の2倍「466億円」!
3 『スシローと不愉快な仲間たち』第10話 安倍首相の「布マスク2枚」にあの人が…
4 自粛補償を拒否、“ドケチ”全開の安倍首相がコロナを利用して改憲に前のめりに
5 アパホテル借り上げは安倍が直接電話、歴史修正本も「撤去しない」
6 コロナ補償で「在日外国人、生活保護受給者に払うな」の排除論が跋扈!
7 葵つかさが「松潤とは終わった」と
8 森喜朗の暴露でわかった安倍首相「五輪後に任期延長と衆院選」シナリオ!
9 自殺した赤木さんの妻が『バイキング』生放送中にLINEで…
10 緊急事態宣言で従業員は逆に「休業手当」を貰えなくなる? 加藤厚労相も…
11 安倍首相の「1世帯30万円支給」に批判殺到! 一方で大企業には1000億円出資
12 三浦瑠璃、高須克弥、八代英輝…この期に及んで「布マスク2枚」を擁護
13 早野龍五・被曝論文に重大誤り!お墨付き与えた糸井重里の責任
14 安倍チルドレンの政務官が「感染拡大を国のせいにしないでくださいね」
15 自民党がまた『モーニングショー』に圧力! 和田政宗が青木理をデマ攻撃
16 糸井重里“『Fukushima50』で泣きっぱなし”に批判!町山智浩も
17 黒沢かずこの検査めぐり鈴木おさむが“検査不要論”に反論!
18 PCR検査拡大を訴える大谷クリニック院長がテレビから消えた!
19 田崎史郎が御用批判に失笑の言い訳
20 田崎史郎が室井佑月に逆ギレ
1安倍首相の「1世帯30万円支給」に批判殺到! 一方で大企業には1000億円出資
2アパホテル借り上げは安倍が直接電話、歴史修正本も「撤去しない」
3 「人工呼吸器不足」は安倍政権の責任だ! 野党の指摘を放置
4自民党がまた『モーニングショー』に圧力! 和田政宗が青木理をデマ攻撃
5自殺した赤木さんの妻が『バイキング』生放送中にLINEで…
6安倍チルドレンの政務官が「感染拡大を国のせいにしないでくださいね」
7昭恵のNEWS手越ら芸能人と花見報道に安倍首相が逆ギレも説得力なし
8 安倍首相「108兆円経済対策」は詐欺だ! 30万円給付の説明も嘘だらけ
9森喜朗の暴露でわかった安倍首相「五輪後に任期延長と衆院選」シナリオ!
10阪神・藤浪選手や志村けんが証明した「検査不要論」の嘘!
11 安倍政権も小池百合子も「飲食店や酒場にいくな」だけで“補償”なし
12 安倍首相のコロナ対応はなぜこんなに遅い? 28日の会見でもまだ具体的提示なし
13黒沢かずこの検査めぐり鈴木おさむが“検査不要論”に反論!
14「桜を見る会」招待のマルチ企業に財務省が調査ストップ
15安倍首相「1住所あたり布マスク2枚」にネットでツッコミ殺到
16安倍首相が「布マスク2枚」につぎ込む予算は報道の2倍「466億円」!
17感染爆発危機でも安倍首相と小池知事が“グータッチ”
18三浦瑠璃、高須克弥、八代英輝…この期に及んで「布マスク2枚」を擁護
19大阪・吉村知事が支離滅裂! 大阪の感染者数が急増した途端兵庫県と合算
20補償なき自粛要請に水原希子、King Gnu井口、RAD野田らが声

カテゴリ別ランキング


マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄