はすみとしこを生んだのはこの人? 曽野綾子がハロウィンの親子に「卑しい魂胆」、難民を「狡い人、難民業」と攻撃

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 曽野センセイは、ハロウィンでお菓子をもらおうとしている親子には「卑しい魂胆」と糾弾しながら、自分の息子が漫画のただ読みをした場合には「相当なもの」と賞賛していたのだ。なんだろう。この巨大なブーメランは。

 しかも、曽野はハロウィンを日本の文化じゃないというが、子どもに食べ物やお菓子を振る舞う習慣は、棟上げでの餅まきや、近畿地方を中心に行われている地蔵盆など、日本でも類似の習慣はある。

 ようするに、曽野はありもしない現象をでっちあげて、ただただ意味のない因縁をつけているのだ。いったいなんのためにこんなことを書いているのか。

 だが、その後を読むと、曽野センセイが語りたいことが見えて来た。ハロウィンのお菓子話を突如、「ただでもらえることにひどく喜ぶ最近の風潮を、私も少し用心するところがある」と、強引に最近の風潮に敷衍させ、こう続けるのだ。

〈普通人間は、正当な労働によって報酬を得るのが当然なのだから、親がただで得られるものを大喜びする姿を見慣れると、子供の精神も次第に卑しくなるかもしれない。「もらえるものはもらっておかなきゃ損じゃない」とはっきり口に出して言う人に私は何度も会った事がある。介護保険や健康保険の話をする時にそういう言葉が出るのである。〉

 出た。お得意の社会保障批判。介護保険や健康保険は労働の報酬ではなく、老いや病気に備えて社会全体で支えていく共助制度のはずである。これを「ただで得られる」などと表現するのは、まさに、曽野の真骨頂である。

 たとえば、思い起こされるのが、東日本大震災の被災者に対して、「週刊ポスト」(小学館/14年3月21日号)で行った発言だ。曽野はこのとき、「3・11は日本人の『弱さ』を図らずも浮かび上がらせた 被災者と老人の『甘えの構造』について」と題し、まず、昨年2月の関東地方の豪雪の被災者に対し、こう批判する。

「あちこちで『孤立した』村落があったとしきりに報道されました。(中略)おそらく食糧にも不自由しておられたんでしょうね。『これからは行政がもっと早く除雪をして、閉じ込められないようにして欲しい』と言っておられたんです。(中略)過疎地域に住む人たちは、常に一週間かそこいらの食糧の備蓄は、自分でしておくのが常識なんです。テレビに映ったその女性は、私くらいの年齢でした。おそらく戦時中に物に不自由した時代もご存知でしょうに、すぐ打開策を国や社会に求める。こういう姿勢を見る時、私たちは戦争から何を学んだろう、と思ってしまうんです」

 行政に頼るな、日頃からの備えが足りない、いざという時の機転がきかない、と上から叱り飛ばしているのだが、そのうえで、東日本大震災の被災者に対して、こんな無茶苦茶な説教を始めたのだ。

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