『モテキ』はサブカルではない! 3人のオヤジミュージシャンが嘆くサブカルの変質

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『日本人の99.9%はバカ』(コアマガジン)

「サブカルチャー(サブカル)」という言葉・文化の定義をめぐっては常に論争が張り巡らされてきた。昨年、NHK Eテレでは、劇作家の宮沢章夫氏をコンダクターとした『ニッポン戦後サブカルチャー史』なる番組も放送された。

「クールジャパン」とも呼ばれ、日本のポップカルチャーが我が国の輸出物として注目を集めるいま、「“サブカルチャー”とは何か?」について、NHKですら考える時代となっているのだ。

 そんな「サブカルチャー」という言葉の受け止められ方について、『日本人の99.9%はバカ』(コアマガジン)の中でロマン優光氏も一石を投じた。

 ロマン優光氏といえば、掟ポルシェ氏とともに、ニューウェイブバンド「ロマンポルシェ。」として活動。そのかたわら、アイドル・パンク・特撮など、様々な分野に関して造詣が深いことでも知られ、ライターとしても活躍している人物だ。

 吉田豪氏が言うところの「サブカルには、コアマガジン系のサブカルと、マガジンハウス系のサブカルの2種類ある」の基準に照らしてみれば、キワモノ系ジャンルを得意とした、コアマガジン系サブカルの中心人物と言える存在である。

 前述の著書の中でロマン優光氏は、最近サブカルとして取り上げられるものについてこう語る。

「それは悪い意味でサブカルですらないという人や事柄が増えすぎでわけがわからないよ! それ『サブカル』ですらないんじゃないか?」

 なかでもサブカルを代表する作品としてあげられることの多い、久保ミツロウの漫画『モテキ』(講談社)についてはこうだ。

「まず、主人公は作中でロック・フェスに赴きます。こういう部分を指してサブカルと言う人もいるとは思います。しかし、よく考えてください。そもそも、ロック・フェスというものはサブカルという範疇に属しているものなのでしょうか? あんな大勢の人間があつまってワイワイ楽しそうにしているところに行きたがる行為がサブカル的だとはどうしても思えません」
「例えば、吉田豪さんがロック・フェスに行ってアウトドアを楽しんだり、一体感を味わったりするところが想像できるでしょうか? 私には想像できません。豪さんが好きなバンドが会場限定で発売する音源でもあれば物販スペースに赴くためにフェス会場に現れるかもしれませんが、そうでなければインタビューしに現れるぐらいでしょう」

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