『グッディ!』土田晃之マジギレ事件でわかった、芸能人コメンテーターの限界とフジスタッフの頭の悪さ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 確かに、長時間に渡り、早朝散歩をする森を追いかけ回したやり方はあまりに執拗だったし、そもそもそこまでやる相手か、という疑問は残る。しかしこうした突撃手法は芸能記者、レポーターにとっては一種の“お家芸”であり、過去スキャンダルや熱愛が発覚した芸能人に対して頻繁に行われてきたものだ。最近はあまり見かけなくなったが、「グッディ」はそれを復活させたともいえる。

 実際、最初は無言だった森も、ディレクターの「人生に彩りをということで、ご飯食べる時はピンク色だったりとか」という捨て鉢な質問に、思わず失笑し、その後、ぽつりぽつりと質問に答え出したのだ。ある意味、芸能レポーターの本領発揮ともいえる直撃取材だった。

「グッディ」の直撃精神は今回の森だけではなく“マスコミタブー”であるジャニーズ事務所にも向けられたことがある。

 それが今年5月26日の中居正広の囲み取材の場だった。この日「コカ・コーラ ゼロ」のイベントに出席した中居だったが、その直前ラジオで父親が亡くなったことを明らかにしており、主催者からは「プライベートな質問はNG」とのお決まりの説明がされていた。ところが、「グッディ」のレポーターだけは「(父親の死因である)ガンに対する思いは」などと執拗に質問をし、「安藤さんに聞いてこいっていわれたの」と返されている。

 しかし、この中居の一件にしても、森のことにしても、それを取り上げたネットニュースや芸能マスコミは「土田が激怒」「執拗な取材に批判」「中居が大人の対応」「グッディがまたやらかした」などと「グッディ」を批判する形でこれを伝えている。

 だが、はたしてそうなのだろうか。マスコミタブーである中居のプライベートを果敢に質問したことは芸能レポーターとしては賞賛に値する。むしろ、問題は芸能ネタを取り上げる番組コメンテーターやMCを同じ芸能人が務めているということだろう。俳優の高橋にしろ、芸人の土田にしろ、大御所歌手であり大先輩の森のスキャンダルに適切なコメントなどできるはずがない。実際、大御所だけでなく所属事務所や利権、人脈の関係から、彼らは芸能ネタにはいつも完全に腰が引けている。

 さらに言えば、自分たちも「何かあればレポーターに追いかけられる芸能人」という身。そんな人物たちが同じ芸能人を叩くことはできないし、タブーを破ることなど期待できない。コメンテーターを務めること自体に無理があるのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

ジャーナリズムは甦るか

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

『グッディ!』土田晃之マジギレ事件でわかった、芸能人コメンテーターの限界とフジスタッフの頭の悪さのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。タブーフジテレビ土田晃之林グンマ直撃LIVE グッディ!の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄