安倍晋三はセカイ系だった! あのマンガが見抜いていた、今、日本で起きている事態の本質

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
deathnote_150707.jpg
『DEATH NOTE』(原作・大場つぐみ、作画・小畑健/集英社)

 マンガが予言する──『ジョジョ』3部に出てくるボインゴの話ではない。

 閉塞感、テロ、原発、そして戦争……こうした現代日本の背景となる軸を、実は10年も前からマンガは先取りしていた。

 あらゆる文化はつねに時代の空気をつかみとり、予感的に表現するものであるが、そのなかでもマンガは他ジャンルにくらべて、芸術的な縛りがゆるい分、題材や思想を自由に詰めこめる。

〈いまやマンガこそが「世界のすがた」を反映させるいちばん精度の高い鏡である〉
 
 そう主張するのが『マンガの論点』(中条省平/幻冬舎)だ。

 本書は2006年から9年間にわたって書き貯められてきたマンガ時評の連載をまとめたもの。バラバラに書かれた原稿ながら、通して読むと一貫した歴史意識が流れていることがわかる。博覧強記の知識を駆使しながら作品の魅力とともに現代社会の深層を探り当てる著者の手並みはアクロバティックでスリリングだ。

 たとえば『DEATH NOTE』(以下、デスノート)評が興味深い。

『デスノート』(原作・大場つぐみ、作画・小畑健/集英社)が大人気のうちに完結したのは06年。ちょうど第一期安倍政権が発足したのと同時期だ。

 ここで著者は、『デスノート』が一大ブームを巻き起こしたことと、「安倍的なもの」が支持を集めたことは背後でつながっているのだと主張する。

 当時の安倍がひっさげていた「美しい国」の主張はといえば、憲法改正、交戦権の獲得、愛国教育の強化と紋切り型右翼マル出し。さらには天皇制を無条件で賛美し、戦争犯罪の概念そのものを否定するなど恥も外聞もない。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

マンガの論点 21世紀日本の深層を読む

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

安倍晋三はセカイ系だった! あのマンガが見抜いていた、今、日本で起きている事態の本質のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍晋三松本 滋の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 大阪・松井市長が高市早苗と同じく公文書否定でカジノ用地鑑定談合ゴマカシ
2 葵つかさが「松潤とは終わった」と
3 高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も
4 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
5 テレ朝で『モーニングショー』統一教会報道中止、ネット動画削除!
6 維新は優生思想政党! 馬場幹事長がれいわ舩後議員の「生きる権利」発言を否定
7 放送法解釈変更は氷山の一角!安倍官邸は同時期、あの手この手で言論弾圧
8 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
9 「カジノ用地疑惑」追及が松井市長から恫喝・嫌がらせ受けるも新事実を敢然と報道
10 三浦瑠麗問題に「週刊文春」「週刊新潮」は完全沈黙する理由!
11 吉高が“私の裸を見て”と迫った男
12 トム・クルーズもハマる宗教の裏
13 吉本芸人「ほんこん」のサムすぎるネトウヨぶり!
14 高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル!
15 岸田には安倍が乗り移っている! 政策だけでなく答弁も
16 自民党がネトサポに他党叩きを指南
17 『クロ現』降板の国谷裕子が圧力を語る
18 タッキー引退の裏にジャニーVSジュリーの派閥抗争
19 岸田政権の“改憲”の本命「緊急事態条項」はこんなに危ない!
20 家系図アピールの岸信千世だけじゃない 安倍元の後継は“極右”
1高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も
2大阪・松井市長が高市早苗と同じく公文書否定でカジノ用地鑑定談合ゴマカシ
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄