米軍ヘリ墜落事故でわかった安保法制もうひとつのリスク…自衛隊員が戦死しても真相は隠蔽される!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 沖縄県内での米軍のヘリ墜落事故は、1972年の本土復帰後だけでも46件にのぼるが、たとえば、2004年には、米海兵隊の大型ヘリが宜野湾市普天間基地周辺に位置する沖縄国際大学に墜落、爆破炎上した大事故があった。ヘリの破片が大学周辺に飛散し、ガラスを破って部屋のなかまで到達したマンションもあった。奇跡的に民間人の死傷者はいなかったが、米軍基地の危険性がむき出しになる事件だった。

 しかし、事件発生直後、駆け付けた米軍によって現場はすぐに強制封鎖された。取材中の報道陣はカメラを取り上げられるなど、日本側からアクセスできたのは米兵の許可を得たごく一部の者のみ。未だに全容は解明されていない。

 事故が発生した場所は、明白に日本の領土、民間地であり、生命の危機にさらされたのは日本で暮らす民間人だ。にもかかわらず、日本側は、自立した調査も自由な報道も、アメリカの許可なしには遂行することができなかったのである。

 なぜこのような状況となったのか。それは日米安保条約のもと、日本とアメリカの関係を法的に定めた日米地位協定があるからだ。この協定の効力のひとつとして、アメリカの財産のある場所は、日本の当局は捜索や差し押さえ、または検証を行う権利を有しない、あるいは著しく制限されることが知られている。

 今回のうるま市沖での事故も、日米地位協定を理由に、アメリカ側の意向もあってその詳細は公開されないだろうが、こうした問題は、安保法制で一体化する米軍と自衛隊の問題に直結する。

 04年の沖縄国際大学での事故では、米軍側はヘリの破片を「財産」だと主張して、日本側の現場立ち入りや捜索、検証などを一切受け付けなかった。実は、これと同じ論理で日本全土が事実上の治外法権化する可能性があり、今後自衛隊の海外活動でも同じようなことが起こるかもしれない。すなわち、米軍の活動を支援していた自衛隊が、なんらかの理由で被害を被っても、米軍と行動を共にしているという理由で、原因などその真相が隠される可能性があるということだ。

 日米地位協定の背景にあるのは、日米安保の不平等性である。これは、表向きにはアメリカが日本を守る代わりに、日本側は米軍の権利や基地の設置などを認めるというものだが、実際には長年にわたるこの米軍偏重の姿勢が、アメリカへ逆らえない日本政府の体制を生んだ。アメリカの強い要請に応えた安保法制もまた、その流れをくむものである(安倍首相の個人的願望でもあるが)。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

米軍ヘリ墜落事故でわかった安保法制もうひとつのリスク…自衛隊員が戦死しても真相は隠蔽される!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。宮島みつや沖縄の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 葵つかさが「松潤とは終わった」と
2 細田衆院議長が安倍元首相に全責任なすりつける醜い弁明もマスコミは
3 夫の会社が家宅捜索で三浦瑠麗に説明責任「太陽光発電」を後押しする発言
4 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
5 三浦瑠麗が「医者はワイドショー見てコロナ怖がりすぎ」と医療従事者を嘲笑!
6 つるの剛士が畑泥棒を「近くの工場で働いてる外国人」「あそこ怪しすぎる」
7 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
8 「モーニングショー」まで…台湾有事を煽るマスコミの酷さ
9 安倍元首相と統一教会の関係に田崎史郎、三浦瑠麗、橋下、東国原、古市らが…
10 卒アル写真で未来はわかるのか
11 痴漢しても中島裕翔のドラマは放送開始
12 たけしと瀬古が「玉川徹待望論」もテレ朝は玉川を政治にさわらせない方針
13 防衛省の情報操作計画はデマじゃない!入札企業に「目的は世論工作」と説明
14 乃木坂46橋本奈々未が背負った貧困
15 松本人志追及に井上公造が「圧力ない」
16 青木理『モーニングショー』降板 政権批判コメンテーターを排除か
17 JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係,
18 岸田政権の“防衛増額”に元自衛隊幹部が「砂糖の山にたかるアリ」と批判
19 辻仁成が告白「彼女に新しい人が…」
20 いとう、アジカン後藤の”音楽と政治”論
1細田衆院議長が安倍元首相に全責任なすりつける醜い弁明もマスコミは
2「モーニングショー」まで…台湾有事を煽るマスコミの酷さ
3夫の会社が家宅捜索で三浦瑠麗に説明責任「太陽光発電」を後押しする発言
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄