日本アカデミー賞受賞!『永遠の0』は平和ボケの戦争賛美ファンタジーにすぎない

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
eiennozero_01_150217.jpg
映画『永遠の0』公式サイトより


 やっぱり、獲ってしまったか。本日、百田尚樹原作の映画『永遠の0』が第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞したのをはじめ、主演の岡田准一の最優秀主演男優賞、山崎貴監督が最優秀監督賞と、計8部門で最優秀賞を獲得し、話題を独占した。百田も受賞打ち上げパーティに参加し「なんで最優秀賞原作賞がないんや!」とツイートするなど大はしゃぎだ。

 あいかわらずの日本アカデミー賞のお手盛り感とレベルの低さにはうんざりさせられるが、だとしたら、本サイトもしつこいと言われるのを覚悟で、何度でもこの作品のもつ問題を指摘しておかなければならないだろう。

 本サイトでは先日、特攻を描いたこの作品が、百田とその支持者がいうような「反戦小説」でもなんでもない、むしろ戦争賛美小説であることを指摘した。軍上層部を批判してはいるが、こうすれば勝てたのにと作戦内容を糾弾しているだけで、戦争を始めたこと自体は一切批判していない。特攻隊員が生命をかけていることについては悲劇的に描いているが、彼らが米軍機を容赦なく撃ち落としていることはまるでスポーツ解説でヒーローを褒め称えるように全面肯定しているだけだ、と。

 しかも、『永遠の0』の罪は、たんに戦争肯定しているというだけではない。最大の問題は、それが戦後民主主義の安全地帯から語っている“平和ボケ”ファンタジーでしかないことだ。

『永遠の0』のストーリーは、平成を生きる青年が語り手となって、特攻で死んだという祖父の軌跡を、戦場での知り合いを探し出し、たずね歩くというもの。戦友たちによると、祖父・宮部久蔵(映画では岡田准一が演じた)は、零戦パイロットとして天才的な技術をもちながら、「死にたくない」「生きて帰りたい」が口癖の海軍航空隊一の臆病者だったという。

 戦友たちの口からは、宮部の思い出と同時に、真珠湾攻撃に始まり、ミッドウェー、ラバウル、ガダルカナル、サイパン、レイテそして特攻、終戦と日本軍の戦いぶりが語られる。

 しかし、そもそも、日本軍で「死にたくない」「生きて帰りたい」と日常的に公言するという主人公の設定自体が、あり得なくないか? 当時は、一般庶民でさえ、心の奥底では「戦地に行かないで」「生きて帰ってきて」と思っていても、世間の空気的にそんなことは絶対に言えず、「万歳」と送り出すしかなかった、そんな時代なのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

事典 昭和戦前期の日本―制度と実態

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

日本アカデミー賞受賞!『永遠の0』は平和ボケの戦争賛美ファンタジーにすぎないのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。日本アカデミー賞永遠の0百田尚樹酒井まどの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍首相が地元でも「桜を見る会前夜祭」と同じ有権者買収か!
2 『スシローと不愉快な仲間たち』8 安倍政権御用コメンテーター養成講座
3 中国人を“ばい菌”扱いするワイドショー、政治目的に利用する安倍首相
4 新型コロナウイルスに乗じ“中国人ヘイト”が跋扈! 百田尚樹、高須克弥も
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 立川志らくが古典落語で「日本人かてめえ」ヘイト、反論も酷い
7 田崎史郎が河井案里問題で“安倍首相は無関係”を主張も自滅
8 TBS宇垣アナが夫婦別姓反対派を一蹴
9 詩織さん全面勝訴でも山口敬之氏と安倍首相の関係に触れないテレビ
10 田崎史郎「桜を見る会」名簿問題で“民主党ガー”詐術、羽鳥慎一が思わず…
11 河井案里議員の「安倍マネー1億5千万円」はやっぱり違法
12 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
13 安倍首相トンデモ答弁「ログ開示はセキュリティ上問題」に政府ぐるみで追随
14 長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表
15 「桜を見る会」で産経新聞の安倍擁護が無理やりすぎて笑える!
16 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
17 青山繁晴が前川氏に論破されてボロボロ
18 トランプ大統領がツイッターで、安倍首相の国民騙す“関税密約”暴露
19 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
20 安倍政権御用ジャーナリスト5位〜大賞発表!
1久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
2安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
3 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
4明石家さんまが吉本上層部と安倍首相の癒着に痛烈皮肉!
5『ゴゴスマ』で今度は東国原英夫がヘイト丸出し、金慶珠を攻撃!
6『報ステ』の“安倍忖度”チーフPがアナやスタッフへの“セクハラ”で更迭
7『ゴゴスマ』で「日本男子も韓国女性が来たら暴行しなけりゃいかん」
8文在寅側近の不正に大はしゃぎの一方、安倍政権が厚労政務官の口利きに無視
9埼玉知事選で警察が柴山文科相への抗議を排除!柴山も表現の自由否定
10安倍首相がトランプからトウモロコシ爆買い
11菅官房長官「トウモロコシ大量購入は害虫被害対策」は嘘
12 GSOMIA破棄は安倍のせい 慰安婦合意から始まった韓国ヘイト政策
13安倍が後に先送り財政検証の酷い中身
14 GSOMIA破棄で日本マスコミの「困るのは韓国だけ」の嘘
15 松本人志や吉本上層部批判の友近、近藤春菜にバッシング、報復か
16『週刊ポスト』の下劣ヘイト記事は「小学館幹部の方針」の内部情報
17GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
18 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
19 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
20『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』のデマとトリックを暴く

カテゴリ別ランキング


マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄