やっぱり差別主義者? 三浦瑠麗が黒人差別描いた『デトロイト』映画評でトランプそっくりのどっちもどっち論

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

三浦瑠麗の『デトロイト』評はトランプ大統領よりひどい

 有色人種に対する差別問題の核心が「貧困」ではないことは、この映画を見れば明らかではないか。いや、この映画だけではない。世界各国、日本の状況をみても、差別の要因が経済問題だけでないことははっきりわかる。

 これだけでも「本当にこの映画を理解しているのか?」と疑問を抱かせるのに十分だが、三浦氏の映画へのコメントはここからさらにひどいことになっていく。

「また、共感の欠如が、暴動や白人警官の弾圧につながっているというのもあります。差別をなくす道は分かっていても、変化を起こすより単に正義と邪悪なものを対比させて、自分は正義の側だと唱える人権擁護派が多いのも悲しい現実です。ただ本作では黒人を救う白人警官も登場します。苦しんでいるものを助けるという人として当たり前の行動こそが解決策であり、希望につながることを示唆してくれています。
 本作を通して自分は誰かを差別していないか、誰かがつらい時に手を差し伸べているかと考えてみませんか」

 なんだ、このわけにわからない論理は? 「差別問題は経済問題」とかいっておきながら、今度は「共感の欠如」などという言葉をもちだし、差別を受けている側の暴動と白人警官による弾圧をまるで等価であるかのように並べる。これって、シャーロッツビルのときのトランプ大統領による「オルト・ライトに突撃していったオルト・レフトはどうなんだ」「両者に非がある」発言とまるっきり同じじゃないか。

 いや、もっと酷いかもしれない。何しろ、三浦氏はこのあと、差別する側を一切批判せず、反差別の声を上げている「人権擁護派」だけが“差別をなくす道筋を阻む存在”であるかのように糾弾するのだ。そして、映画に登場する「黒人を救う白人警官」をクローズアップして、「自分は誰かを差別していないか、誰かがつらい時に手を差し伸べているかと考えてみませんか」などと、小学生の作文のような言葉で文章を締める。

 この「黒人を救う白人警官」を強調する意見について、ミュージシャンで映画評論も行う宇多丸氏は「もちろん、白人側にもいい人もいる。助けてくれる人もいる。でも、“いい人もいる”ということは本質的な問題の解決にはなにひとつなっていない」(今月3日放送『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)内の『デトロイト』評より)と語っていたが、まさにその通りだろう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

やっぱり差別主義者? 三浦瑠麗が黒人差別描いた『デトロイト』映画評でトランプそっくりのどっちもどっち論のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ドナルド・トランプメディア定点観測三浦瑠麗宇多丸町山智浩編集部の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄