流出メールで発覚! ヒラリー・クリントンが「尖閣諸島の日中対立は日本の国粋主義者のせい」と発言していた

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 しかし、今の日本ではそうした国際感覚は完全に失われてしまった。その後の安倍政権が軌道修正するどころか、この日中対立をさらにエスカレートさせていったからだ。安倍首相は野党時代、「中国の領海侵犯はけしからん」という世論を散々煽り、首相になってからはそれを利用して、逆に自らの政治的思惑、すなわち“戦争のできる国づくり”を推し進めてきた。その結果が新安保関連法であることは言うまでもない。

 そして、安倍政権は今も、北朝鮮のミサイルと中国の海洋進出の脅威を煽ることで、憲法改正の必要性を強く訴えている。

 人類学者のアーネスト・ゲルナーは、ナショナリズムは所与のものではなく、人々は近代産業社会以降の言語交流や教育システムによって匿名的、流動的に結びつけられているとした。

 領土もまさにそのひとつだ。直接足を運んだこともなく、その存在を地図上でしか知らない島に国民がここまで熱くなるのは、それこそ、メディアや教育によってその意識をつくられてきたからだ。そして、国家の指導者たちは、法的な強制よりも領土・領海を意識させることのほうがはるかに国民支配を強化できることを知っている。

 そういう意味では、ヒラリー・クリントンの流出メールは、尖閣問題を自発的な愛国心の発露だと勘違いしている私たちが、実はそれが国粋主義者たちによって仕掛けられたことを思い出すきっかけになるものだったといえるだろう。ただ、この国のマスコミは、それがアメリカ次期大統領の可能性のある人物の発言であっても、国粋主義者たちが反発するような報道はほとんどできない。おそらくこの情報に国民が触れることはないだろうし、尖閣問題の本当の原因も思い出されることはないだろう。
(宮島みつや)

最終更新:2017.03.02 12:31

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