万博でも維新がインチキ!「税金使わない」はずが周辺整備にまたぞろ30億円、医療や保健所削減の一方でカジノの隠れ蓑に多額の税金

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日本維新の会HPより


 文書通信交通滞在費(文通費)問題をめぐり、またぞろ吉村洋文・大阪府知事や松井一郎・大阪市長がしゃしゃり出て「こんなの国民の税金に群がるシロアリだよ」「札束で小遣い認める国会」などとがなり立てている。

 だが、こうして吉村・松井両氏が「税金の無駄遣いだ!」とパフォーマンスに勤しむ一方、当の大阪で、絶句するような「税金の無駄遣い」が判明した。

 というのも、2025年大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲に新設される夢洲駅(仮称)の改札前広場やエレベーターの設置といった周辺整備について、大阪市は今月2日、市が負担する総工費が約30億円にのぼると公表したからだ。

 これらの整備について、大阪市は当初、税金は使わず事業者に負担させるとし、今年4月に月額1259万円以上の賃料を条件にして開発・運営の事業者を公募。ところが、期限の7月までに応募した事業者はゼロ。そのため、市が公金を支出して整備することとなったのだ。

 大阪万博をめぐっては、夢洲へのシャトルバスの専用道として大阪市が整備している高速道路「淀川左岸線」2期工事でも土壌汚染が確認されたことから、当初の整備費約1100億円は約1800億円となり、700億円もの負担増に。さらに、国、府・市、経済界が負担することになっている会場建設費も、暑さ対策などによって当初より1.5倍増となる最大1850億円にものぼっている。

 それでなくても新型コロナの発生によって、当初の万博の計画は狂いを見せている。実際、現在UAE(アラブ首長国連邦)で開催中のドバイ万博では、今月11日に大阪万博をPRするイベントが開かれる予定だったが、オミクロン株の影響で中止に。いや、大前提として、3年半後に大阪万博を計画通りに開催できるのか、当初の経済効果を見込めるかは不透明だ。そして今後、建設・整備費の公金負担はさらに増えていくのは必至だろう。

 だが、今回判明した夢洲駅周辺の整備費約30億円が「税金の無駄遣い」であると指摘せざるを得ないのは、この大阪万博が「カジノありき」で進められてきたからだ。

カジノ誘致の隠れ蓑にするために万博会場を無理やり「夢洲」に選定した松井市長

 そもそも、大阪での万博開催決定前の2014年におこなわれた立地調査では、候補地としてあがっていたのは花博記念公園鶴見緑地や万博記念公園といった万博跡地、関西国際空港に近いりんくう公園・りんくうタウンといった場所で、夢洲は交通アクセスの不備が指摘されていた。また、翌2015年7月には府や経済界などでつくる検討会が府内6カ所を候補地として選定したが、そこに夢洲は含まれていなかった。

 ところが、2016年5月21日に当時大阪府知事だった松井一郎が菅義偉官房長官と東京都内で会談し、その場で「会場候補地は夢洲を軸に検討する」と方針を伝達(朝日新聞2016年5月23日)。同年7月22日に開かれた「2025年万博基本構想検討会議 第1回整備等部会」の議事録によると、事務局の担当者が「夢洲は、要は知事の試案ということで、知事の思いということで、この場所で出来ないかということでお示しをした場所でございます」と発言している。

 つまり、大阪万博を夢洲で開催するというのは事実上、松井氏によるトップダウンの決定だったわけだが、松井氏が夢洲にこだわった理由、そして当時の菅官房長官にわざわざ報告をおこなったのは、夢洲がカジノ候補地だったからだ。

 ようするに、大阪万博はカジノありきで進められてきたものであり、カジノだけでは税金投入に反対意見が出るため、万博という大義名分を使ってインフラ整備を図ろうという計画なのだ。

 松井氏は「IR、カジノには一切税金は使わない」と断言していたが、それは大嘘で、万博を大義名分にして税金を投入しているにすぎない。そして、過去の万博跡地での開催であれば必要なかった莫大な金がかかるインフラ整備に税金が使われているのが実態なのだ。

 しかも、夢洲駅周辺の整備に約30億円もの税金が投じられるのも、この「カジノありき」という姑息な計画の煽りを受けてのことだった。というのも、整備を担う事業者の公募に応募が一件もなかったのは、〈夢洲に誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の実現性が不透明なことが影響している〉(読売新聞8月31日付)ためだというからだ。

 昨年5月に世界最大規模のカジノ運営会社である米ラスベガス・サンズが日本市場からの撤退宣言をおこなったように、カジノ業界はコロナの影響を大きく受け、万博以上にその経済効果には疑問符がついた状態になっている。そして、「カジノありき」の取らぬ狸の皮算用で万博計画を進めた結果、約30億円も追加で税金を投じなければならなくなってしまった、というわけなのだ。

医療や保健所機能を「税金の無駄」と削減し医療崩壊を引き起こした維新が万博=カジノには大量の税金を

 何度も指摘しているように、大阪府と大阪市は、「赤字行政の改革」「行政の無駄を省く」をスローガンに、福祉や公的医療、保健所の人員を削減した結果、コロナで完全に医療崩壊を起こし、全国で最大どころかインド超え、ヨーロッパ並みの死者を出した。

 にもかかわらず、吉村知事と松井市長はいまだ万博を大義名分にした「本命」カジノのための整備に莫大な税金を使おうとしているのだ。そして、横浜市が市長選の結果を受けて撤退したいまでは大阪がカジノ最有力候補地となっている。

 ちなみに、大阪府・市がカジノ事業者に選定したのは、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループ。オリックスといえばあの竹中平蔵が社外取締役を務めている企業であり、パソナが大阪の行政を食い物にしているのと同様、吉村知事と松井市長はカジノでも竹中氏に甘い汁を吸わせようというのだろうか。

 いずれにしても、コロナ禍でこんな「税金の無駄遣い」をしている連中が、“重箱の隅”でしかない国会議員の文通費問題を声高に叫び、それをテレビが大きく取り上げて喧伝しているこの状況は、どうかしているとしか言いようがない。

最終更新:2021.12.07 10:46

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