常盤貴子が自分の映画そっちのけで絶賛! 映画『野火』が突きつけた戦場のリアルと「忘れるな!」のメッセージ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
nobi_150906.jpg
映画『野火 Fires on the Plain』公式サイトより


 戦後70年という節目である今年は、例年以上に様々な戦争映画が公開された。劇映画に限っても、反骨の映画人・岡本喜八が1967年に映画化した、半藤一利原作の『日本のいちばん長い日』の再映画化や、息子七人を兵隊にとられた母親を描いた『おかあさんの木』、また脚本家で、雑誌「映画芸術」編集長でもある荒井晴彦が18年ぶりにメガホンをとった、戦時下の若い女性の生き方を描いた『この国の空』などが話題を呼んだ。

 そのなかでも、非常に評価が高かったのが『野火 Fires on the Plain』だ。象徴的なのは、常盤貴子の一件だろう。同作に出演したわけではない常盤貴子が自身の別の出演映画の舞台挨拶で、何度も『野火』のことに触れ、「今よくぞ撮って下さったという、戦争の追体験をできるような素晴らしい映画だったので、皆さんぜひご覧になって下さい」と熱く語ったのだ。

 たしかに、『野火』を実際に観ると、常盤が自分の作品そっちのけで何度も宣伝をしたくなったのもよくわかる。

 この作品は大岡昇平の原作を、『鉄男』(1989)や『六月の蛇』(2003)、『ヴィタール』(2004)などが海外でも高く評価されている塚本晋也監督が映画化したのだが、日本軍の兵士たちがいかにしてあの戦争を戦ったのか、230万人もの兵士たちが日中戦争から太平洋戦争の間に亡くなったわけだが、彼らが戦地で送った生活とはどんなものだったのかを、真っ向から描いている。

 主人公の田村一等兵(今回の映画では塚本晋也自身が演じている)は、太平洋戦争末期のフィリピン・レイテ島で、結核にかかり部隊を追い出され、野戦病院でも入院を拒否され、行くところもなく、戦地で孤独の身となる。田村は時に同じく部隊からはぐれたり、ボロボロに疲弊しきった他の日本兵たちと一緒になりながら、食糧も武器もないような飢餓状態で、フィリピンの美しいジャングルをただたださまよう。もはや「敵」を打ち負かすわけでもなく、ただ無事に復員できることと、もはや何の希望もなく、唯一残った武器である手榴弾で自爆することの、文字通り生と死のはざまで生きているような日本兵たちの悲惨な状態を、この映画は兵士たちの時々の表情を丁寧に捉えながら、記録映像のように映していく。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

塚本晋也×野火

  • amazonの詳細ページへ
  • 楽天ブックスの詳細ページへ
  • Yahoo! ショッピングの詳細ページへ
  • セブンネットショッピングの詳細ページへ

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

常盤貴子が自分の映画そっちのけで絶賛! 映画『野火』が突きつけた戦場のリアルと「忘れるな!」のメッセージのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。寺路 薫の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 政治資金報告書で「維新」議員の文通費横流しとデタラメ使途が続々判明
2 コロナ禍で困窮のさなか介護料を月6.8万円爆上げの鬼畜
3 吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力!
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 自民党の“アシスト係”維新が賛成した最悪の法案総まくり
6 高須院長の署名偽造関与が濃厚に…女性秘書が書類送検、関与示す供述調書
7 維新は「パソナ丸投げ」病! 時短協力金業務でデタラメ発覚も新しい仕事
8 自民党・維新がコロナを口実に本気で「改憲」に動き始めた!
9 吉村知事「1日で文通費100万円、記憶ない」は嘘! 違法流用の証拠も
10 山口敬之の逮捕をツブした中村格の警察庁長官就任に広がる抗議!
11 国分「SMAP好きじゃない」告白の裏
12 文通費どころじゃない!維新が政党交付金も返還せず掠め取り
13 山本太郎「麻生太郎は万死に値する」は問題なし、当の麻生も自民党議員も発言
14 宮台真司「ネトウヨは感情の劣化」
15 イノッチが夫婦別姓反対派を一蹴!
16 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
17 Netflix版『新聞記者』に米倉涼子、綾野剛、横浜流星など、豪華キャストがずらり
18 『報ステ』ディレクターの自殺と原発
19 青木理に官邸の仕掛けで不倫情報
20 SF慰安婦像問題と日本の歴史修正主義
1吉村知事「1日で文通費100万円、記憶ない」は嘘! 違法流用の証拠も
2吉村知事や橋下徹の「国会議員の“文通費”批判」に盛大ブーメラン
3文通費どころじゃない!維新が政党交付金も返還せず掠め取り
4維新は「パソナ丸投げ」病! 時短協力金業務でデタラメ発覚も新しい仕事
5自民党・維新がコロナを口実に本気で「改憲」に動き始めた!
6吉村知事「1日で文通費100万円」ごまかし手口!リテラの取材のあとに
7自民党の“アシスト係”維新が賛成した最悪の法案総まくり
8高須院長の署名偽造関与が濃厚に…女性秘書が書類送検、関与示す供述調書
9コロナ禍で困窮のさなか介護料を月6.8万円爆上げの鬼畜
10吉村知事が府の施設に「表現の不自由展」使用許可を取り消すよう圧力!
11政治資金報告書で「維新」議員の文通費横流しとデタラメ使途が続々判明

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄