公明党は動物好きの敵? ペット業界とつるんで子犬売買の法規制を骨抜きに

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 本書によれば、環境省が委員を選んだ法改正のための小委員会にも〈業界の「利益代弁者」が少なからず入っていた〉といい、改正前には委員である〈学識経験者のうち複数人〉がペット業界誌の座談会に登場。「これがすべての犬種にあてはまるかは難しいところ」などと述べ、8週齢規制に慎重論を唱えたという。

 それだけではない。法改正にあたって11年8月には環境省がパブリックコメント(意見募集)を実施していたのだが、これに対し、中央ケネル事業協同組合連合会や、ペット保険大手のアイペット、血統書の発行などを行うジャパンケネルクラブ、NPO法人日本社会福祉愛犬協会などの業界団体が「組織票」集めに奔走。環境省へ意見提出するために動員をかけていたという。しかし、その結果は〈8週齢規制に賛成する意見は6万2394件〉に対し、業界団体が動員をかけた「45日齢規制で十分」といった意見は〈4万6372件にとどまった〉。少なくともこの時点では〈世論は明らかに規制強化、8週齢規制導入を支持〉しており、優勢だったのだ。

 しかも、当時の与党である民主党は8週齢規制に積極的で、自民党とも足並みをそろえていた。だが、改正が確実になったころから囁かれていたのは、〈公明党だけは、業界寄りの見解を持っている〉ということだった。

 実際、本書に記述された民主、自民、公明(途中から生活の党も参加)の実務者協議の様子を読むと、ある議員の意見は“業界団体の代弁”にしか見えない。本書では「販売業者サイドの意向を強く出して、8週齢規制に反対する議員がいた」という関係者の証言を掲載し、その議員の名を明らかにしているのだが、それは、公明党の高木美智代衆院議員である。

 高木議員は、第一次安倍内閣で経済産業大臣政務官を務めた人物で、改正当時は公明党動物愛護管理推進委員会の委員長。本サイトで調べたところ、高木議員は東日本大震災発生時に被災地へ動物の救援物資を送るなどの活動を行っているが、じつは「以前より親交のあった全国ペット協会・理事」から話を持ちかけられてのことだったという。この全国ペット協会とは、動物取扱業にはじめて罰則規制がかかった99年12月の動物愛護法改正をきっかけに立ち上がった業界団体で、言うなれば法改正に抵抗するための組織。高木議員は総会にも来賓として参加しており、近しい関係であったことがうかがえる。

 そうした点をふまえて法改正の協議の模様を見ていくと、いかに高木議員が〈業界寄り〉であるかがよくわかる。

 たとえば、協議の第1回目。民主党が〈環境省の小委員会での議論とその報告書をベース〉にしてまとめた改正案の骨子に対し、高木議員はこのように指摘している。

「民主党は実現可能性の話を水面下で関係者と折り合いをつけてもらいたい。政治主導で愛護団体の意見を強く出すのはよくない」

 また、全国ペット協会の会長を招いて意見を聞く場が設けられた際には、こう発言している。

「ペット業界からは科学的根拠がないのに規制を受けるのか、という意見があった。国としても根拠を整理すべきだ」
「環境省は業界と向き合い、落としどころの案を出してほしい。業界と向き合ってもらわないと。現場の意見をくみ上げるために全国ペット協会とすりあわせをお願いしたい」

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