ベストセラー『7つの習慣』は「やりがい搾取」をもたらす危険な書だ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
7tsunosyukan_140902.jpg
『まんがでわかる 7つの習慣』(フランクリン・コヴィー・ジャパン監修/宝島社)

 再び『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)が売れているようだ。こんどはマンガ版である。書店やアマゾンのベストセラーランキングを見ると、先日紹介した『嫌われる勇気─自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎、古賀史健/ダイアモンド社)に続いて、『まんがでわかる 7つの習慣』『まんがでわかる7つの習慣2 パラダイムと原則/第1の習慣/第2の習慣』(ともにフランクリン・コヴィー・ジャパン監修/宝島社)がランクインしている。オリジナル版もこの夏「25周年記念版」などが出され、あらためてこの本に注目が集まっている。

『7つの習慣』とは、人生を成功にみちびくための思想を述べた、いわゆる「自己啓発書」である。凡百の類書とちがう点は、この本が25年ものあいだ売れ続けてきたロングセラーであり、販売部数は全世界で3000万部、日本でも百数十万部にもなるベストセラーであるということだ。この本がどうしてこんなに成功をおさめることができたかというと、それはもちろん、この本がそれだけよくできているから。自己啓発書のお手本といってもいい。でも、それだけにかえって、天邪鬼の私は「こんなの読んでて大丈夫か?」と考え込んでしまう。それはなぜか? これを『7つの習慣』リヴァイヴァルのこの機会に考えてみたい。

 まず、『7つの習慣』をまだ読んだことのない人のために、いったいどういう本なのかを簡単に紹介しよう。

 この本の核となる、いちばん重要な考え方がある。それは「インサイド・アウト」というものだ。これは、「あなたの周囲の問題は、あなたが問題だと思っているから問題なのだ」という考え方である。どういうことか。飲み屋に行けば、部下が使えないやつだとか、上司から何も学べないとか、そんな愚痴にいくらでもお目にかかることができる。でも、こんな風に考えてはどうだろうか。つまり、部下が使えないのは、実は上司である自分が部下を上手に使う術をもっていないからではないか。上司から何も学べないのは、部下である自分に何かを学ぶ姿勢が足りないからではないか、と。多くの人は自分の都合のいいように物事を見て判断する。だから何かがうまくいかないとき、それを周囲のせいにしてしまうのだ。でも、ここで物の見方を変えて、自分が変わらなければ周囲も変わらないのではないか。このように、問題解決に向けたアクションを自分自身の内面から始めるのが「インサイド・アウト」の考え方だ。

 たしかに、ままならない周囲の物事を変えようと躍起になるより、自分の物の見方を変えて環境に適応していくほうが、ずっと効率的に思える。その結果として周囲も変わっていくとしたら、これ以上のことはない。まさしく発想の転換である。とはいえ、これは言うは易く行うは難しである。たとえ考え方を理解できたとしても、一朝一夕にそれを達成するのは難しいだろう。だから、日々の暮らしのなかで粘り強くそれを実践する術を身につけていく必要がある。そこで頼りになるのが習慣の力だ。つまり「7つの習慣」とは、「インサイド・アウト」の考え方を実践するための日常的なマニュアルなのである。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

ブラック企業経営者の本音 (扶桑社新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

ベストセラー『7つの習慣』は「やりがい搾取」をもたらす危険な書だ!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。二葉亭クレヨン洗脳若者の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 菅首相ポンコツ会見で「国民皆保険の見直し」というグロテスクな本音ポロリ
2 吉村知事のずさんな政策決定と責任転嫁の手口を“8割おじさん”西浦教授が暴露
3 菅首相のポンコツが止まらない!「変異種」を忘れ、患者を「お客さん」
4 もはや権力の「中の人」…御用ジャーナリスト5位〜2位、大賞を発表
5 大阪に看護師不足は維新のせい!橋下徹は看護師の給料を「バカ高い」と攻撃
6 安倍政権でも菅政権でも権力大好き! 御用ジャーナリスト大賞10位〜6位
7 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
10 ぼうごなつこ『100日で崩壊する政権』は安倍政権のインチキの記録
11 室井佑月の『ひるおび!』降板で麻木久仁子が滝川クリステルに疑問
12 大統領選不正デマを拡散した日本のトランプ応援団の妄言総まくり!
13 菅首相 緊急事態宣言の記者会見で露呈したヤバさ!結婚式みたいなセリフが
14 菅首相のベトナムでのスピーチが露呈した「教養のなさ」
15 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
16 吉高由里子のマネージャー愛
17 フジ産経調査「安保必要7割」は嘘!
18 羽田雄一郎参院議員の死が示すコロナ検査の現実
19 オリラジの吉本興業退所でマスコミが触れない松本人志をめぐる圧力
20 渡部問題で『ガキ使』と松本人志の責任はなぜ問われない?
1菅首相が官房機密費87億円を自分に支出 総裁選出馬前日に9000万円
2菅首相のポンコツが止まらない!「変異種」を忘れ、患者を「お客さん」
3菅首相が緊急事態宣言を出さない理由! 特措法改正は時間稼ぎ
4感染者560人! 吉村知事の「感染拡大が抑えられている」に非難殺到
5もはや権力の「中の人」…御用ジャーナリスト5位〜2位、大賞を発表
6菅首相ポンコツ会見で「国民皆保険の見直し」というグロテスクな本音ポロリ
7吉村知事のずさんな政策決定と責任転嫁の手口を“8割おじさん”西浦教授が暴露
8菅首相は「五輪を実現」と断言、森喜朗会長も「中止はできない」
9菅義偉首相の言い訳がホラー「専門家が年末年始に感染者が少なくなると」
10安倍政権でも菅政権でも権力大好き! 御用ジャーナリスト大賞10位〜6位
11菅首相 緊急事態宣言の記者会見で露呈したヤバさ!結婚式みたいなセリフが
12香港の言論弾圧激化のなか『電波少年』チューヤンが日本人に連帯訴え
13ノーベル賞・本庶教授が「PCR検査の大幅な拡充」訴えるも厚労省は…

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄