「日刊ゲンダイがあるんだから報道の自由は守られてる」とネトウヨ答弁した安倍首相に官邸の報道介入の実態を改めて突きつける!

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〈(佐高氏のコメントが)三塚派(清話会、現町村派)の面々の怒りを買った。当時まだ一年生議員だった安倍晋三が、選挙区から猛抗議の電話をかけてきた、と後で聞いた〉

 一年生議員にして、すでに現在に通じる抗議癖を身につけていた安倍首相。そしてもうひとつ、佐高氏は本書で安倍首相の本質が垣間見えるエピソードを紹介している。

〈ポスト小泉(純一郎)の自民党総裁選挙の時、「筑紫哲也 NEWS23」で候補者の討論番組をし、筑紫が、「自民党の改憲案を読んで失望すると同時に安心もした。こんなものが理想になるはずがないと思ったから」と言ったら、安倍が、「筑紫さんが失望したというのはよい改正案である証拠だ」と返して来たという〉

 安倍首相が仮想敵に仕立て上げる定番中の定番は「朝日新聞」だが、各局のキャスター陣のなかでも安倍氏は朝日新聞出身の筑紫氏がとくに嫌いだったらしい。佐高氏も〈(筑紫氏は)憎悪の対象とされたと言ってもいい〉と書いているが、事実、安倍氏がNHKのドキュメンタリー番組に介入、改変を迫ったという「番組改変問題」が朝日新聞によって報じられた際、安倍氏は『NEWS23』に出演。敵意剥き出しで筑紫氏に“番組に圧力などかけていない”と抗弁したが、それだけでは飽き足らず、タカ派雑誌「諸君!」(文藝春秋/休刊)に登場して筑紫氏をこき下ろした。

〈今回の件で朝日新聞社の姑息な論点のすり替えや、お粗末なこじつけを、元社員である筑紫氏が自ら明らかにしてしまったのです〉
〈なるほど、これが朝日系の人々の発想なのか、と私は心中深く納得するものがありました〉

「姑息な論点のすり替えや、お粗末なこじつけ」って、そりゃアンタの得意技だろう、と思うが、それにしてもすさまじい憎悪である。きっと、このころから安倍氏は何も変わっていないのだ。昔から自分を「弁護」しないメディアはおしなべて「敵」であり、政治家が直接圧力をかけるのも当然の行為だった。そう考えれば、憎き筑紫氏は鬼籍に入ったものの、今回そのイズムが継承された『NEWS23』を骨抜きにしたことは、安倍首相にとって「ようやく宿敵を討った」といったところなのだろう。

 一体、この恐ろしい事態を、安倍首相に敵視されつづけた筑紫氏は草葉の陰からどんな思いで見ているのだろうか。筑紫氏にとって最後の出演となった『NEWS23』2008年3月31日の「多事争論」では、「変わらないもの」と題し、“『NEWS23』のDNA”について、こう語っている。

「力の強いもの、大きな権力に対する監視の役を果たそうとすること。それから、とかくひとつの方向に流れやすいこの国のなかで、この傾向はテレビの影響が大きいんですけれども、少数派であることを恐れないこと。多様な意見や立場をなるだけ登場させることで、この社会に自由の気風を保つこと」

 暴走首相の手によって、こうした志がテレビから失われようとしている。そしてその先に待ち受けるのは、いよいよ戦前の社会だ。それを食い止めるためにも、日刊ゲンダイともども、本サイトは今後も「萎縮しない」所存だ。
(水井多賀子)

最終更新:2016.02.05 09:37

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