“撮影NGの街”飛田新地にNHKのカメラが潜入!“本番行為は暗黙のルールで…”変わりゆく色街の裏事情とは

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〈昔は日本橋、難波、梅田界隈にソープランドがあったそうです。しかし、1990年に鶴見緑地で「国際花と緑の博覧会」が開催された際に、「国際都市として外国人に見られたら恥ずかしい」との理由で一掃されました。(中略)
「大阪府警のトップが『大阪府条例により特殊浴場をすべて許可しない』と号令をかけたんや。でも飛田、松島とかの遊郭の流れを汲む新地は、特殊浴場でなく、料亭業だったので摘発されなかったというわけや」
「では一応、飛田は合法なんですか?」
「そうや。基本的には“料亭”でお客と女の子がお茶とお菓子を飲食していたら、偶然にもたちまち“恋愛関係”に陥ってしまっただけなんやから」
「偶然にも、たちまちですか?」
「男と女なんて、そんなもんやろ」〉

 この恋愛関係云々の話は、いわゆる「本番行為」を行う法の抜け道として料亭側が用意したストーリーであって、表立って「合法」と言い切れるのかはグレーだ。だからこそ、前述の橋下徹の件は当時話題となり糾弾されている。とはいえ、その是非について問うことが本稿の目的ではないので、引き続き飛田の裏側に関して読み進めていく。

 店を始めるにあたって杉坂氏は飛田の料理組合と警察に申請を出すことになる。まず、飛田の料理組合に面接に行くのだが、組合は新規参入者を歓迎しているのだという。新規参入があるということは、商売敵が一軒増えるということを意味するわけだが、にも関わらず歓迎するのには他の料亭街が起こした失敗がからんでいるという。

〈「今の飛田の考え方は、店の数増やして集客増やせだから」〉
〈「というのも、松島新地は以前120軒ほど店があったけど、あえて100軒くらいまで減らした。そしたら新地全体が閑散としてしまった。閉める店が増え、客足も減った。それを見てるから、飛田は、店増やせ、増やせなんです」〉

 店を減らしてお客を独占しようとしたら、街の活気がなくなってしまって、逆に客足が減ってしまった松島新地の前例に学んでいるのである。というわけで、組合への加入は難しくはないが、警察への申請はそうはいかない。まず、慣例として過去5年に犯罪歴があった場合許可が出ない。そして、開業資金(約1000万ほどは必要らしい)に関しても厳しく質問される。

〈借金してやりますと言ったら即、話は打ち切りになってしまうそうです。飛田で店をやるのにお金を貸してくれる金融機関などありません。怪しいところからお金を借りてくるしかないわけで、そういうトラブルを起こしそうな人間を、警察が認めるはずがないのです〉

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