明仁天皇の「生前退位の意志表明」は安倍政権と日本会議の改憲=戦前回帰に対する最後の抵抗だった!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 というのも、生前退位こそが、今、安倍政権や日本会議が復活を目指している大日本帝国憲法の思想と真っ向から対立するものだからだ。

 実は、生前退位というのは江戸時代後期までの皇室ではしばしば行われていた。ところが、明治になって、国家神道を国家支配のイデオロギーと位置づけ、天皇を現人神に仕立てた明治政府は、大日本帝国憲法と皇室典範によって、この生前退位を否定、天皇を終身制にした。「万世一系」の男性血統を国家の基軸に据え、天皇を現人神と位置づける以上、途中で降りるなどということを許すわけにはいかない。終身制であることは不可欠だったのだ。

 つまり、明仁天皇はここにきて、その明治憲法の真髄とも言える終身制をひっくり返し、真逆の生前退位を打ち出したのである。天皇が生前に退位するということは、天皇は国家の「役職」にすぎないということを示すことだ。役職だから、時期が来たら退位する。役職を果たせなくなったら交代する。もし、これが制度化されたら、天皇をもう一度、現人神に担ぎ上げ、国民支配のイデオロギーに利用することは難しくなる。そのために、天皇はこの「生前退位の意志」を明確にしたのではないか、というのだ。

 これはけっして、妄想ではない。天皇と皇后がこの数年、安倍政権の改憲、右傾化の動きに危機感をもっていることは、宮内庁関係者の間では、常識となっていた。実際、第二次安倍政権が発足し、改憲の動きが本格化してから、天皇、皇后はかなり具体的で踏み込んだ護憲発言を何度も口にしている。

 たとえば、2013年には、天皇が誕生日に際した記者会見で、記者の「80年の道のりを振り返って特に印象に残っている出来事を」という質問にこう答えている。

「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」

 日本国憲法を「平和と民主主義を守るべき、大切なもの」と最大限に評価した上で、わざわざ「知日派の米国人の協力」に言及し、「米国による押しつけ憲法」という右派の批判を牽制するような発言をしたのである。

 また、美智子皇后も同年の誕生日に、憲法をめぐってかなり踏み込んだ発言をしている。この1年で印象に残った出来事について聞かれた際、皇后は「5月の憲法記念日をはさみ、今年は憲法をめぐり、例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます」としたうえで、以前、あきる野市五日市の郷土館で「五日市憲法草案」を見た時の思い出を以下のように記したのだ。

「明治憲法の公布(明治22年)に先立ち、地域の小学校の教員、地主や農民が、寄り合い、討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で、基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務、法の下の平等、更に言論の自由、信教の自由など、204条が書かれており、地方自治権等についても記されています。当時これに類する民間の憲法草案が、日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の、政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ、深い感銘を覚えたことでした。長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

明仁天皇の「生前退位の意志表明」は安倍政権と日本会議の改憲=戦前回帰に対する最後の抵抗だった!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。エンジョウトオル安倍晋三の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 「安倍がトランプをノーベル賞に推薦」を海外メディアが
2 “安倍チル魔の3回生”田畑毅議員を被害女性が刑事告訴!
3 橋本聖子が池江選手の病を利用しスポーツ界の不祥事放置を宣言
4 安倍首相が統計不正に「選挙5回勝ってる」とヤジ
5 安倍が拉致被害者に「北朝鮮に戻れ」と
6 「憲法9条を守れ」と主張する芸能人
7 フィフィの蓮舫デマに新聞が丸乗り! 背景に安倍忖度と女性蔑視
8 安倍政権が拉致被害者の生存情報を隠し
9 ウーマン村本が朝鮮学校差別を煽る政治とメディアを痛烈批判
10 美智子皇后が誕生日談話で安倍にカウンター
11 渡辺謙が東京五輪の東北無視を批判!五輪の人命軽視がひどい
12 安倍首相にマッチョ批判
13 自民党・田畑毅議員の離党は女性への暴行が原因か
14 どの口で?田母神らが「左翼は金で動員」
15 データ不正、元厚労次官の村木厚子が「何かの圧力」発言
16 KAT-TUNの恋愛を側近が暴露
17 フィフィが水原希子に狡猾なヘイト攻撃
18 片山さつきが坂上忍に批判された
19 ネトウヨ局アナがテレ朝のお昼の顔に
20 嵐・大野智に決意させた同棲謝罪会見強要
1 安倍首相が統計不正に「選挙5回勝ってる」とヤジ
2嫌韓批判で炎上も…石田純一はブレない
3渡辺謙が東京五輪の東北無視を批判!五輪の人命軽視がひどい
4安倍政権が拉致被害者の生存情報を隠し
5玉川徹が中国人のマナーをあげつらう自番組を批判!
6勤労統計不正で厚労省委員が官邸と菅長官の圧力を証言
7安倍首相「自衛隊募集に6割以上の自治体が協力拒否」は嘘だった
8小川彩佳アナが『NEWS23』キャスター就任か!
10青山繁晴議員が「僕と握手したらガンが治った」と吹聴
11 厚労省に圧力をかけた首相秘書官は安倍首相の子飼い官僚
12統計不正は安倍政権ぐるみの偽装だった証拠が!安倍に合わせ…
13安倍「私は森羅万象を担当」発言の背景
14北方領土の日、「日本固有の領土」の主張が消えた! 
15首相官邸の望月記者排除に新聞労連が抗議声明
16小川彩佳アナ退社の要因はテレビ朝日の安倍政権忖度か
17ウーマン村本が朝鮮学校差別を煽る政治とメディアを痛烈批判
18フィフィの蓮舫デマに新聞が丸乗り! 背景に安倍忖度と女性蔑視
19安倍がトランプ「ノーベル賞に推薦された」で世界に恥
20辻元清美の外国人献金に大騒ぎする夕刊フジの愚劣

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄