つるの剛士が”母親は家にいろ”強要の「親学」イベントに参加!「保育園落ちた日本死ね」非難の背景にあるもの

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 さらには、トランプの差別発言に擁護的な姿勢を見せたこともある。例のネトウヨCSテレビ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCシアター)がトランプ擁護の論陣を張ったのを受け、あるユーザーが投稿した〈メディアのトランプ「暴言」批判の世論誘導に全体主義が垣間見える〉というツイートに、つるのはやはり「いいね」を押しているのだ。

 機動隊員やトランプの差別発言にはこれだけ理解を示しながら、なぜ「日本死ね」となると一転して、「汚い言葉」「日本人として恥ずかしい」となるのか。これは明らかに、つるのが権力者や為政者はマイノリティに暴言を吐く自由があるが、国民が日本という国家に対し「死ね」と批判するなんて許せない、と考えているからだろう。

 そして、本サイトがつるののことを危険だと指摘したのは、まさにこの思考に対してだった。なぜなら、自分の国に対して「死ね」と言うことのできる自由こそ、私たちがもっとも守らなければならないものだからだ。

「日本死ね」を長谷川豊の「人工透析患者を殺せ」発言と同じだなどとぬかしていたバカがいるが、まったくちがう。社会的弱者やマイノリティ、特定の人種・民族に対して「死ね」などという発言をすることは、その生存権すらも脅かすヘイトスピーチであり、絶対に許されないが、圧倒的な力をもつ国家に対して激しい批判をするのは当然の行為だ。むしろ、こうした激烈な批判こそが国民の権利と生活を守り、民主主義を機能させることにつながる。

 しかも、国家を批判することは個人を守るだけではない。イギリスの作家ジュリアン・バーンズが「最高の愛国心とは、あなたの国が不徳で、悪辣で、馬鹿みたいなことをしている時に、それを言ってやることだ」と語ったように、国家に対してものを言うことは、それこそ国家から不平等や抑圧、政治の腐敗をなくし、自分の国をよりよくしていく行為でもある。

 ところが、いま、日本の社会はこの民主主義の原則が完全に逆転して、弱者だけをいたぶり、権力批判には一切口をつぐむというグロテスクな空気が支配するようになった。それは、安倍政権とその応援団が、国家や政権の不当な行為や不正を批判する者に対して、「非国民」「在日」「そんなに日本が嫌いなら出て行け」といった攻撃を浴びせ、民主主義を担保する政権批判を封じ込めようとしてきたからだ。

●日本会議幹部の提唱する「親学」イベントにも参加

「保育園落ちた日本死ね」についても同様だ。母親が直面した切実な状況から発せられたこの言葉は激しいものであったがゆえに世論を動かし、待機児童問題に消極的だった政府・自民党も対策に乗り出さざるをえなくなった。しかし、国家に対する批判を許さない、女性の社会進出を認めたくない安倍政権の応援団はこの言葉とそれが状況を動かしたことに「憎悪」にも近い感情を抱いており、ことあるごとに攻撃を繰り返していた。

 そして、今回、流行語に選定されたのを機に、再びこの言葉を封じ込めるべく、「流行語大賞は反日」「韓国人が選んでいる」などと大合唱を始めたのだ。今回のつるののツイートはまさに、そうした動きに乗っかって出てきたものだ。

 しかも、つるのは「保育園落ちた日本死ね」という言葉の背景にある問題を知らずにこれを非難したわけではない。

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